黒部渓谷・下の廊下
2日目 阿曽原温泉小屋・水平歩道、欅平駅
2010年10月24日(曇り)
私達夫婦のパーティー
【ルートタイム】 (1日目) 4時48分:阿曽原温泉小屋テント場(発)⇒5時45分:水平歩道手前の急なハシゴ⇒6時53分:砂防堤トンネル⇒7時46分:大太鼓⇒7時58分:合志谷150mトンネル⇒8時48分:短いトンネル(蜆谷)⇒9時53分:送電線鉄塔⇒9時30分:水平歩道始点(終点)⇒10時02分:水平歩道・回遊歩道分岐⇒10時08分:欅平駅 |
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4時48分 | テント場の奥から欅平に向かう。 (標高830m) 小屋のスタッフから必ず11時43分のトロッコ列車に乗らないと5時過ぎまで乗れませんと注意されたためみな早く出発していた。(阿曽原から欅平まで11.6q) 阿曽原温泉小屋はトロッコのトンネルを掘るときの作業場所のあった場所で吉村昭「高熱隧道」の舞台。昭和15年1月泡雪崩で惨劇が起きている。 露天風呂の脇にあるトンネルはその時の横穴の跡と思われサウナのような高温の蒸気であふれていた。 またテント場の脇にもトンネルがあり、トンネル工事の時のものであろう。この露天風呂は周りにスノコがあるだけのとても開放的なものである。わが国有数の秘湯の一つであろう。 この時期のトレッキングでは到着時間も遅く、出発時間も早いためここを十分に楽しめなかったのは残念。次は剣沢から降りてきてゆっくり入りたい・・。 |
テント場から一旦沢に下りそれから1時間ほど急な登りが続く。標高差300m程登ります。 このハシゴ(階段)を登りきると、上りは終わり後は水平道になる。 右下に阿曽原温泉小屋とテント場の明かりがかなり上まで木々の間から見えている。 詳細写真(10) |
5時45分 | ![]() |
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5時53分 | 上のハシゴを登りきると水平歩道になる。 初めは深い木々の中を歩き高度感は感じられない。 |
次第に木々が切れると徐々にではなく突然、はるか下に黒部川が見えてくる。 水平歩道は標高930m〜950mあたりの等高線上に作られている。 |
6時20分 | ![]() |
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6時28分 | 折尾の大滝 ここは休憩場所としては最適。私達もここで今回持ってきたさいたま市大宮区にある先日見つけた美味しリーフというパン屋のパンとリイヤルミルクティーで楽しみ最後に滝の沢水をすくって飲み、黒部のパワーをいただいてきました。 阿曽原から4.3km 欅平駅へ7.3km |
堰堤の中にトンネルがありその中を通ってわたります。 水の落ちている先が出口です。 |
6時53分 | ![]() |
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7時16分 | 水平歩道を象徴する様な岩がコの字に穿かれた登山道。 この辺りは黒部川から400m程の高度はあるが木々もありそれほど恐怖心はない。 詳細写真(11) |
大太鼓の手前は崖に丸太の桟橋が付けられている。遥か下に黒部の川底が見える。 歩道の高度が腕時計の高度計では930m程を指していたため、川底がこの辺りで標高600m程であるから高度差が300m以上ある。 しかし、ここまで高いと怖いという実感がわかない。 この辺りから欅平駅がはるか先に見えており、一部の携帯電話は通話が可能と書かれている。 |
7時46分 | ![]() |
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7時46分 | 大太鼓展望台というプレートがある。 堰堤トンネルから約55分かかった。 黒部ダムまで24.8km 仙人谷ダムまで8.2q 阿曽原まで6.2km 欅平まで5.4km 昭文社の地図では大太鼓というポイントまで堰堤トンネルから40分とあるが、このポイントは地図にあるポイント方15分ほど先にある場所である。地図にここから欅平駅が見えると書かれている先である。(ほとんどの登山者が大太鼓のポイントがどこか疑問に思いながらここまで来ていた。) |
志合谷(あいしたに)の水平歩道。 しかし白い岩の部分は通行できず、150mのトンネルを通る。 この谷の下は下部は昭和13年12月27日トロッコのトンネル工事用の5階建ての宿舎が上部で発生した泡(ほう)雪崩(乾ききったパウダースノーが斜面を落ちていくときに、その中に含まれている空気を極限まで圧縮し、強力な爆発力を発揮する。秒速1000mと言われる)により鉄筋5階建の宿舎の2階以上の部分がそのまま切り取られて谷を越え580m先の対岸の奥鐘山山腹に激突し作業員84名が布団で寝たまま死亡するという大事故が起きた場所である。 |
7時73分 | ![]() |
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8時00分 |
志合谷(しあいたに)の150mのトンネル。 トンネル内はライトが必要。 トンネルの中は水が流れており、トンネルの壁は銀色に輝いていた。 ヒカリゴケと書いているサイトもあるが触れてみるとコケではなく、鉱物の反射のようであった。(他で見たヒカリゴケは金色に輝いて見えた。) 一人でくぐるととても怖いと思います。 阿曽原温泉小屋6.8q 欅平まで4.8km |
蜆谷の短いトンネル。 詳細写真(11) |
8時17分 蜆谷 |
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8時25分 | 水平歩道 この辺りの川底が630m程であり標高差が約300m程あるが木々があり高度感はそれほどない。 しかしところどころにある丸太で組まれた桟橋など危険なところもある。 |
黒部の怪人奥鐘山(標高:1543m) この西壁は黒部の三大岩壁の一つ。 |
8時42分 | ![]() |
水平に穿かれた水平道はどこまでも続く。 | 9時10分 | ![]() |
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9時30分 | 計焼き平の上部にある鉄塔の場所が水平歩道の終点であり始点。 ここまで阿曽原から10.3q ここから欅平駅まで一気に下りが始まる。 欅平駅まで約1.3q 阿曽原温泉小屋まで10q 詳細写真(12) |
地図で欅平から20分と書かれているのは回遊歩道と水平歩道との分岐のこの地点か?。 ここから欅平駅まで700m。 |
9時44分 | ![]() |
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9時52分 | 急な草付の滑りやすい斜面を一気に欅平駅まで下る。 とても急な坂で「蜆(シジミ)坂」というそうです。 |
欅平駅 沢山の観光客と登山者がいた。 11時4分のトロッコ列車の乗車券と乗る車両の整理券を買った。 |
10時07分 | ![]() |
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10時08分 | 黒部ダムから約30q、2日かけて歩いてきました。 背後に見える工事現場の足場の階段を下りてきました。 駅の下の河原の上にある猿飛温泉の露天風呂を楽しんだ。(名剣温泉までは行く時間がありませんでした。) |
【アクセス】 欅平から宇奈月温泉までトロッコ列車で約1時間20分 料金は1660円(普通車) 11時04分の欅平駅を出て宇奈月温泉から魚津そして糸魚川⇒南小谷⇒信濃大町に7時15分に着いた。 宇奈月温泉から新魚津まで23km、特急で28分(乗車券900円+特急券310円)。 魚津から信濃大町まで123.8kmで2210円。(5時7分に信濃大町に着くためには魚津駅を各駅で13時42分発か特急で14時6分に乗らないと、次は夜8時ごろになる。2010年10月時点) 【温泉】 名剣温泉(駅から約10分)猿飛温泉(駅の下約2分) 【その他】 |
【トロッコ列車で】 11時4分発のトロッコ列車5号車埼玉県深谷市から旅行に来たという男性4人(5人か)のグループと一緒になった。前日黒薙に宿に泊まり、欅平まで来たとのこと。とても親切で楽しいメンバーでトロッコに乗るとすぐにお酒を分けていただき楽しい一時を過ごさせていただいた。それも富山の美味しい立山という清酒に始まり珍しい赤霧島そしてマッコリ。私たちの一角だけ酒盛りの大盛り上がりでした。男性の一人がキノコに詳しい方でいろいろと話を聞かせていただいた。宇奈月温泉駅に着いたらお礼をする間もなく人混みで別れてしまった。申し訳ありません。1時間20分という時間がとても短く感じられる楽しいひと時でした。深谷の皆さんとても有難うございました。私達はお近くの伊奈町です。 |
【宇奈月温泉で】 駅に行くとすぐ特急が出るとのことで、にぎやかな温泉街を楽しむことができなかったのが残念。法律を勉強したことのある人なら最初に勉強する権利の濫用の大審院判例の舞台。なんと特急列車が昔池袋で勤務した時に西武池袋駅で目にしたレッドアロー号だったことにびっくりでした。 |
【信濃大町への列車の中で】 JR魚津駅には駅のお土産売場以外に開いている食べ物屋やなどなく、ここで美味しい富山の魚が食べられると思ってきたので、残念な乗り換え時間であった。 魚津から糸魚川に向かう列車は昔寝台車だったと思われる珍し車両。糸魚川から南小谷、信濃大町に向かう列車で一緒になった共に下の廊下を縦走した東京から軽井沢に移り住んだという男性と山スカートの奥様、それに横浜からきたベテランの登山者(沢やさんとのこと)との楽しい語らいの時間は疲れた体にもかかわらず、ローカル線の楽しい旅でした。この山旅でお会いした皆さんとてもありがとうございました。緊張の連続する下の廊下はとても楽しい思い出の山旅になりました。 |
【信濃大町のソバ】 信濃大町駅に戻り駅前で美味しいソバでも食べようと思ったが、どの店も閉まっており、駅構内にあった立ち食スタンド「カタクリの花」に行く。特上ソバ・うどんと普通のソバ・うどん(1分でできる)があり特上は3分ほど待ってほしいとのこと。生めんからゆでる特上の天ぷらソバを頼むと蕎麦自体がとても美味しいうえに汁もとても美味しく、夢中に食べてしまった。これは掘り出し物です。信濃大町駅を利用するときにはぜひ食べたいそばです。 |
【ホイールレンチ(六角レンチ)が合わなかった】 関越道を圏央道桶川北本ICに向かって帰る途中、圏央道上り車線38kmポストあたりで路肩で救助を求めている男女4名のグループを見かけ、車を止めた。話を聞くとパンクしてタイヤを替えようとしたが六角レンチを持っておらず貸してほしいとのこと。三角板も持っておらず、三角板を貸し、設置して私たちの安全を確保し、正確には六角レンチではなくホイールレンチを貸してやるとなんトレンチが合わないという。スバルのレガシーと日産のアベニールではタイヤ交換レンチの大きさが違うとのこと。今までレンチの大きさが違うとは思たこともなかった。若者たちに「役に立てなくて申し訳ない。」と詫びてそこを後にした。乗用車でレンチの規格が異なるとは知らなかった。この後、家で整備用に使う十字レンチを乗せておくことにした。 |