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劔岳
(2999m)
2008.8.10〜11日(快晴)
妻とニ人のパーティー

8月9日立山から続く
2日目(8月10日)
4時00分:剣沢キャンプ場(発)⇒4時23分:劔山莊(5分休息)⇒4時52分:一服劔⇒5時29分:劔前大岩⇒5時44分:前劔⇒5時51分:前劔の門(アルミの橋とクサリ場)⇒6時22分:平蔵の頭⇒6時36分:カニのタテバイ⇒7時12分:劔岳山頂⇒7時43分:劔岳山頂(発)⇒8時4分:カニのヨコバイ⇒8時29分:平蔵の頭⇒9時24分:劔前大岩⇒9時57分:一服劔⇒10時25分:劔山荘(着)5分休息⇒11時12分:剣沢キャンプ場(着)⇒13時45分:剣沢キャンプ場(発)⇒14時47分:劔御前小舎(10分休息)⇒16時33分:雷鳥沢キャンプ場

 4時27分 剣山荘:標高2475m
4時に剱沢のテント場を出て雪渓を越えてここまで約30分でやってきた。
4時46分 剣山莊から一服剣への登り
最初なだらかなザレ道を登り少し岩場や鎖場を登ると一服剣に出た。このころ東の空が白みはじめ日の出の時刻を迎えた。
詳細写真

大岩の下部

一服剣から薄暗い中で前剣を望むとその急な岩の壁を前にどこを登ったらいいのか分からない。

前剣への登りはザレた岩場を浮石や落石を注意しながらのぼる。それでも上や下で小さな落石が頻繁に起こっている。
5時25分
5時43分 前剣(標高2813m)から剱岳を望む。
詳細写真

前剣の門

前剣山頂というプレートから少しすると最初の難所「前剣の門」と呼ばれる場所に出る。

両脇が数百メートル切れ落ちた場所に3mほどのアルミの橋が掛けられておりそれを渡るとカニのヨコバイのように岩場に水平に付けられた鎖をトラバースし岩を超える。
5時48分
6時1分
上の写真の裏側
裏の鎖を数メートルトラバースして乗り越えてこの岩場を下る。
 前剱と前剱の門を越えてコルに降りそれから雪渓のある斜面を登り、岩場の難所を何ヶ所か越える。
背後に前剱とその後ろにテントを張っている剱沢
 6時13分
 6時22分  正面の左斜めに尖った岩場が平蔵の頭
この切り立った岩の右側を直登して乗り越える。
平蔵の頭
岩が斜め上に天を突くような平蔵の頭をを乗り越える。
狭い岩の間を鎖を頼りに登るりピークを越えるとスラブ状の岩場に出る。

詳細写真
6時27分
6時29分 岩場の難所を何ヶ所か越えるとこの登山の核心部分カニのタテバイにでる。
カニのタテバイ

雪渓の上部を水平に移動してカニのタテバイの下に取り付くとほぼ垂直な20メートルを越える岩場に鎖が付けられておりそれを頼りに登山者がよじ登っている。最初は鎖に握り岩の左脇に付けられた鉄の杭を頼りに3歩上がるとそれから鎖を頼りによじ登る。登山者が数珠繋ぎになって渋滞しているが、ひとつの鎖に1人で登らないと危険である。
詳細写真 

6時36分
 カニのタテバイの全景(下山時に撮影)

最初は岩の脇に付けられた鉄の杭を頼りに3歩上がるとそれから鎖を頼りによじ登る。登山者が数珠繋ぎになって渋滞しているが、ひとつの鎖に1人で登らないと危険である。

下をのぞくと岩場の下に数百メートルの雪渓がつながっている。

やっとのことでカニのタテバイの上部に出て岩棚に出てそれから数メートルトラーバースし岩の割れ目を越えてカニのタテバイの緊張から開放される。
 .
7時12分 剱岳山頂(2999m)
数日前に立て替えられたばかりの真新しい祠
山頂からは360度のパノラマで剣沢のテント場から今まで登ってきた稜線、それに東に恐竜の背中のように幾つもの鋭い尾根が連続した八峰キレット。遠くには白馬岳唐松岳五竜岳、鹿島槍ヶ岳、薬師岳等名だたる山々が澄んだ早朝の空に聳えている。背後の早月尾根の稜線には山小屋とその先に富山の町並みも見える。山頂で剣沢キャンプ場にいる息子に無線で登頂成功を報告し、そのあとCQを出し富山県滑川のハムと交信する。73!詳細写真  
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八峰


剱沢と立山
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早月尾根と早月小屋

⇒剣岳の北東部 小窓尾根
 8時4分  カニのヨコバイへの下り。
急な下りで高度感がる。
左下に平蔵の頭が見えている。

カニのヨコバイという難所。

この場所は解説書などには「最初の一歩目が見えにくい。」とかかれているが、鎖の下の最初のステップは上から確認でき比較的高さもないところから容易に取り付くことができる。要は鎖を頼りに最初のステップに足を掛けることができれば後は斜め下に5から6メートルほどしっかりとしたステップを移動するだけである。詳細写真
8時8分
8時18分
平蔵の頭
最後の難所は平蔵の頭であるが遠くから見るほど急ではなく長い鎖を頼りに登りきるとその先は切れ落ちてはいるが狭い岩場に付けられた鎖を頼りに下る。くだりはそれほど恐怖心は無い。詳細写真
8時22分
8時38分 平蔵の頭を越えて前剱
詳細写真
前剱の急な斜面(前剱大岩)から一服剱と剱沢の全景が望める。 9時28分
 前剣
登るときには暗さと霧で全景を望むことができなかった前剣が明るい日差しの中で聳えている。
この上りと下りはとても急斜面で落石に注意しながらの登山である。急斜面は
詳細写真
 9時57分
 10時21分  剣山荘ろ剱沢、別山尾根。
 11時12分
富山県警察上市警察署剱沢警備派出所と剱沢のテント場
 12時12分  私達のテントの前からの剱岳

13時54分 剣沢キャンプ場をあとにする。
振り返れば雲も取れて剱岳が全容を現した。
 剱御前小舎
別山尾根の標高2750mに建つ。
ここを越えて剱岳へ向かう。
 14時47分
剣御前小舎から雷鳥沢への下り
ルートタイムは1時間10分
1時間弱で剣御前小屋そして急な下りを1時間10分ほどで雷鳥沢のキャンプ場に出た。

詳細写真
15時02分
16時33分 雷鳥沢キャンプ場(着)

これが素晴らしいキャンプ場で立山の山々に囲まれたカールの底にある。広々としておりその爽快感は他のキャンプ場で経験したことの無いものであった。

水がとても豊富で雷鳥沢ロッジで500円で温泉に入ることもできる。

温泉から見る雷鳥沢キャンプ場の景色は忘れられないものになった
11日雷鳥沢から地獄谷、室堂の写真
20080810turugi17.jpg
【剱岳へ】
登山を始めてから憧れていた剱岳にようやく登ることができた。山の本で何度も読んでいたカニのタテバイやヨコバイはとても危険な場所であった。特にカニのタテバイは一番しびれた。とはいえ他の山と異なり山全体がどこも一瞬たりと気を抜くことはできず、緊張の連続であった。岩と雪の殿堂といわれる剱岳は夏山といえどもピッケルやアイゼン装備の人、岩壁にザイルで取り付いている登山者がいた。 沢山の登山者と話をして得た情報によると仙人池から望む紅葉の剱岳、そして長次郎谷の雪渓を上り山頂を目指すルートなど・・このエリアにはいろいろなバリエーションの楽しみ方があることを知った。 我々では雪山は困難であろうが、季節を変えルートを変えて訪れたい山であり、また奥の深い劔岳周辺の楽しみ方も多々ありそうで心惹かれる山であった。
2日目にテント泊した雷鳥沢のキャンプ場は室堂からは30分ほどの場所で、これほど開放感のあるキャンプ場は他にないであろう。ここで出会った2人の初老の男性が急須と小さなカップを持ちこんで美味しいお茶を楽しんでおられ、その姿に興味を持った私達にもご馳走してくれた。景色を眺めながら拘って最高のお茶、コーヒーを飲むのだそうだ。ここは我が国でも有数の山岳景観であり、登山だけを目的とせず、ここにいるだけでゆったりとした贅沢な時間を過ごすことができる場所であると実感した。
この劔岳登山に向けてこれまでいろんな山に登り、また今年の梅雨にはフリークライミングジムでザイルで確保したうえで人口壁を登る練習をしてこの劔岳登山に備えた。それゆえこの度の劔岳登頂は私たちの登山技術にある意味自信を与えてくれると共に山の楽しみ方に沢山のバリエーションがあることを実感させてくれた素晴らしい山であった。

立山と劔の山小屋と観光施設には明治40年登ることが出来ないといわれた劔岳に三角点設置の命を受けた柴崎芳太郎測量官の新田次郎原作の「劔岳 点の記」の映画(監督・撮影:木村大作 出演者:浅野忠信 香川照之 松田龍平 仲村トオル、宮崎あおい等)のポスターを沢山見かけた。映画のオフィシャルサイトを見ると公開が待ちどおしい。
*「点の記」とは国家基準点(三角点、水準点)ごとに、点名、所在地、設置年月日、選点者、観測者、そこに至る順路と略図等を記載したもの。
2008年8月10日撮影

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