遥かなる平ヶ岳
(2141m)
素晴らしい展望の山頂、姫池、たまご石
往復20.5kmのロングコースのくだりはとても大変。
2010年7月18日(晴れ)
私達夫婦2名のパーティー
【登山概要】日本百名山を目指す登山者にとって困難な山の一つが平ヶ岳であろう。往復の距離が22kmほどもあり、とても長く時間のかかるコースである。近くの宿に泊まり林道をバスで送ってもらい3時間ほどで登ることができるいわゆる皇太子ルートをとるか、よほどの健脚で無い限り7時間半登り、そして帰ってくるのはとても大変なことは明らかである。そこで、日が長いこの時期を狙い、時間がかかるのは覚悟の上で、長い距離をゆっくりと楽しみながら登り、下山も余裕を持って怪我無く帰ってくることを基本とした。しかしそれでもこのコースは長かった。それに、下りの大変さは他の山に比べるべくも無い。この山はヤセ尾根が注意すべき場所として書かれているが、雨天で無い限りヤセ尾根自体の危険性はそれほど無く、むしろ下台倉山からの最後の下りは10時間以上歩いた足にはとても滑り易く、集中力を切らさずに下ることが肉体的にも精神的にも大変な点であろう。 日帰り登山のポイントは@前日早くに駐車場に着き、朝3時から4時には出発すること。A荷物を軽くすること。(水は必要。しかし、季節にもよるが雪渓のあるこの時期なら水場は山頂にもある。)B遅くとも1時までには下山を開始し、早い人がいるからといってペースを乱さないこと。明るいうちに下山できる時間を確実に認識していると焦らずに下山できると思う。Cヤセ尾根の下りは滑りやすいため、集中力を切らさないことであろう。たまご石に行くと1時間余計にかかるためにあきらめている登山者もいたが、あの景観は是非堪能して欲しい。 全行程大変であったが、無事下山したらその充実感と自信は計り知れないものがある。私達はこのサイトの標語をのたまいながらチャレンジ。最悪の山と書いているサイトもあるが、私自身が登ってみて姫池、山頂の展望、たまご石、白沢清水の景色は他の山では決して経験できない価値のある素晴らしい山であった。 Chi va piano,va sano e va lontano(ゆっくり行く人は 元気に遠くまで行く) |
【ルートタイム】(総行動時間:14時間50分) 4時00分:鷹ノ巣駐車場(発)⇒4時16分:平ヶ岳登山口⇒5時18分:前坂⇒6時40分:下台倉山(休憩⇒8時04分:台倉山⇒8時16分:台倉清水(10分休憩)⇒9時11分:白沢清水(10分休憩)⇒10時53分:姫ノ池⇒11時25分:平ヶ岳(着)⇒12時10分:平ヶ岳(発)⇒12時53分:たまご石(着)⇒13時00分:たまご石(発)⇒13時23分:姫ノ池⇒14時20分:白沢清水(10分休憩)⇒15時13分:台倉清水(10分休憩)⇒台倉山⇒16時38分:下台倉山(7分休憩)⇒16時45分:下台倉山(発)⇒18時35分:平ヶ岳登山口⇒18時50分:鷹ノ巣駐車場(着) (参考ルートタイム 昭文社山と高原地図 登り:7時間35分 下り:6時間10分 合計13時間45分 たまご石に立ち寄るとさらに1時間程は必要) |
![]() |
4時00分 | 鷹ノ巣駐車場ゲート ゲート脇に案内板と登山カード入れが置かれている。 案内板には軽装で登り6時間30分下り4時間30分と書かれているが・・ |
平ヶ岳登山口 平ヶ岳へ10.5kmと書かれている。 駐車場からここまでは約4〜500m程。 詳細写真(1) |
4時16分 | ![]() |
![]() |
4時22分 | 登り始めてしばらくすると視界が開けて燧岳が見えてくる。燧岳はここから台倉山まで雄大な展望を楽しむことができる。 |
ヤセ尾根が下台倉山まで続く。 ヤセ尾根であるが潅木が生えておりそれほどの高度感はない。しかし所々に、両脇が切れ落ちた滑りやすい場所があるので注意が必要。 ヤセ尾根部分自体は特に問題は無いが尾根の途中に大きな木が生えている場所への登りはとても急で、岩場や滑りやすい粘土或いはザレ地でロープが付けられている。 |
4時43分 | ![]() |
![]() |
6時8分 | 下台倉山の直下は急な登りが続く。 粘土の場所は雨で深くえぐられており、登りにくい。 詳細写真(2) |
下台倉山(標高1606m) 会津駒ヶ岳、燧岳が一望できる。 標柱には平ヶ岳まで7.2km、鷹ノ巣まで3.3kmと書かれている。 |
6時40分 | ![]() |
![]() |
6時57分 | 下台倉を過ぎてすぐにはるか彼方に平ヶ岳が見えてくる。 本当にあそこまでいけるのか不安になる。 |
台倉山まは所々を西側の樹林帯を巻きながら、展望のいい稜線のアップダウンを繰り返しながら登る。とても展望のいいルートである。 台倉山の手前にとてもぬかるんだ場所がある。 詳細写真(3) |
7時36分 | ![]() |
![]() |
8時04分 | 台倉山 標高:1635m ただ三角点があるだけで通り過ぎてしまいそう。しかし展望はとてもいい。 ここから台倉清水までしばらく下りになる。ただ、とても滑りやすく、ぬかるんだ場所が多い。 |
台倉清水 水場は奥に5分ほど下った沢。 標柱には平ヶ岳まで4.9km、鷹ノ巣まで5.6km、と書かれている。 これから樹林帯の笹薮の中を木道やぬかるんだ道が続く。木道はとても滑りやすい。 |
8時16分 | ![]() |
![]() |
9時11分 | 白沢清水 小さな沢の底から水が湧き出ておりとても清浄に保たれていた。暑い日にはとてもありがたい冷たくて美味しい湧き水でした。 底のゴミが巻き上がらないようにコップですくって容器に移さないと、ゴミが巻き上がり後の人が汲めなくのなるので注意が要る。 標柱には平ヶ岳まで3.2km、鷹ノ巣まで7.3kmと書かれている。 |
展望の利かない樹林帯を抜けると展望が開け笹の急な登りになる。 この姫池のある前ノ岳までの最後の登りは長く歩いてきた足にはとてもこたえる。 詳細写真(4) |
10時16分 | ![]() |
![]() |
10時46分 | 笹原をぬけると、益々斜度が増し岩場も出てくる。なかなかきびいしい登りである。 |
![]() |
10時53分 | 姫池 快晴の池ノ岳の山頂には青空を写した地塘が点在する美しい姫池が広がる。 詳細写真(5) |
姫池とその先に平ヶ岳 ここから山頂まで約1kmあり約40分の行程である。 一旦下ってから上り返して平ヶ岳山頂を目指す。 又、ここからたまご石へも約1kmである。約20分 |
10時54分 | ![]() |
![]() |
11時20分 | 樹林帯を抜けると展望が広がり、山頂まで木道が続く。 |
平ヶ岳山頂 標高2141m 山頂部分は周りが木々に囲まれ展望はない。 |
11時28分 | ![]() |
![]() |
素晴らしい展望の山頂。 山頂前の木の展望スペース 燧岳、至仏山、武尊山など展望が一望できる。 至仏山の右奥に武尊山。 |
![]() |
![]() |
12時36分 | 平ヶ岳の山頂を出発して一旦水場まで下り、そこまら登り返してこの雪渓を越えてたまご石に向かう。 詳細写真(6) この丘を越えた場所にある地塘の脇がいわゆる「皇太子コース」への分岐点であったが、何故か標識はなかった。 |
たまご石 たまご石の下に地塘が点在し、素晴らしいロケーション。 たまご石に向かうと1時間時間がかかるために立ち寄らずに帰る登山者もいたが、是非立ち寄りたい場所である。 |
12時53分 | ![]() |
![]() |
13時25分 | 前ノ岳からの下り。 これからはるか鷹ノ巣駐車場までの長い下りが始まる。 詳細写真(7) |
下台倉からこれから下るヤセ尾根がはるか彼方まで続く。 詳細写真(8) |
16時49分 | ![]() |
![]() |
18時37分 | 登山口到着 やっとの事でたどり着いたという感じ。しかしここがゴールではなくここから、駐車場まで約20分程かかる。 ルート上の距離はここが基点となっている。 |
鷹ノ巣駐車場到着 茶色の建物がバイオトイレ 約30台ほど駐車できる。 |
18時50分 | ![]() |
【アクセス】小出ICから66km 西那須ICから115km 【駐車場】鷹ノ巣駐車場 約30台ほど 【トイレ】鷹ノ巣駐車場に新しいバイオトイレがある。夜になるとトイレに接近しただけで明かりがつく。 【水場】 ルート上に4ヶ所ある。 【避難小屋】 無し。 【温泉】 銀山平や檜枝岐にあるが、下山時間が遅くなり、結局銀山平の温泉に入ることができなかった。 【その他】 |
【奥只見シルバーライン】 鷹ノ巣の登山口に魚沼市の小出から入るにしても小出でに出るにしても、奥只見シルバーラインという奥只見ダムの銀山湖沿いくねった道を通らねばならない。これがとても長く、路面には沢水を流すための排水路が路上に作られており車は減速して進まねばならない。 それに何より銀山平から小出に抜ける国道352号線のバイパス道路(県道50号線)である全長22kmの内18kmがトンネル部分である。 奥只見ダムを作るための工事用道路として作られたため、素堀の部分や沢山の湧水がわきで、途中に交差点もある普通のトンネルとは異なる誠に荒々しいトンネルである。初めて入るとこの道路を走っていいのか不安になる。しかし、他ではできない体験となることは間違いない。 |