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北岳
(3193m)

日本百名山NO80
北岳の高山植物
2005.8.6〜7 妻と二人のパーティー

2005.8.6 2005.8.7

6時40分:広河原山荘発
7時00分:白根御池小屋との分岐
8時00分:崩落地
9時25分:二俣股着
9時55分:二俣発
11時20分:バットレス下の八本歯のコルとの分岐(15分ほど休息)
12時10分:大樺沢の最上部
12時50分:八本歯のコル
13時30分:トラバースルートとの分岐
14時30分:北岳山荘着

4時50分:北岳山荘発
5時35分:八本歯のコルとの分岐
6時00分:北岳山頂着
6時33分:北岳山荘発
7時12分:肩の小屋着
7時47分:肩の小屋発
8時13分:草すべり下山分岐点
8時26分:白根お池小屋・二俣分岐
9時45分:白根お池小屋
9時55分:白根お池小屋発
10時12分:崩落地(急斜面の始まり)
11時24分:二俣との分岐
11時40分:広河原着

写真をクリックすると詳細写真をごらんになれます。

広河原から二俣

夜叉神峠を5時半のバスに乗り6時10分に広河原到着した。ゲートを入り野呂川に架かるつり橋を渡り広河原山荘に着く。広河原からの北岳

登り始めると最初は思ったより急なのぼりであるが次第になだらかになり大樺沢の音を左に聞きながらのぼると20分程で大きな岩のある小さな沢を渡ると白根御池小屋ルートと二俣ルートとの分岐点につく。

二俣ルートはすぐに大樺沢の左岸(下流に向って左側)を登ると、途中の登山道は山からの水を集めて登山道が川のようにな沢歩きのような場所がかなりあった。途中で視界が開けると正面に北岳の山頂が少し見えてくる。

分岐点を出て約1時間ほど登ると大樺沢の左岸が大きく崩落した場所にでる。

崩落地の最下部は格好の休息場所になっている。崩落地を少し登ると大樺沢を右岸に渡り、15分ほど登り大樺沢を再度左岸に渡り返し、左岸の樹林中を30分ほど登ると、視界が一気に開けてここから一気に八本歯のコル下やバットレス取り付きに至るのガレ地ののぼりになる。かなり上方に多くの登山者が見えるがなかなか目的地の二俣まで到達しない。

二俣は八本歯のコルに向う左俣コースと白根御池小屋や肩の小屋に向う右俣コースの分岐点で簡易トイレがあり登る人、下ってくる人多くの登山者で混雑している。

 大樺沢雪渓

二俣から八本歯のコル

二俣左コースのとり付きはお花畑になっておりは色とりどりの高山植物が咲き乱れている。しばらく登ると沢に雪渓が出てくる。雪渓はまだかなり残っており、厚いところでは2メートル以上の厚さがある。雪渓に沿ってしばらく登ると雪渓が切れて、バットレスと八本歯のコルに向うルートとの分岐点に着く。ここから見上げると名に聴く「北岳バットレス」が聳え、何人ものクライマーたちが岩壁にアタックしている様子がみえる。「ビレイ解除・・」などの声も聞こえた。そして目を下に向けると大樺沢が延々と下流に一直線に連なり、雪渓の向こ北岳バットレスうに二俣、そして一番下に広河原が真正面に見えるのが驚きである。登ってきた場所が眼下に一直線に見えるということは、登山ルートが如何に急な直登であるかを物語っている。

多くの登山者がここでも大休止を取っている。そして八本歯のコルへ登ると沢幅がだんだん狭くなり最部至るとそこに、北岳方面を示す標識が立っておりその下に「八本歯のコル40分」と書かれている。標準的な地図の二俣から八本歯のコルまではルートタイムは約2時間とされているが、ここまでかなりの休憩をとており、約1時間40分ほどかかっていた。

八班歯のコル下梯子

大樺沢の最高部を右側に登るとすぐに木の梯子が現れる。これから八本歯のコルまでは急な岩場には数多くの木の梯子がかけられ、一気に標高がを稼げる。それにしてもこれでもかというぐらい木の梯子が続く。急な岩場であるが登る人、下る人が多いため一人づつか上り下りできない梯子では必然的に渋滞が起こり、それを待つ間休息が出来るため、標識にあった40分というルートタイムはあっという間に過ぎてしまい、霧に隠された八本歯のコルについた。

八本歯のコルから北岳山荘

八本歯のコルはとても狭く、大きなパーティーがいると休息できる場所がないため、すぐに八本歯のコルを後にする。するとすぐに木の梯子が2本つながった大きな岩を登りきるとその先が広い場所になっておりそこで休息した。

すると辺りを覆っていた霧が下から晴れてきてバットレスが少しずつ正面に見えてきた。バットレスの絶壁に数人のクライマーの姿が見える。さらに霧が晴れると明るい日差しの下に写真で目にする北岳とバットレスの全容が眼前に現れ言葉を失った。振り返ると先ほどまでは見えなかった八本歯の頭やボーコンノ頭などが見え、左右が鋭く切り立った狭い岩尾根の上にいることがはっきり見えて八本歯のコルからの登りくる。
(北岳のバットレスには6日の朝から警察のヘリがしきりに近づき大樺沢にはヘリコプターの爆音が響き渡っていた。又下山の7日の朝も警察のヘリが雲の中にバットレスに近づいてきていた。下山後、山頂から300メートルほど下にある第四尾根の通称マッチ箱のコルと呼ばれる場所に遭難者がおり、クライマーに5日に確認されて肩の小屋の管理人を通じて通報されたが発見と収容が出来ず、やっと8日に遺体を収容したとの報道を目にした。)

そして大きな岩の上を北岳山頂方面に上り始めると南西の間ノ岳の方角の稜線に北岳山荘のオレンジの屋根が見えてくる。そして北岳山頂登山ルートと北岳山荘、間ノ岳方面の問トラバースルートの分岐に出る。

トラバースルートは北岳から間ノへの稜線の南東斜面に這う様に北岳山荘へのくだり気味に付けられている。ところどころの岩場に木製の橋がかけられ、とても高度感のある絶壁に付けられたコースである。ところがこの北岳山頂までコースは間は途切れる場所がないほど沢山の可憐な高山植物が咲き乱れている高山植物の宝庫である。

雷鳥

そしてハイマツが出始めた場所でなんと雷鳥を見つけた。小さな雷鳥でハイマツから出てきて登山道を横断して、反対側にいた母親鳥の側に駆け寄っていった。なんと雷鳥の親子を3羽も見ることが出来た。

そして北岳山荘に到着しテント泊の申し込みをして(一人500円)山小屋の下のサイトにテントを張った。

北岳山荘はとても綺麗な山小屋で、何よりそこの公衆トイレが素晴らしくバイオトイレである。トイレというよりは大きなステンレスの業務用冷蔵庫のような形をしておりまるで何かのシステムの中に入るような感じがす北岳山荘る。

この北岳山荘から見る北岳と間ノ岳は素晴らしく、特に夕日を西から受けた北岳は壮観である。





8月7日

北岳山荘から北岳山頂

早朝の間ノ岳

朝4時に目を覚まし、外をのぞくと南東の空に冬の星座の代表「オリオン座」の下に富士山がうっすらとその見慣れた姿を現した。テントを撤収している間にますます明るくなり、北岳も薄明かりの北の空に三角錐の黒い形を表してきた。

4時50分に北岳山荘を後に北岳山頂を目指した。ルートタイムは約1時間20分のコースである。

稜線を一直線に山頂に登るのであるが、途中の小さなピークを過ぎる辺りまでは比較的なだらかな登である。それから稜線の北西側をトラバースするように登山道が付けられており、左正面に仙丈ケ岳の豊かな山容を見ながら高度感のある細い登山道を登る。途中の小さな丘を越えたところで朝日が昇り、後ろに聳える間ノ岳を明るく照らし始めた。そして少し下り、もう最後の急な岩場とクサリ場、梯子を上りきると八本歯のコルから登ってくる分岐点に着く。ここからは真下に八本歯の頭からボーコン沢の頭北岳山頂下へと続く稜線が見える。そして視線を南西に向けると雲の上に富士山が浮かび上がって見える。

ここから山頂までは北岳の山頂部分の斜面にジグザグに付けられたロープの張られたザレ地の登山道を登るのであるが、山頂近くの尾根の西北面につけられたスラブ状の一枚岩を横切る場所がとても斜度があると共に足場が狭いく、さらに高度感がある
ため少し恐怖心を感じる場所がある。

登り始めて約1時間14分ほどで山頂に着いた。山頂には「北岳3192メートル」と書かれた標識が立っていた。(山頂中央部の日本百名山の標柱には3193mと書かれていた。平成16年10月から1メートル高くなった。)

北岳山頂から間ノ岳方面

快晴の山頂は360度のパノラマで早朝の澄みきった凛とした青空である。北には端正な円錐形の甲斐駒ヶ岳(2967m)、北西にはたおやかな山容の仙丈ケ岳(2032m)、そして東には先月登ったばかりの高嶺(2778m)とオベリスクの地蔵岳(2764m)、観音岳(2840m)、薬師岳(2780m)の鳳凰三山が朝日を背景に黒いシルエットを見せている。そして当然、南東の方角には富士山がその美しい姿を雲の上に見せている。南に目を向けると今登ってきた稜線の下に北岳山荘、さらにその稜線の奥に穂高に次ぐ我が国の第4峰の間ノ岳(3189m)、その右奥に塩見岳(3052m)が、山岳写真集で目にするそのままの姿で我々の目の前にあった。遠くには乗鞍や中央アルプスの山々も姿を見せた。

山頂は南北に細長い台形のようになっており、比較的広いが、北岳山荘、反対側の肩の小屋側から次々に登山者が登ってきて混雑してきた。30分ほど山頂のパノラマとアルプスの醍醐味を十分に楽しんだ後、肩の小屋方面に下山を始める。

 

北岳山頂から肩の小屋、草すべり分岐肩の小屋

山頂の北側を下るとすぐに小さなピークがある。そこから山頂を振り返ると台形の屋形の上に多くの登山者が乗っているように見える。

その小ピークを越えるとすぐ眼下に青い屋根の肩の小屋が見え、小太郎尾根の稜線が長く北に延びている。

肩の小屋への登山道は急な岩場の下山道であるがそれほど危険な場所は無い。途中で北岳のほぼ垂直な斜面の脇に富士山が見える場所があり、突然の富士山の出現に驚かされる。

肩の小屋は確かに北岳の北側の肩の部分にありとても、甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳の眺望のいい場所にある。見上げると肩の小屋の後ろに下ってきた稜線と山頂手前の小ピークが青空に綺麗なスカイラインを作っている。

肩の小屋前のベンチで甲斐駒や鳳凰三山を楽しみながら朝食を摂り、下山を開始した。

肩の小屋から下山ルートの草すべり下山口に至る稜線は途中2箇所ほど岩場があるものの誠に景色の素晴らしいスカイラインの快適な道である。

 

草すべり分岐点から白根御池小屋、広河原

草すべり

快適な肩の小屋からのスカイラインを約20分程楽しむと小太郎尾根から下山する分岐点に出る。滑りやすい草付きのザレ地を下るとすぐに、白根御池小屋へ向うルートと二俣に下るルートの分岐点に着く。潅木の間のジグザグの下山道はとても滑りやすく、どこまでもどこまでも続くように思える。途中で大きく崩壊した場所があるが、最後の草付き場所から遥か下に白根お池とその周りの色とりどりのテントが見えてくる。これがなかなか辛い下山道で下に見えるのにかななか到着しない。草すべりは色とりどりの高山植物が咲き乱れている。

やっとのことで白根御池に着くと山小屋は改装中で鉄筋の立派なホテルのようなものに立替中であった。

下山道白根お池小屋から次のポイントとなる分岐点までの下山のルートタイムは約1時間30分である。小屋の後ろから深い木々の間の下山道に入ると最初は幾分登り気味に歩くと約10分ほどで小さな沢を渡る。それから10分ほど歩くと崩落した場所があり、そのわきの梯子を下るとそこから本格的な急な下りになる。

ここからの次のポイントである分岐点までは梯子や木の根が延々と続くとても滑りやすい急斜面で、大変な下山道である。木の梯子や木の根が、長く歩いて疲れた足にはとてもこたえる。そして、細い尾根道になり左側に沢の音が聞こえ始めるとしばらくして右側にも大樺沢の水の音が聞こえてくる。そして右側の沢音がだんだん大きくなるとすぐに二俣との合流点に到着する。そして合流点から広河原まではルートタイムは約20分とあるが約10数分で到着し、12時丁度のバスに間にあった。


2005年8月6〜7日撮影

HOMER’S玉手箱 麹町ウぉーカー(麹町遊歩人) 会津見て歩記 甲府勤番風流日誌 伊奈町見聞記 鹿児島県坊津町