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北アルプス最深部ぐるっと一周
 (4日目)高天原山荘、大東新道、薬師沢小屋、太郎平、折立
2010年9月26日(快晴)
私達夫婦2名のパーティー(テント泊装備)

【登山概要】
4日目は高天原から大東新道を抜けて、折立までのロングコース。
前日の快晴の放射冷却で凍てついた高天原を出て、高天原峠へ。問題は高天原峠から黒部川B沢出会いまでの長い下り。急なうえに滑りやすい悪路で、途中沢を越えるごとに対岸の尾根に越える登り返しが数か所ありとても大変。黒部川B沢から薬師沢までは梯子や鎖場がありスリリングな遡上。しかし、鎖場を抜けて河原のゴロゴロした岩の上を薬師沢小屋まで歩くのは思ったより大変。薬師沢小屋から太郎兵衛平の太郎平小屋まではなだらかで展望も良い木道が続く楽しい上り。しかし、折立までの下りは、三角点までロングトレッキングの最後の展望を楽しめるが、林道ゲートの閉鎖時間を気にしながらの苦しい下りでした。しかし、怪我もなく帰ってこれて3泊4日充実のトレッキングでした。4日の総行動時間は約41時間というとてつもなく長い行動時間でした。
【ルートタイム】

6時10分:高天ヶ原山荘⇒712分:高天ヶ原峠⇒96分:黒部川B沢⇒926分:梯子⇒1110分:雲の平分岐⇒1113分:薬師沢小屋(着)⇒1148分:薬師沢小屋(発)⇒1159分:カベッケ原の標識⇒1246分:左俣出会手前の展望ポイント(10分休憩)⇒1301分:左俣出会⇒13301本目の橋⇒1336分:2本目の橋⇒1449分:太郎平小屋(着)⇒1505分:太郎平小屋(発)⇒1551分:五光岩ベンチ⇒1655分:三角点(10分休憩)⇒1730分:アラレちゃんの看板⇒1815:折立

5時55分
標高:2100mにある高天原山荘の前から凍てついた笹原の先に水晶岳が望めた。
高天原はとても冷え込み湿原は一面下で覆われていた。
その先に朝焼けの薬師岳が輝く。
詳細写真(15)
6時7分
6時29分 高天原峠までいくつか橋を渡り、30分ほど急な坂を上る。
高天原峠
左に登ると雲の平へ
直進して下ると黒場側奥の廊下B沢出会
ここから急なうえに滑りやすい悪路の下りが続く。
7時12分
7時34分 高天原峠からの下りは悪路続き。
沢音は遥か下に聞こえる。笹のはえて道やぬかるんだ道ハシゴなどが・・
D沢の梯子
この前にE沢がありD沢、C沢と続き、沢に降りたら尾根に登り返すのを繰り返す。
8時13分
9時6分 B沢の合流地点の看板
展望が開けて長い草付の先にB沢が見えてくる。
この看板から200m程下ると黒部川に出る。
B沢出会いでフライフィッシングをしていた釣り人にとってもらった一枚。 9時21分
9時26分 鎖の梯子に下に木の梯子が重ねてつけてあった。ここが地図に「クサリ」とある場所(?)

詳細写真(16)
*注意:昭文社の地図には大東新道のポイントとして「ハシゴ」が書かれおり、そこから薬師沢小屋まで1時間と書かれている。
しかし、このポイントはA沢の上流に書かれており、この大東新道のハシゴはA沢下流のとB沢との間あり明らかな間違いではなかろうか。
ハシゴの地点から1時間とあるが1時間では無理で最低2時間弱はかかる。(沢の専門家のレポートでも2時間ほどかかるとあった。)従って、高天原峠から2時間とあるルートタイムも無理がある。むしろB沢の出会いをポイントとした方がいいと思う。
崖につけられた崖を鎖でへつる。
晴れていたら特に問題はないが濡れていたら滑りやすい。高度感はなくそれほど恐怖心はないが注意が必要な場所。
9時28分
9時31分 連続する崖の鎖場に登る。
増水時でないかぎり特に危険はない。
危険個所をクリアーすると大きなA沢が出てきてそこで休憩。
黒部川の右岸を遡る。
10時49分
11時8分 薬師沢と黒部川の出会い薬師沢小屋が建っている。

小屋から橋を渡って右岸に下り、20メートル程河原を下ると雲の平に直登する取り付きがある。
取りつきから急さかが2時間10分。それから1時間10分で雲の平山荘。
薬師沢小屋
小屋の右側は薬師沢で基礎部分は宙に浮いているような作り。沢にかかる鉄のつり橋の前に休憩場所が付けられている。
ここで、残りの食糧を減らすためにソーセージを焼いて食べた。
11時13分
12時00分 カベッケ原
河童がいたという伝説がある。
薬師沢小屋から太郎平小屋まではなだらかで7から8割が展望のいい木道が続く。
最後の薬師沢左俣出会いを過ぎたあたりから20分ほど急な上りがある。
詳細写真(17)
太郎兵衛平の太郎平小屋
小屋には沢山の登山者が登ってきていた。
小屋の管理人おじさんは優しい人でほかの山小屋で登山者から親切にされたという話が出ていた。
妻も4日前に大雨の中レインウエアー姿でテント泊の手続きをしたのを覚えていてくれて、優しい言葉をかけてくれた。
このように少しであるがさりげない一声は山小屋とその山の思い出をより深いものにすると実感。すがすがしい思ひで太郎平小屋を後にした。
15時05分
11時35分 とても良く整備された登山道
右側には薬師岳が左側の眼下には有峰湖がみえる。
さらに正面には雲の切れ間から富山の町が見える。
五光岩ベンチ
この右側には五光岩が聳えている。
詳細写真(18)
11時47分
16時55分 三角点標高:1870m
三角点までは比較的なだらかであるがこれから先は急な下りになる。
アラレちゃんの看板のある場所
この下りの唯一のポイントといってもいい看板。
ジグザグに急な下りが続く。
17時28分
18時15分 ヘッドランプを使ってやっと登山口の折立に到着
6時前から暗くなりライトなしでは歩けなくなりヘッドランプを使って下りてきた。
途中で自動販売機や車の明かりが見えて来てゴールを確認、下ってきた。
林道の閉鎖時間が8時であり、6時30分が限界であり急いで時間に間に合わせた。
これからゲートを出るまで約35qほど走らねばならない。
【One Moment in Time】
3泊4日の今回の山行は2年前の新穂高、双六、高天原、水晶岳、鷲羽岳を歩いた山行で初日大雨のためキャンセルした黒部五郎岳登りのリベンジの意味があった。しかし黒部五郎岳に登る以上どうしても高天原だけは外せない。そこで前回とは異なり折立から入り、水晶岳に登り黒部五郎岳に縦走し、そして高天原に。しかし前回曇りがちであまり楽しめなかった鷲羽岳をもう一度上り、黒部源流域い一回りの計画とした。初日は前夜からの大雨で、北陸道は通行止めになるほどの雨。しかし、薬師峠に大雨の中テントを張り空身で薬師岳へピストン。往復5時間の薬師岳登山は思ったより楽しく楽だった。そして、黒部五郎岳への大展望の西銀座ダイアモンドコース。快晴の鷲羽岳からの展望と高天原の温泉。最後の大東新道の沢登。どれもすべて楽しく充実したひと時だった。4日間重いリュックを背負っていたためリュックを下してから重力から解放され体の軽く感じられ、手足がしびれるような感覚がした。しかし、このサイトを必死で作成しアップする10日目そろそろ重力のマジックも切れてきたようである。そして、この山登りの最中ホイットニー・ヒューストンの1988年ソウルオリンピックアメリカ放映のテーマソングだった「One Moment in Time」が頭の中に流れ続けていた。憧れの黒部源流域一回り3泊4日はあっという間のトレッキングで、最高の時を体験、過ごすことができた4日間でした。因みに「One Moment in Time」(人生における最高の一瞬)とでも訳すのがいいのでしょうか。この山行にピッタリの最高の曲でした。ネットで検索して聞いてみてください。
1日目 折立〜薬師岳 2日目北ノ俣岳・黒部五郎岳 3日目 鷲羽岳、高天原山荘
2010年9月26日撮影 CANONG10


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