藤原湖から宝台樹キャンプ場を過ぎて武尊神社まで走り、地図上はこれから先は一般車両進入禁止となっていたが、神社の脇に「 2.2キロ先まで進入可」とあった。神社から先は未舗装であるが、車を進め終点に至ると10台ほどの駐車スペースはすでにいっぱい、少し戻って道路脇のスペースに止める。(これで約30分は時間が稼げる。)
終点にある登山カード入れにカードを書いて投函して登り始める。(下山時に登山カードの半券を入れて無事下山を報告するシステムになっている。)
15分ほど歩くと剣ヶ峯との分岐に出る。「手小屋沢非難小屋経由武尊山3.7km」、「剣ヶ峯2.2km」と書かれている。そこを左折してカラマツの武尊山に向う登山道を登り始める。落ち葉の降り積もった登山道は途中で数回沢を左右に渡渉する。
そして次第に高度を上げ、少しなだらかになり「感謝平 群馬修験」と書かれた札の下がった場所を過ぎさらに、カエデ等の紅葉が鮮やかになり振りかえるとライオンの頭に見える「獅子ヶ鼻山」が聳えている。さらに登山道はジグザグでとても急になるが枯葉の落ちたとても楽しい登りである。
登り始めて50分で大きな岩の下に修験者の札か納められた場所にでる。山伏相撲優勝の札が多かった。ここから稜線までは10分ほどである。稜線に出ると左に「上の原登山口」、右に「武尊山山頂」、「手小屋沢避難小屋」と書かれている案内標識がある。
そこから武尊山頂に向って尾根を歩き始めると左下に手小屋沢避難小屋のカマボコ状の小さな建物が見える。
背の高い樹林帯の中を左側に沢音を聞きながら登っていく。この登山道は木の根が絡み合ったとでも歩きにくい場所が沢山あり途中「愚痴尾根 群馬修験」という札のかかった場所がある。そして手小屋沢避難小屋を出て視界が利かず思ったよりきつい登山道を50分程登ると初めて梯子とロープの架けられた場所に出る。
さらにそこから10分ほど登った場所に同じような梯子とロープの架けられた場所がある。それから5分ほどでこのルートで一番長い鎖場に出る。
この鎖場は2段になっていて、まず、岩の割れ目に付けられた2連の10メートルほどの鎖を登る。足場がしっかりしており、鎖に頼らずとも登れる。
最初の鎖場を登りきったらすぐに次の垂直な鎖場があり、まず固定されていない梯子を登った後、10メートルほどの鎖を登る。ここも手がかり足場はしっかりしていて登り易い。登りきった場所から展望が開けてそこまでの苦労がいっぺんに吹き飛んでしまう。

それからの登りはなだらかになり、すぐに正面に武尊山の全容が目に飛び込んでくる。快晴の空にたおやかな武尊山山頂が映える。右側には天を刺すように聳える剣ヶ峯山を望みながらハイマツとシャクナゲの中を歩き、なだらかな尾根を20分ほど登ると武尊山山頂(2158m)に着く。
山頂は360のパノラマで北に巻機山、至仏山、燧ケ岳、東には雲の上に日光白根山が見えている。南西に中ノ岳、前武尊と稜線が延び、中ノ岳の前には山頂にもかかわらず小さな池が見える。そして南南東には剣ヶ峯山に延びる尾根が延びている。
風のない穏やかな山頂を楽しんだ後、剣ヶ峯に下山を始める。山頂から一時とても急峻で滑り易く歩きにくいガレ地を下る。そして山頂から下りきるとこれから剣が峰山まで笹と潅木の尾根道をアップダウンを繰り返しながら歩く。このルートから振り返ってみる青空を背景とした武尊山のたおやかなスカイラインが美しい。
1時間弱で剣ヶ峯山と下山道との分岐に出る。分岐点の標識には「剣ヶ峯山0.1km」「宝台樹キャンプ場7.2km」、「武尊山1.7km」と書かれている。
剣ヶ峯山に登り返して2020メートルの剣ヶ峯山の山頂に着く。標識には100mとあるが思ったより長く感じる。
山頂からの展望を楽しんで下山を開始する。ここから下山におけるポイントとなる武尊沢まではとても急で、木の根が絡み合いその上ドロドロの登山道でとても大変であった。ここまではルートタイムの3分の2ほどのかなり時間がかかる。
やっとのことで武尊沢に出て渡渉するとそれから少し登るがそれからは穏やかな登山道を剣ヶ峯登山口との分岐まで下り、駐車場に出て登山届けの半券を投函して武尊山登山が終了した。登りより下りが大変な山であった。
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