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「金峰山(きんぷざん)」
(2599m)
日本百名山NO68

2003年8月24日 晴れ

快晴に恵まれた金峰山に大弛峠(おおたるみとうげ)から片道約2時間30分の楽しい山歩きでした。大弛峠が標高2400メートルもあるため2599メートルの金峰山もほんのハイキング感覚で登ることが出来る。
長野県と山梨県の県境の尾根筋に登山道が走り、木立を抜けてくる風が心地よく、富士山が見え、南アルプス、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳が見える。朝日岳を抜けると瑞牆山、八ッ岳も見えてくる。金峰山の山頂は広く、まるで海岸の岩が重なり合ったような奇妙な光景。山頂から360度のパノラマが広がり、ここが高さにおいては近くにある北奥千丈岳の2,600mに譲るものの、秩父山脈の主峰であることを実感する。山頂から少し降りたところに金峰山のシンボル4、5階建てのビルのようにも見える岩の塊「五丈石」がある。)
925分:大弛峠→1020:朝日岳(2579m)→11時50分:賽の河原
→12時00分:金峰山山頂 →1時00分山頂発→3時10分:大弛峠

金峰山   写真をクリックすると詳細写真がご覧になれます。

5時に埼玉の自宅を出て中央高速を経て730分に塩山市に着く。駅近くのコンビニで食料を調達して745分に塩山市を林道川上牧丘線から望む出発する。塩の山、恵林寺のそばを抜けて国道140号線に出る。ここで林道に入る道を間違い時間ロス。国道140号線に戻り牧丘町役場そばの窪平の信号機を左折して大弛峠と向かう。塩平窪平線に入り西保地区と洞雲寺を過ぎ、30分程で富士見フィッシングセンターのある塩平を通り、それから急カーブの多い焼山峠にでる。そこで乙女高原と大弛峠と分かれる駐車スペースと案内板のある大きな分岐点である。それを直進して柳平方面に向かうと林道かと思うほどの大きな2車線の下り坂になる。10分程で柳平に至りそこを左折して大弛峠方面へと向かう。少し走ると道は狭くなりりん道川上牧丘線に入る。林道の途中から金峰山、五丈石、朝日岳が一望できる場所がある。林道は狭いところもあるが舗装されており特に問題はない。しかし(平成15824日時点では大弛峠の手前6キロから5キロ地点が工事中でかなり凸凹が多く4輪駆動車でないとかなり厳しい状態であった。この林道は平日は侵入が禁止されるらしいが、土日は問題はない。

850分に大弛峠に着いたとき峠の駐車場は満杯で数百メートル下の道路わきに止めることになる。そこで身支度を整え、沢の水を汲み、峠に着いたのは920分であった。

快晴の峠からは信州側の山並みや山梨側の山並みが美しく見えた。峠には駐車場の他トイレ山小屋がある。塩山駅からタクシーで入山する登山者も多い。

大弛峠は標高2,400mほどあり、金峰山だけでなく国師ヶ岳(2591.8m)北奥千丈岳(2,601m)への登山口でもある。925分、金峰山への登山口を入ると最初は幾分山道を登るが、大部分は山梨県と長野県との県境の尾根を通る比較的起伏の少ない登山道を歩く。木立の中であるが山を渡る風が心地よく10分もすると進行方向に南アルプスの山並みが見え、左後ろ方向に富士山が見えてくる。

富士山を望む途中で1回休みを取り、最初のポイント朝日岳(2579m)の急坂を登りきると白い大きな岩がごろごろしたガレ場に出る。幾分霞んではいるものの快晴の青空を背景に富士山が山並みの後ろに悠然と聳える姿に言葉を失うほどの感激である。南西には南アルプスの北岳がひときは聳え、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳もその勇士を見せてくれた。日本で一番高い富士山と2番目の山が同時に見えるというのは最高の贅沢である。

景色を十分に楽しんだ後、ガレ場を登るとそこが朝日岳(2579m)の山頂である。南の方向に見晴らしが開けており、木陰があり休息場である。出発からちょうど1時間ほどの1020分に到着したが地図にあるルートマップ通りである。

山頂を過ぎるとすぐに急な岩場の下り坂になる。ここから正面に金峰山の山頂とその先の五丈石そして右下に瑞牆山が見える。

岩場を下り木立の中を10分ほど歩くと朝日岳と金峰山との間で一番標高の低い場所が休息場となっており、多くの登山者が休んでいた。

ここから金峰山までは見通しの効かない山道を約1時間ほど歩くことになる。なだらかな上り坂にかかると立ち木の高さが低くなり、ハイマツが出てくると山頂はすぐである。

ハイマツを出ると、木がまったく生えていない広い「賽の河原」とよばれる場所に出る。ここで山の北側に視界が開けてくる。賽の河原から数分ほど山頂に向かうと今度はうって変わって海の岩場に有るような巨岩が一面ごろごろしている場所である。巨岩の間を抜けて山頂に至る。丁度12時であった。

山頂からは360度パノラマが広がり、富士山に南アルプス、甲斐駒ケ岳、瑞牆山に八ヶ岳など一望できる

日本の山岳界では「山高キガ故ニ貴ッカラズ、山緑ヲ以ッテ貴ットシトス」という中国の故事をもじって「山高キガ故ニ貴ッカラズ、山トンガリヲ以ッテ貴ットス」という山頂が鋭く尖っていることを尊ぶ傾向があるといわれる。確かに尖がっているといることもすばらしいが「山高キガ故ニ貴ッカラズ、山ソノ眺望スバラシキヲ以って貴ットシトス」と言うべきではないかと呟いてしまった。

山頂で数枚の写真をとった後、正面にある金峰山のシンボル五丈石に向かう。五丈石は甲府盆地からもこの石は見える高さが15mほどもある巨岩でまるで4から5階建のビルのようにも見える。この石の下は小さな石が重なっていくつもの空洞を作っているがその小さな石といっても人が立って入れるほどの大きな空間を作っている。標高が2595mの標高は日差しがあるとは山を渡る風は心地よく、岩陰に入ると肌寒い清清しさである。そこで昼食を楽しみ、一休みして五丈石の脇や裏側を見に回った。

脇から見ると正面から見るのと異なり細いロウソクのような石である。裏側には祠が作られ、奥の穴には山伏姿の修験者が線香を上げながらお経をあげていた。

正面から見ると4段ほどの大きな岩が積み重ねられており、それをうまく登れば頂上に登ることが出来る。そのためには足が広がることと腕力からで自分の体重を持ち上げられることが必要である。

金峰山から見る瑞牆山,奥に見えるのが八ヶ岳

1時間ほど山頂を楽しみ、午後1時に山頂を後にした。そして同じ道を戻り、310分に大弛峠の登山口に帰り着いた。登りより20分ほど短く2時間10分ほどであった。

大弛峠小屋の前にはテントキャンプサイトがあり、小屋の前で金峰山や国師ヶ岳を登って降りてきた登山者がくつろいでいた。駐車場の車もだいぶ少なくなり、迎えのタクシーも数台着ていた。そして車を置いてきた数百メートルしたまで歩き、この登山を終えた。

帰りも工事現場の悪路には閉口したが柳平から右折して元来た道の戻らず、直進して琴川ダム建設中の地図上では県企業局管理道路を使って降りた。途中曲がりくねった細い場所もあったが来る時より短時間で牧丘町役場脇の窪平のトンネルを抜けた場所に出ることが出来た。

以上

2003年8月24日撮影


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