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浅間山(2568m)
前掛山(2528m)
日本百名山(43)
2006.11.3 妻と二人のパーティー 
快晴

登り 下山

7時58分:車坂登山口(出発)
9時05分:避難壕
9時12分:槍ヶ鞘
9時25分:トーミの頭
10時09分:湯の平口分岐(5分休)
10時29分:Jバンド分岐
11時26分:前掛山稜線(着)
11時56分:前掛山(避難壕脇で50分休息)

12時51分:下山開始
13時38分:Jバンド分岐
13時51分:湯の平口分岐(5分休息)
14時56分:トーミの頭
15時58分:車坂登山口

写真をクリックすると詳細写真をごらんになれます。
車坂峠登山口

高速長野道の小諸インターでは一面雲の中であったが、標高2000mの高峰高原車坂峠に着いたときは、眼下の輝く雲海の先に八ヶ岳の山並みが雲の上に浮いていた。

冷え込んだ峠は一面霜が降りて真っ白になっており、登山口の計測カウンターを過ぎると登山道は凍てついて硬くそして白く輝いていた。火山礫の穏やかな登山道を登り車坂山を越えて一旦下ると、トーミの頭まで登る表コースはそれほど急な場所はなく所々に木々がない岩場が現れ、展望が開けるとても明るい登山道である。八ヶ岳のほかに北アルプスの槍ヶ岳、穂高岳が見えていた。

登るにつれて周りに雪が現れ始め登山道に積もった雪を踏んで登るようになった。コメツガの先にダイヤモンドのように氷の塊が付き笹の上に雪が降り積もっていた。霜でも降りたのかと思っていた山の白色は霜ではなく雪であった。

雪も冷えて固まりとても歩き易かった。そして、最初の目印となる避難壕の手前で少し雪を頂いた浅間山が一部トーミの頭の脇に見えてきた。

避難壕は厚さ20ミリ程の鉄板でできたカマボコ状で火山礫等から身を守るためのものである。屋根は有るが入り口と奥の壁は無く他の山の避難小屋とは意味合いが違うようである。

ト-ミの頭と浅間山避難壕を過ぎるとすぐにトーミの頭を左手前にして奥に浅間山が陣取る一番のビューポイントに槍ヶ鞘着く。そして一旦下ってトーミの頭に登り返す。

トーミの頭は浅間山の鋸山、仙人岳、蛇骨岳、黒斑岳と続く外輪山の一番に南にある絶壁であり、その下にはロウソクの様に尖った岩がいくつも林立している奇岩である。ここからはお茶碗をひっくり返した様な山容を持ち、雪を頂いた雄大な浅間山と急峻な岩の鋸山、仙人岳、蛇骨岳、黒斑岳と続く外輪山とその下にある広大な窪地の樹林帯を一望できる。絶景である。

トーミの頭から浅間山に登るにはこの崖を下りそして樹林帯を越えて行くのだが、その先の何処までも続くかと思われる浅間山の斜面に付いているルートまでも展望できる。






湯の平ら口からトーミの頭を望む(この急坂を下ってきた)
「草すべり」と呼ばれるトーミの頭から次のポイントである湯の平口分岐点まではおおよそ標高差300mをほぼ垂直に下る。ほぼ垂直な外輪壁の数十センチしかない下山道の脇は切れ落ちており、とても緊張を強いられる場所が延々と続く。高度が下がっても斜面の急峻さはそれほど変わらず下部の草つきになり木々が出てきてやっとなだらかになる。そして沢を渡り登り返すと浅間山荘からの合流点「湯の平口分岐点」に着く。

これから樹林帯を抜けて15分も歩くと「Jバンド」分岐にでる。そして真っ直ぐに登ると唐松の背丈がだんだん低くなり、火山礫の登山道を左右上に向って登っていく。
(バンド(band)」:岸壁の途中にあって平らな棚(テラス)が帯状に連なる部分)







浅間山のだらだらの登りはまるで富士登山のように苦しい。登るに従って積雪が多くなるが、風がないため寒くはないものの、富士登山のように何処までもだらだらと続くのぼりは単調でとても辛い。辛いのぼりの途中から四阿山、表万座が前方に見え、外輪山の北面の切れ落ちた場所と浅間山の稜線の先にある緑の森の中にプリンスランドや鬼押し出しが見えた。

登り始めて1時間ほどで立ち入り禁止の標識のある前掛山の稜線に着く。立ち入り禁止ロープを無視して敢えて山頂に向っていく人もいるが、右折して前掛け山の山頂を目指す。前掛け山までは火口壁の赤茶けた狭いヤセ尾根を歩く。そして10分ほどで前掛山山頂に出る。ここが現在許されている浅間山の最高点(2524m)である。

山頂からは南に剣が峰が見えており、眺望が開けて気持ちが良かったが風が出て寒いため、下の避難壕まで戻り、岩陰で食事を摂る。避難壕は火山弾の直撃を受けたのか一つはほぼ用を成さないほど壊れており、火山弾直撃のものすごさを想像させている。



身体を動かさない山頂はとても寒い。そして下山を始めると登るときに葉一面の雪景色であったものが解けて岩肌をさらしている。

そして、1時間ほどで湯の平口分岐に出る。そして最後の難関草すべりの登りに取り付く。比較的なだらかと思えた草付の下部も、最初は登山道が垂直に近く付けられているため思ったより急でとても辛い登りである。

その代わりに高度は稼げる。そして中段から登山道は左右にジグザグに切られて岩場も出てくる。そして登山道の脇が切れ落ちた緊張感を感じる場所になる。しかし、上部の方がジグザグに進むため下部より登り易い。

標高差約300mを約1時間弱で登りきった。この登りはこのルートの中では一番の難所であるが思ったより大変ではなかった。トーミの頭に出て最後の浅間の全景を楽しむ頃には雲が出てきて、あっという間に姿を隠してしまった。

そして下山を開始、トーミの頭を下った場所にある中コース(45分)との分岐で表コース(55分)をとり霜と雪が溶けてドロドロになった登山道を下り、最後の車坂山を越える頃には回りはかなり暗くなり、登山道もカラマツが落ちて歩き易い登山道を正面に高峰高原ホテルを望みながら下ってきた。浅間山山頂を出て約3時間で車坂登山口に帰ってきた。

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2006年11月3日撮影

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