そしてそれから少し登ると至仏山特有の蛇紋岩と呼ばれる滑り安い岩の崖がありカニの横ばいのように崖を横に横切る。とてもスリリングな場所である。そして、もう一登りすると小至仏山である。山頂までは天候がよかったが山頂に至ったときには西側の「ならまた湖」方面から強い風が吹き気温もかなり下がってきた。山頂はとても狭く登山者で込み合い通過することすらやっとの状態であった。
小至仏山(2162m)を通過して至仏山に至るまでの間はさらにいくつか小さなピークを越えなくてはならず、もう頂上かと思うと裏切られてしまう。滑りやすい蛇紋岩の岩山を越え、最後に大きな岩場を登るとそこが広い至仏山の山頂である。私達は途中の岩場で風除けできる場所を見つけそこで昼食をとった。強い風の中大きな岩の陰で風をよけながらバーナーに火をつけるのはとても難しかったが、お湯を沸かしスープにコーヒーそしてご飯を食べた。この時の気温は15度で薄手のフリースにレインウエアーを重ね着した。厚い雲に覆われて山頂からの視界は利かなかったが、中央に至仏山2228メートルと彫られた大きな御影石の石柱が立っている。
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