夫婦で登る日本百名山へ戻る                                    

富士山
 (吉田登山道を馬返しから六合目まで)
2010年1月2日(快晴)
私達夫婦2名のパーティー

2010年の初登山は正月の富士山。行けるところまで行ってみようと(内心七合目までは行こうとハーネスとザイルも準備した)チャレンジした。
歴史のある吉田口登山道を馬返しから登ること2合目から積雪や凍った場所が多く比較的ゆっくりと登り3時20分ほどで森林限界を超え佐藤小屋に着いた。それから上は、聞きしにまさる厳しい冬の富士山があった。六合目まで登ると一気に視界が広がり河口湖や山中湖、甲斐駒ヶ岳に八ヶ岳、金峰山、大菩薩。そして丹沢の山の向こうに関東平野と東京、相模湾も一望できる。仲間に新年のメールを送ると箱根駅伝の中継で美しい富士山が映っていると返信が届いた。しかし、六合目から上は強風が吹き荒れており、私達に少し先行していたた3名のパーティーが六合目の少し上まで登って直ぐに下りてきた。風が強すぎてとても登れないという。私達は六合目の岩場の陰でサーモスのお湯をつかってスープを作り食事をしながら展望を楽しんだ。
見上げると富士山を越えてきて直ぐに消えてしまう雲と舞い上がる雪煙が虹のように七色に輝く彩雲を見る幸運に恵まれた。雲に近いところまで来たが故のご褒美であった。
最後に携帯の写真を撮ろうとして手袋を外した瞬間に一瞬にして手と体が凍えてしまう。今まで経験したことが無い寒さと冷たさには恐怖心すら起こり、あまりの辛さに気力が萎えて、その場に留まることが困難になり至急下山を開始する。気温は氷点下17度であった。体感温度はもっと低かったのだろう。厳しい冬の富士の現実を知るとともに、その素晴らしさを再認識できた登山であった。
【ルートタイム】
730分:馬返し駐車場⇒745分:一合目(鈴原神社)⇒825分:二合目(御室浅間神社)⇒8時40分:林道細尾野線終点(5分休憩)9時06分:三軒茶屋(中食堂)939分:四合目(大黒天)10時00分:四号五勺(御座石)⇒10時30分:五合(中宮)⇒1039分:林道1052分:佐藤小屋(10分休憩)⇒11時04分:星観莊⇒11時17分:六角堂⇒11時45分:六合目(安全指導センター)⇒六合目滞在⇒1220分:下山開始⇒12時30分:六角堂⇒1244分:佐藤小屋⇒13時28分:四合目1348分:三合目⇒14時07分:二合目⇒1438分:一合目⇒
14時50分:馬返し駐車場
6時37分 高速道路の高速バス乗り場から
快晴の富士山
馬返し駐車場を出発
富士吉田の浅間神社から約8kmほど。
広い駐車場であるがトイレと水場は無い。
詳細写真(1)
7時30分
7時33分 馬返し(標高:1430m)
富士山吉田口登山道
ここから道が嶮しくなり馬がが引き返したことから馬返しと呼ばれる。
鳥居の先は禊所があった場所。
ここの狛犬は猿が立っていた。
一合目(標高:1520m)
鈴原神社
戦国の頃まで富士山の信仰は大日如来を中心とする仏教信仰が主流であったため
大日如来を祀る大日堂がありましたが、後にこの鈴原神社となった。
7時45分
8時25分 二合目(標高:1700m)
御室浅間神社(おむろせんげんじんじゃ)は富士山内で最も古い神社といわれています。本殿は重要文化財に指定され、保存のため現在は勝山村の浅間神社に移されています。
2合目の手前から登山道は積雪や凍てついた場所が多く滑りやすい。
詳細写真(2)
林道細尾野線終点 8時41分
9時06分 三合目(標高:1840m)
三軒茶屋と呼ばれるが茶屋は二軒ありました。
道了・秋葉・飯網の三神を合祀した三社宮が祀られている。
四合目
大黒天
茶屋が1軒ありそこに古くから大黒天を祀っていたことから大黒小屋という。
開運大黒天は福の神として信仰されこの茶屋では木版で神に刷った大黒天像を登山者に授けていた。これを受けたものは掛け軸に仕立てて礼拝の対象としたという。
9時39分
10時00分 四号五勺(小屋には五合目小屋と書かれている)
(標高:2150m)
御座石(ございし)
建物の左手に立つ岩壁が御座石。
御座石とは神の依りつく石のことで昔は岩の上に浅間明神と日本武尊が祠が祭られていた。
江戸時代には二合目から上が女人禁制とされていたが、戦国時代までは女人禅定の追い立て場とされていた。
この前から富士吉田と金峰山や秩父の山々の展望が広がる。
五合目
中宮
この先の一帯は「中宮」、「天地の境」と呼ばれる領域で富士山を三分する草山、木山、焼山のうち木山と焼山の境界に当る。
この辺りに4軒あった山小屋は江戸時代中宮役場と呼ばれ、それぞれの小屋では山役銭(入山料)を徴収していたが、のちには麓で前払いし、その証として交付される手形を改める場所となった。
江戸時代中宮社があり浅間、大日、稲荷が祀られていた。
10時32分
10時40分 五合目の上で舗装された林道滝沢線に出る。


馬返しのルートマップには五合目まで時間は2時間10分ほどと書かれていたが三合目から佐藤小屋まで積雪が多く滑り易く、アイゼンをつけていなかった為、思ったより時間がかかってしまった。
佐藤小屋までは後20分程。
五合目佐藤小屋
標高:2230m
冬唯一の営業している山小屋
冬の富士登山の聖地である。
トイレもあり、テント場には1張りテントが張ってあった。テント場使用料は1人500円。
佐藤小屋から富士スバルライン五合目まで御中道(おちゅどう)がまっすぐに伸びている。
詳細写真(3)
10時52分
11時04分 里見平 星観莊
佐藤小屋の裏にある山小屋。
(標高:2390m)
六角堂
星観莊のの直ぐ上にある。
登山道の南側の岩稜を経ヶ岳といい、日蓮聖人が法華経を埋納した八角堂の常唱殿がある。
正規な登山ルートは六角堂裏手の樹林帯の登山道をトレースに従いジグザグに登る。
11時17分
11時19分 六角堂から登山道を外れて雪の付いた急斜面を直登する。
登りはアイゼンをつけないで登りきった。
この雪の固まりは登山者の足跡で圧雪された部分を残して周りの雪きが飛ばされてできた景観。
強風のため雪が飛ばされおり、雪は硬くしまり、またザレ地は凍てついて硬く登りやすい。
詳細写真(4)
11時28分
11時45分 六合目 安全指導センター
(標高:2390m)
強風で雪が飛ばされてついていない

河口湖


自衛隊の北富士演習場と山中湖とその先に東京が見える
六合目から上は強風のため雪煙が舞っている。
先行した3名のパーティーが少し上まで行ったところで強風に耐え切れず直ぐに下山してきたため、我々もこれ以上の登山を中止した。
下山開始

この辺りは強風のため雪が付いていない。
あまりの強風による寒さでこの場に留まることができない。恐怖すら感じる強風と寒さであった。
ここから上部は今の私達にとってはバーチカルリミット(Vertical Limit:垂直限界)であった。

翌日(1月3日)放送された日本テレビの「世界の果てまでイッテQ」でウッチャン(内村光良)が山頂から日の出の写真を撮るプロジェクトが放送されてた。
撮影は12月初旬であったがこの辺りは深い雪の中だった。それにしてもズブの素人を強風吹き荒れる雪の山頂まで無事に登頂させた貫田宗男氏以下山岳ガイドの能力とサポート力の素晴らしさに感動させられた。

携帯電話で撮った写真
12時22分
12時33分 六角堂の辺りから背後に強風吹き荒れる富士山の山頂。
佐藤小屋 12時44分
14時46分 馬返し
積雪が少なくなった2合目でアイゼンを外したらそれから下の凍った場所でかなり苦労した。
【アクセス】
国道139号線北富士浅間神社東交差点から馬返しまで約8.1km
タクシー:富士吉田駅から3500円程
【駐車場】
馬返しの駐車場は30台ほど駐車できる。
トイレは無い。
【水場】
無し。
【小屋】
佐藤小屋
この小屋までは長靴で登っているグループを見かけた。ご来光を仰ぎに佐藤小屋に登るのだという。
【その他】
3合目の少し下まで普段着にスニーカーの若者が登ってきているのに驚いた。聞くとアイゼンもなく行けるところまで行ってみるとのこと。2008年スニーカーで8合目まで行き立ち往生した若者のニュースを見たが全く同じ状況にびっくりした。
2010年1月2日撮影 CANONG10

HOMER’S玉手箱 麹町ウぉーカー(麹町遊歩人) 会津見て歩記 甲府勤番風流日誌 伊奈町見聞記 鹿児島県坊津町 Good Journey(よい旅を!)