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=======麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)No.88==========

あけましておめでとうございます。本年も相変わらず、ご購読のほどよろしくお願い申し上げます。

メル・マガ「麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)」も発刊してから、4年目を迎えます。現在、編集担当は北海道札幌、レポーター兼執筆担当のH氏は麹町と変則な配信体制を取っておりますが、この体制で1年余経っています。続けてこられたのも、230名余の定期購読いただいている読者の皆様が居られたからだと、感謝の気持ちで一杯です。

今後も、麹町に拘り配信していく「麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)」をご愛読ください。

 

さて毎年、麹町ウぉーカーは新春特別号として元旦に配信をして参りましたが、ちょうど今回が八十八号と末広がりの正月らしい番号に当たりました。ラッキー!!この好運を読者の皆さんと分かち合いたいと思い、敢えて通常版で配信させて頂きました。

 

正月には欠かせない年賀状。たとえ郵便局が民営化されても、この元旦配達は変わらないのでしょうね。今回のH氏のレポートは、麹町界隈の風景印(郵便の消印)の話題です。そう言えば元旦配達の年賀状には、消印押されていませんよね。(消印のようなものが、印刷されていますが・・・・・)

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正月を迎えて年賀状を通じて友人や親戚の近況を楽しんでおられる方も多いのではないでしょうか。

永田町ではいま郵政民営化が政治議題となっているが、今回は郵便に関する話題を紹介する。郵便を出すと切手に「消印」が押されるが、この消印に「風景印」と呼ばれる特殊なものがあるのをご存知だろうか。

「消印」は通常は郵便局と日付のみのものであるが「風景印」はその郵便局の近くにある名所旧跡等を図案に取り入れた国内郵便専用の消印で、一部の郵便局しか持っていない特別な消印である。

麹町6丁目にある「仲良し広場」前の信号機の路地を上智大学に向かって入ったところにある「麹町本通局(麹町5−3)」の局員に麹町本通局の管内で風景印を持っている郵便局は4局あるという話を聞いたので、4つの局を回ってみた。

 

海事ビル郵便局風景印まず「海事ビル郵便局」である。千代田区麹町4−5

海事ビルは麹町大通(国道20号線)から紀尾井ビルに下る坂の右側にある建物である。江戸時代の初め、忍者の棟梁服部半蔵が隠居した後の屋敷がこのあたりにあったということは麹町ウぉーカー87号で紹介した。

郵便局はこのビルの地下にある。

海事ビルの風景印は麹町大通側から見た海事ビルと港に船が停泊する風景が描かれている。海事ビルは国土交通省(旧運輸省)の関係のビルであり、郵便局の入り口隣には小型船舶の免許の取れる場所である。

 

都道府県会館内郵便局風景印

次に「都道府県会館郵便局」である。千代田区平河町2-6-3

都道府県会館は赤坂プリンスホテルの隣にあり大きなビルで、国道246号線を隔てて参議院議長公邸がある。郵便局はこのビルの1階ロビーにある。

風景印は都道府県会館ビルに左から伸びた花の咲いた桜の枝のデザインになっている。

 

そして、「ホテルニューオーオオタニ郵便局」

ホテルニューオオタニ郵便局風景印(千代田区紀尾井町4−1 ホテルニューオータニ ザ・メインアーケード階)

ニューオオタニの紀尾井坂の途中から入る地下一階のショッピングアーケード街の一番奥にある郵便局である。

元赤坂辺りから見た弁慶濠を前に左にニューオオタニ本館、右にタワービルが描かれている。

 






四ヶ所目は「最高裁判所郵便局」(千代田区隼町4−2)である。最高裁内郵便局風景印

隼町の最高裁の裏側にある郵便局である。警備の厳しい最高裁もこの郵便局だけは自由に入ることができる。郵便局の入り口は、最高裁から国立劇場裏を通り麹町に抜ける隼町交差点角にある。最高裁で傍聴券が配られるときの並ぶ場所でもある。

風景印は最高裁判所を三宅坂交差点あたりから見た様子が描かれ、左に法廷棟が右に事務棟が描かれている。

 



この風景印は、正式には『風景入通信日付印』といい、「特別日付印」といわれる通信日付印の一種である。しかしそれは通常使用するものではなく「特別日付印」の一種とされており、一般に郵便物に消印として用いられるわけではなく、希望すれば押印に応じてもらえる日付印である。

観光記念的な意味合いが強い消印であるが、あくまでも消印で、押印の際には官製葉書や50円分以上の切手を貼った台紙が必要である。

消印は通常の軽信より幾分大きめの、直径36oと大きく(変形もあるという)、使われるインクは、錆桔梗色ではなく、赤茶色(鳶色)のものが使われている。

今回管内の4局を回って「風景印をお願いします。」というと奥の戸棚から出してきて、日付を修正して、試し押しをした後に、風景印の全体が見えるように切手の一部にのみ印がかかるように慎重に押してくれた。

忙しい業務を中断してこの一件のためにすべての段取りを整えて押印してくれる。郵便局のありがたいサービスのひとつである。従って、この風景印をいただいた後にはまことに感謝の気持ちでいっぱいになる。

この風景印は郵便局のサービスの中でも特筆すべきものである。企業においてCS(カスタマー・サティスファクション=顧客満足)という言葉が使われて久しい。この風景印のサービスは一人の顧客のためにわざわざ印の入っているボックスを持ってきて、日付をあわせて、試し押しをした後、依頼者が求めるように丁重な押印を行う業務を見ると、依頼した顧客として感謝せずにはおられない。その郵便局の業務の中でCSとして成功している業務のひとつであろう。

さらにこの風景印は郵便局のサービスとしてはなかなかユニークなもので観光案内的な要素がある。そこで旅行先で風景印を押して葉書を出すのも一興である(しかし休日は窓口が開いていませんが)。また、引越しや転勤などで、新たな地で生活を始める場合などの、転居の案内には地元に風景印のある郵便局があればそこでお願いして出すのもいい。

 

ところでこの風景印は、昭和6年(1931年)7月10日、静岡県の富士山郵便局と、山梨県の富士山北郵便局とで使用されたのが始まりであるという。太平洋戦争中に一時使用が中止されたが、昭和23年(1948年)年1月1日より使用が再開された。そして現在約25000郵便局中約10000局が持っており、多くの人がこの風景印のコレクションを楽しんでおられるようである。

郵便局が民営化された後もこのサービスは続いてほしいものである。

昨年夏、今回のメル・マガのために日本最初の風景印をゲットしようと毎年富士山の登っている同僚のT嬢に山頂で麹町1丁目の「一元屋の金つば」を持って富士山に登り山頂で金つばを食べた感想を書いて富士山山頂の郵便局の風景印をもらって送ってほしいとお願いした。ところが登った日は晴れていたのであるが8合目の山小屋で一泊した翌日は激しい雨で山頂へのアタックを断念せざるを得なかった。従って、富士山頂の風景印を入手することはできなかった。しかし、彼女は富士山五合目須走口の風景印をもらってきてくれた。

そこでそれから2週間経過した8月の末に今度は私が家族で富士山に登った。ところが富士山の山頂局は8月20日までの開局で私たちが登った時にはすでに閉鎖されており残念ながら富士山頂の風景印をゲットすることはできなかった。

そこでT嬢に、今年の夏こそ、富士山山頂の風景印をもらってきてくれるようお願いした。そのときに富士山の風景印をWEB版の「麹町ウぉーカー88号」に掲載したい。

 

今回は配信がたまたま正月ということで年賀状(年賀状に消印はないと思うが)と正月にはつきものの富士山の話題から風景印になった。

正月開けの綺麗な空に東京からも富士山が見えるのではないだろうか。麹町ウぉーカーの本拠である麹町5丁目からも富士山が良く見える。

昨年、1月3日は妻と少し雪を頂いた「大菩薩嶺」に登り、正月の空に輝く富士山を見て感激した。そして東京都で唯一の2000メートル峰「雲取山」を登ったときには雲の切れ間から一瞬だけ富士山が顔を見せ、そこで村上開新堂のクッキーを紅茶で頂いた。10月に登った甲斐駒ヶ岳の登山の途中から雲の切れ間から白鳳山の遥か彼方に一瞬だけ富士山が姿を見せた。いつ見ても富士山の凛とした姿には感激する。日本人の精神文化の原点がある(甲府勤番風流日誌参照)。今年も多くの富士山の見える山に登り、気分を新たに麹町に帰ってきて麹町界隈の歴史と現在の話題を発信したいと思っている。 

追記 日本で2番目に高い南アルプス北岳(3193m)の早朝に見た富士山も忘れられないものになった。(2007.12.22)

最後に、今年が読者の皆様にとっていい年でありますようにお祈りいたします。

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年末年始、TVでは相変わらずの番組が放送されていますが、北海道では2004年を振り返る番組が盛り上がっています。「夏の甲子園、北海道駒大苫小牧高校初優勝!!」「北海道日本ハムファイターズ プレイオフ惜敗!!」・・・・・野球、サッカー、オリンピックなどの試合を再放送していました。変に作られた番組より、身近なせいか思わず見入ってしまいました。

 

さてH氏は、年末にスキー合宿に行ってきたようです。HPをご覧ください

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

               (大)

平成17年1月2日配信


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