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===========麹町ウォーカー(麹町遊歩人)No.74============

今年は梅雨の中休みが例年に無く長いようですが、大型台風が迫っています。

北海道での影響はまだですが、梅雨の中休みが長いと大雨になるそうです。心配です。

ところで何故6月の長雨を梅雨というのか調べてみたらいろんな説があるようです。

『梅雨は、中国から「梅雨(ばいう)」として伝わり、江戸時代頃より「つゆ」と呼ばれるようになった。「日本歳時記」には、「此の月淫雨ふるこれを梅雨(つゆ)と名づく」とある。中国では、黴(かび)の生えやすい時期の雨という意味で、元々「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたが、カビでは語感が悪いため、同じ「ばい」で季節に合った「梅」の字を使い「梅雨」になったとする説や、「梅の熟す時期の雨」という意味で、元々「梅雨」と呼ばれていたとする説がある。日本で「つゆ」と呼ばれるようになった由来は、「露(つゆ)」からと考えられるが、梅の実が熟し潰れる時期であることから、「潰ゆ(つゆ)」と関連付ける説もあり、梅雨の語源は未詳部分が多い。』(語源由来辞典より)

梅雨の無い6月の北海道では、「よさこいソーラン祭り」「北海道神宮祭」が次々と行われました。迫力一杯の「よさこいソーラン祭り」を初めて経験しました。大音響とそれに合わせて乱舞する若い道産子にちょっぴり感激しました。札幌の大通りを中心に、街の至るところで踊っていましたよ。今回で13回目、まだ新しい祭りです。雪祭りのように雪像を観賞するのだけとは違い、動きの激しい祭りです。乱舞する北海道の伝統ある祭りとなって欲しいと思います(ただ、大音響で音楽がずっと鳴っているのには参りました)。一方、麹町では日枝神社の山王祭が行われました。H氏は、歴史ある祭りを堪能したようです。

===================================写真をクリックする詳細写真がご覧になれます

今回は6月11日(金曜日)行なわれた、日枝神社の山王祭を紹介する。

山王祭の天下祭とも言われ、その中心的な行事は「神幸祭(じんこうさい)」である。今年は午後から雨が予想されたため、山車がみなビニールの覆いがされていたのは残念であったが歴史あるこの祭りを楽しんだ。

「日枝神社 神幸祭」と書かれ藤の花の飾りをつけた先導の車のあと、五色に彩られた大きな鶏が大きく羽を広げた諫鼓鶏(かんこどり)山車から始まる。日枝神社の神様の使いは猿であり、一番山車はもともと猿だったとのことであるが、将軍のお声がかりで鶏になったという。そして、神田明神祭の白い鶏に対して山王祭は五色の鶏なのだという。

続いて隻葉葵の描かれた太鼓、そして錦旗と高張、そして朱傘を差された天狗の顔をした鼻高面、大榊の山車、馬に乗った禰宜(ねぎ)、獅子頭、飾りを付けられた白い神馬。そして弓や鉾、盾、大太刀、そして黒馬に乗った権宮司、舞姫、平安時代の薄絹の覆いをつけた傘をかぶった童女、馬車に乗った宮司、そして白い下衣に黄色い上着をつけた綱取に引かれた黄金の鳳(ほうおう)を付けた御鳳輦(ごほうれん)、宮御輿(みやみこし)、外国人を含むカラフルな山伏の装束をした異様な大田楽(だいでんがく)の集団くる。

最後に総代連高張 総代連 葵会連高張 葵会連と「糀町 惣町睦」とかかれた旗のあとに双葉葵柄の法被を着た町衆が続き、カラフルな花の飾りの花山車、綱取に引かれた牛若丸山車まで約600mにもわたり約500名の大行列が延々と続く。

麹町大通を四ッ谷方面に進んだ巡幸の列はJR四ッ谷駅の周りに終結して体勢を組みなおして再度、四ッ谷4丁目方面にUターンする。

この四ッ谷駅前のプラザエフ(主婦会館)とスクワール麹町、隻葉学園の間のロータリーが一時解放区となりこの行列の中で異彩を放つ「大田楽」のメンバーの素晴らしいパフォーマンスが披露される。

2列になって踊る40名ほどの踊り手たちは白や黄色の装束に長い布を頭にまき山伏や富士山講の行者のように頭の左右にこぶを作るように結わえ、その彩りがどこか異国情緒をかもす。

その踊りは今流行の「よさこいソーラン節」のように激しい動きであるが、よさこいソーラン節のような単調なのりではなく、力強い太鼓のリズムに統制された機敏な動きの中に、何故か日本人の原体験を思い起こさせるような、心地よさ、懐かしさを感じるリズムである。それに一人一人の踊りのパフォーマンスの高さが見て取れる。

この「大田楽」はつい先日(6月10日)に44歳で亡くなられた狂言師「野村万之丞」氏の演出したもので、今回楽しみにしていたものの一つであった。

大田楽

氏は、中世末に消えた幻の芸能「田楽」を文献や絵巻等から断片を集め、あるいは日本各地に伝わる民俗芸能の中から、その流れを伝えるものを検証し、現代の感覚で編み直し完成したのがこの「大田楽」なのである。

この大田楽のパフォーマンスが終わると踊っていた二人のメンバーが隣の幼きイエス会の階段に座りながら祭りを見ている子供たちに大声援で迎えられ一緒に記念写真を撮っていた。

現在のように多くの楽しみがなかったいにしえの人たちにとって異様な姿をした田楽師が激しく踊り、そして何事もなかったように去っていく様は異次元の出来事のように思えたであろう。そしてこの子供たちにも素晴らしい思い出となったであろう。

平成5年に文化庁芸術祭賞を受賞している、後世に残る素晴らしいページェントである。この「大田楽」は一般公募のメンバーに組織され、日枝神社で練習をしているのだという。

お詫び 配信版の「女性のリーダーの踊りは・・」というくだりの団体は大田楽とまったく無関係の団体であるとの御指摘を頂きました。関係者に御迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、訂正いたします。2004.7.3
美男ビナン: 狂言では(美男ビダン)女性を表す装束。長い白い布を頭にまき、左右に垂らして帯にはさむかぶり物をいみする。しかし太田楽では字は同じでもビナンと発音するという。ビナンは男性と稚児は男巻(左右の耳横で2つ)・女性は女巻(うなじで一つ)があります。伝統芸能の世界は、似たような言葉で意味が違うので、紛らわしいですよね。・・メールを頂いた大田楽のメンバーからの情報です。ありがとうございました。)

ところで山王祭は神田明神(神田神社)とともに三代将軍家光公以来、歴代の将軍が上覧拝礼する徳川幕府公認の祭りとして神幸行列が城内へも巡行したことから「天下祭」と呼ばれた。幕府から100両を賜ったがとても足るものではなく町衆は数千両の負担があった華やかな祭りであったという。

「神田明神祭」と「山王祭」は隔年開催で、山王祭は、子・寅・辰・午・申・戌の年に行なわれる。

町内の掲示板によると、午前8時日枝神社出発→8時20分平河町→9時JR四ッ谷駅→9時30分麹町4丁目→10時JR市ヶ谷駅→10時20分一番町→10時50分国立劇場→皇居前広場に入り坂下門で参賀・神符献上を行った後、東京駅、日本橋日枝神社→京橋一丁目→銀座4丁目→新橋1丁目を経て午後5時過ぎに日枝神社に還る壮大な巡幸である。

この山王祭の神幸祭には東京の祭りにつき物の神輿はなく、翌日の12日(土)に山車と各町神輿の連合宮入が行なわれた。現在の東京の祭りは神輿が練り歩く勇壮な祭りであるが江戸の祭りは、一般に山車中心の祭りで、最盛期には山車は100台以上もでたという。

明治の後期になり市内の電線が巡行の妨げとなり、明治22年皇居前広場に東京市内の山車100台が終結したのを最後に、江戸の祭りから山車が出なくなったという。

 

神幸祭の最後の山車は牛若丸と弁慶が五条の橋の上で戦う場面が作られ、5人ほどが乗りお囃子を演奏する山車であった。麹町大通りの出て上智大学の前あたりの道路に突き出た交通標識に山車の牛若丸が当たりそうになって山車の上に乗っていた人が牛若丸の人形を引き抜いて回避していたが、この光景が都内で山車が出なくなった理由であったのだと実感した瞬間であった。

とはいえこの山車は祭りの法被を着た近所の小学生に引かれて麹町4丁目方面に向かい、我子の晴れ姿の写真を撮る母親たちでごった返していた。さらに幼きイエス会の教会の階段に陣取った幼稚園の子供たちが可愛い声援を送っている。

この子供達はこんなに素晴らしい伝統のお祭り体験できるのだから羨ましい。

さらにこの祭りを支えている隻葉葵柄に「糀町」とか書かれた法被や浴衣姿の旦那衆や町衆が粋である。町衆の法被の後姿を見ると天下祭を持つ町衆の誇りとともに、祭姿の中に中にどこか凛として寄せ付けない美しさがあり、江戸文化の色気を見る想いがした。

今年は山王祭は残念ながらビニールで覆われての山車であったが、再来年は快晴の青空の下、輝く山車を楽しみたいとの想いを新たにした。そして、外堀通りに渡り四ツ谷若葉町に行き、「たいやきの若葉」の奥様と鯛焼きの話しをしながら美味しい鯛焼きのを頂き、祭の余韻とともに至福の時間を過ごすことが出来た。

 

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祭りの締めに「鯛焼き」とは、H氏の「お祭り」らしくていいですね。

私は、以前紹介した「北地蔵」という珈琲屋で「よさこいソーラン祭り」を締めました。

この「山王祭り」の模様は、H氏のHPで画像もついて掲載中ですよ。

http://homer.pro.tok2.com/

 

ここでこのメルマガを毎回読んで頂いている、番町のT弁護士からの情報です。これかも読者の方から情報を頂いたら、ここで紹介させていただきます。

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ちょっと前に、カレーの特集をしていましたよね。
麹町付近で、私がお奨めなのは、靖国通り沿いの都営新宿線市ヶ谷駅付近の「パク森
カレー」市ヶ谷支店です。汁が少なく、ドライカレーと言っても良いのかも知れませ
んが、いろいろトッピングもできるし、値段も手頃だと思います。私は、ラッシーを
一緒に頼むので、どうしても高くなります。
この店の本店がどこにあるのかわかりませんが、店の看板に描いてある店主とおぼし
き人の似顔絵によく似た人を厨房で見かけます。この店は、横浜のカレー博物館にも
入っているそうです(石川町駅か関内駅かの同博物館の看板にそう書いてありまし
た)。昼飯の友という感じです。

ただ、パク森カレーもプティフアラカンパーニュもアジャンタも、野菜をもっと煮込
んでくれたら良いのにと思います。大変なんでしょうかね。私は、昔よく食べたバー
モントカレーなどの家庭料理で、野菜を大量に、そしてとろける程煮込んである方が
おいしいと思っています。

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さて、前号で出した漢字の問題の解答です。「呑」という漢字です。

いろいろご意見・感想はあると思いますが、この問題と解答は「日本語がもっと面白くなるパズルの本」(光文社電子書店)から出題させてもらいました。

 

このメルマガの原稿を全米オープンゴルフのテレビ中継を観ながら編集していますが、グリーンの上をS字を描いてボールがカップインするのは凄いのです。さすが世界のプロ。その中で丸山茂樹が『TOYOTA』のキャップをかぶってトップタイを走っています。丸山もトヨタも凄いですよね。(6月20日早朝)

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

(大)

平成16年6月20日配信


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