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======麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)創刊2周年記念号=======

平成13年7月29日、メルマガ「麹町ウぉーカー」創刊日です。

当初徳川家康が江戸に入城した8月1日を創刊日する予定だったのですが、メルマガの配信操作を誤り29日に発信されてしまったので、この日が創刊日となってしまいました。

『転勤サラリーマンのH氏が、東京麹町の本丸(本社)に帰ってきました。本丸の周辺を、昼休みというサラリーマンに
とっては1日の最も貴重且つ重要な時間を使って探索した内容です。』

創刊号の冒頭のコメントです。このコンセプトは今も変わりありません。

そして、いつかは書こうと思っていた昼休みに行ける老舗和菓子屋レポートを創刊2周年記念号としてお届けします。

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麹町大通には老舗の和菓子屋さんが多い。半蔵門から四谷駅に向かって東京FM、ワコールの前の歩道を少し歩くと麹町警察署の向かいに「鶴屋吉信」がある。鶴屋吉信東京店

「鶴屋吉信」は享和三年(1803)に京都で創業の有名デパートでもよく名前を見かける老舗である。

ここのお勧めは何と言っても「京観世」という村雨(餡に粉類を混ぜ、フルイでソボロ状にして蒸し上げた物)と小倉を合わせて巻いた棹物である。

切り口に現われる渦模様が、京都の本店の近くにある観世井の水紋に見えるところから「京観世」という名前があるのだという。

もう一つは「柚餅」である。柚の香りのする餅に上質の和三盆(上質のお砂糖で香川県が有名ですね)がふりかけられていて美味しい。

 

「鶴屋八幡」(千代田区麹町2-4)は麹町2丁目みずほ銀行の建物の隣にあり、大通りを隔てた正面にはクッキーの「泉屋」や「えびせん」で有名な名古屋の「坂角」東京店(残念ながら平成18年2月をもって閉店した)もある。

ここは文久3年(1863年)に創業した老舗で、本店は大阪市の淀屋橋の近く御堂筋から少し筋を入った今橋4丁目のクレジットのクオーク大阪本社隣にある。都内有名デパートでよく目にする名前である。

鶴屋八幡東京店鶴屋八幡という屋号は、初代の自宅の庭に鶴が巣を作ったという言い伝えと、開業に際して原材料の面で支援をいただいた八幡屋さんの恩を忘れまいとしたことによるものとのことである。

ここは「四季の心」というサイコロ状の一口最中が有名であるが、東京店限定の備中大納言小豆を使った「どら焼」が美味しい。東京店限定というところもいいですね。この麹町でしか売ってないのですから。

ところで関西では「どら焼」は「みかさ」というのだそうです。大阪出張の折、きんつばで有名な信濃橋「高砂堂」本店で聞いたところそのように話しておられた。

2階は喫茶スペースになっており、和菓子 抹茶セット、しるこ、あんみつ、クリームあんみつ、コーヒー等甘党にとってはたまらない贅沢な時間を過ごせる場所である。

ここでは一つ紹介しておきたいことがある。

備中大納言小豆を使ったどら焼き

この店の玄関に植えてある三つ葉ツツジはこの界隈で一番先に花をつけるツツジである。今年の春、千鳥が淵の桜の開花を毎日のように取材に行くときこの通りに面して咲く薄紫のツツジの花が気になり聞きに店に入った。スタッフの女性もこのツツジがどこよりも早く花を咲かせる自慢のツツジである事を知っており、私がそのことを聞きに来てくれたことを喜んでくれた。鶴屋八幡麹町店の前の「三つ葉ツツジが花を咲かせた後に千鳥が淵の桜が開花する。」と言っておられた。

 

麹町4丁目の交差点を市ヶ谷方面に下り地下鉄有楽町線麹町駅の上「麹町クリスタルシティB1に「亀屋長良」がある。本通りの路面に面した場所に店舗が無いために地下鉄を利用する人しか目にすることがないかもしれない(平成18年1月末をもって閉店しました。)。

「亀屋長良」は享和三年(1803)に創業の京都の銘菓である。

ここでは「烏羽玉」という代表的なお菓子である。これは創業以来のお菓子だとのことで、茶花のヒオウギの実である「ぬばたま」を象った菓子で、黒砂糖とこし餡を練り固め、寒天でくるんでケシ粒を振り掛けた漆黒のお菓子である。

その他に洛中三名水に由来する「醒ヶ井」もある。

 

麹町ではないが四谷見附橋を渡り四谷3丁目方面に歩くと右側に石川県金沢市の銘菓「森八」が見えてくる。四谷2丁目の「森八」

森八というと干菓子で墨の形をした「長生殿」が有名ですね。これに書かれている長生殿は日本庭園で有名な小堀遠州の筆になるものだそうである。

 

ところで、麹町にこんなに和菓子の老舗が多い理由であるが、先日「鶴屋吉信」さんでその理由を聞く機会を得た。それは「残念ながら、今は市ヶ谷に移ってしまいましたが以前麹町に裏千家さんがあったので私たちも京都からこちらにきたと聞いています。」とのことであった。ベルギー大使館の前に表千家、オリコ本社ビルの場所に裏千家があったからであるというのである。

一昨年だったかフジテレビで東京の贈答用和菓子のベスト5が紹介されていた。1位「虎屋」の羊羹「夜の梅」、2位が「中村屋」の「餡月餅」、3位が「栄太樓総本舗」の「あんみつ」、4位 「鶴屋八幡」の「四季の心」、5位 「鶴屋吉信」の「京観世」だった。(どういう基準で選んだのかははっきり記憶していません。あしからず。)

なんとこの中に二つも麹町の店があるのには驚かされる。さらに1位の羊羹で有名な「虎屋」は、麹町からも歩いていける赤坂「豊川稲荷」の向かいの国道246号線沿いに本店がある。これだけ有名なお菓子をこの界隈だけでいただけるのだから麹町はすごい場所である。

「虎屋」の羊羹は贈答用としては高級品だが、そのなかでも「夜の梅」が一番。「夜の梅」の由来は羊羹を切ったときに見える小豆の切り口が暗闇にぼんやりと浮かぶ梅に似ているところからついた名前で、ネーミングも風雅の極みである。

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過去、麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)で取り上げたお菓子屋を紹介いたします。

「一元屋」のきんつば(NO2)

「わかば」の鯛焼き(NO3)

「柳屋」の鯛焼き(NO26)

「浪速屋総本店」の鯛焼き(NO26)

「泉や」のクッキー(NO40)

「ローザ洋菓子店」のクッキー(NO40)

「村上開新堂」のクッキー(NO40)

「榮陽堂」の丸房露(NO40)

「キルフェボン」のケーキ(NO46)

「ブーランジュリーアカサカ」のパン&ケーキ(NO49)
「村上開新堂」のクッキー以外は、全て実食しております。各お店名の最後に付いているNOは、メルマガのバックナンバーです。
詳細を知りたい方は、バックナンバーを御覧いただくか、編集担当までメールで問い合わせください。
バックナンバーを探すなら下記HPへ
http://www.mag2.com/m/0000073086.htm
 
H氏のHPでは、地図でも探すことができます。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

(大)

平成18年2月3日一部訂正


HOMER’S玉手箱 麹町ウぉーカー(麹町遊歩人) 会津見て歩記 甲府勤番風流日誌 伊奈町見聞記 鹿児島県坊津町

 

(大)