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========麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)
NO47=============

毎年のこととは言え、梅雨の季節がやって来ました。

ずっと土日の天気が良くなく、このまま入梅してしまうと麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)のストレスは溜まる一方です。

この梅雨の季節になると必ず取り上げられるのが、紫陽花。それも定番は鎌倉のお寺。何度か梅雨の季節に訪れたことがありますが、雨の日に咲く紫陽花は、ジメジメした気持ちを確かに和らげてくれます。

でも鎌倉に行く私の目的は「花より電車」なのです。海あり、民家ありの変化に飛んだ風景の中を走る路面電車「江ノ電」。セーラー服の女学生・板を抱えたサーファー・買い物帰りのおばちゃんを乗せた緑色の江ノ電が、由比ガ浜や商店の間を走り抜けていく姿に心が和みます。このイメージの基となっている「江ノ電500形」は、今年の1月で引退してしまいました。今は、企業広告がペイントされたイライラするような江ノ電が走っています。

明日6月10日は路面電車の日。全国でいろいろなイベントが開催されます。

ほんの少し前には、麹町大通りにも路面電車が走っていたようですよ。

H氏の麹町を走った都電レポートです。

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都電の走った跡

JR四ッ谷駅の上にある四谷見附橋の上に立つと、東京の空がこんなに高かったのだと実感できる。

半蔵門方面から延びる麹町大通は、四谷見附橋を過ぎると市ヶ谷から迎賓館赤坂方面へ抜ける外堀通りと交差し、近くに高い建物がないこともあって広い空間を作っている。

西側には四谷見附橋の美しいランプの後ろにイグナチオ教会と上智大学の白い建物、オリコの本社ビルが見え、南に目をやれば迎賓館の緑の後ろに六本木ヒルズの高い建物がそびえている。さらに、外堀通りの交差点の中央に立つと赤坂迎賓館の正面玄関に至る公園と正面玄関の塀がきれいなシンメトリーで見ることができる。

都電の走っていた時代と現在との移り変わりを定点で写真に収めた本に昭和30年代の四谷見附交差点の写真を見つけた。

四谷見附の橋の袂から交差点越しに中央出版社という建物と「とんかつの三金」の看板が写っている。その前を直進しようとする電車が写っていて、交差点の上は架線がクモの巣のように張り巡らされていた。

「とんかつの三金」は現在も交差点の角にある四谷の有名なお店であるが、隣の「中央出版」は以前紹介したキリスト教関係の出版で有名なサンパウロの旧社名である。

迎賓館の脇の都電の路線の場所は八重桜の名所ここ四谷や麹町は、昭和43年までいくつかの系統の都電が走っていた。

都電3系統は品川駅から赤坂見附を経て赤坂迎賓館の脇の紀之国坂を上り、四谷を経て飯田橋に至る路線である。この路線は明治45年6月に開業して昭和42年12月に廃線となった。

現在、この都電3系統の軌道跡を見ることはできるのだろうか。

ホテルニューオオタニの前の食違い見附から、上智大学グランドの迎賓館側の土手に生えている桜の木がまっすぐにきれいに生えているのが見える。ここが、都電3系統の若葉1丁目の駅から赤坂見附まで下っていく軌道の跡である。春になるとソメイヨシノの後に咲く八重桜の名所として有名な場所である。

また、迎賓館の正門のそばにある新宿区と港区境界の案内板の脇にある柵に一ヶ所だけ中に入れる場所があり、そこから入るとゆるい下り勾配で都電の軌道があったことを実感させてくれる。

他にも、上智大学の真田掘りグラウンドを左手に見ながら八重桜の木のトンネルを下りていくと、食違い見附の土橋のところで首都高速のトンネルの外壁に突き当たる。ここが都電で唯一のトンネルの跡である。都電は、このトンネルを抜け現在の首都高速の通っている場所を経て赤坂見附へと進んでいった。真田掘りのうえの都電の路線の跡

もう一枚の写真は、麹町5丁目の「蛇之目寿司」の前から上智大学方面に向けて撮られたものである。

麹町の前を走っていた都電は、12系統で昭和4年4月に開業し新宿と新宿駅前―四谷見附―日比谷―銀座四丁目―月島通り八丁目の間を運行していた。

オリコ本社ビル、あるいは隣の「肉のハナマサ」の正面の中央分離帯から撮られている。昭和40年代はまだ麹町地大通りは今の半分ほどの道幅で現在の中央分離帯から番町側に拡張トンネルの跡されたらしい。そして写真には写っていないが蛇之目寿司のそばには「大和質店」の蔵が並んであるとあった。現在の「山王書房」あたりであろうか、山王書房の入っている建物は「ヤマトビル」である。

 

都電は最終的には早稲田から三ノ輪橋までの荒川線を除いて昭和47年(1972年)11月に廃線となるのであるが、麹町大通を走っていた路線は比較的遅く昭和43年3月まで運行していた。

都電の走っていた路線跡には、現在都バス第03系統のバスが四谷駅から銀座4丁目を経て晴海埠頭まで、車両全体を企業の広告でペンティグされたバスが走っている。

この車両全体ペンティング広告はなかなかの人気で人目につく路線の広告は企業からの引き合いも多く広告業者が参加する入札でもなかなか手に入らないという。

仕事帰りにいつもと違う路線で帰るのもなかなか良いものである。この春44 「あんぱんの日」( 1875(明治8)年、明治天皇が水戸邸の下屋敷を訪れる際に、木村屋のあんぱんが献上された。)に、このバスに乗り銀座四丁目の木村屋の「桜の酒種あんぱん」を買いに行った。この都営03系統は四ッ谷駅を出て半蔵門を右折して薄暗い皇居のお堀(桜田濠)沿いに警視庁前、日比谷へと下り、華やかなネオン輝く有楽町から数寄屋橋、銀座に至る、なんとも不思議な雰囲気のする15分ほどのバスの旅である。麹町辺りで仕事をする者が仕事を終えて少しだけ道草をするにはなかなかいいルートである。それにしても銀座は何時行っても新しい発見のある居心地の良い大人の町である。

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今日、6月8日が関東地方の入梅平均日だそうですが、珍しく晴天です。

でも天気予報では、今週入梅とのこと・・・・・。

 

都電の跡の写真が掲載されているHPです

http://www.asahi-net.or.jp/~yx6o-ontk/romen_train/toden/inheritance/konseki.html

 

H氏のホームページは薔薇が益々充実しています。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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(大)


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