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麹町ウぉーカー131号
(四谷持田製薬本社前の岡本太郎の像)

JR四ツ谷駅を四谷方面に出て甲州街道から防衛省側に二つ目の路地は三栄通りと呼ばれる。その右角にはデナリという登山用具の専門店があり、路地に入りすぐ左側に持田製薬の本社ビルがある。

この会社の正面玄関左側に一体の像が立っている。富士山のような円錐形の台座に斜め上を向いた円形の頭の上から鼻の頭から顎までV字に切れ込みが入り、その円盤の中央部の両側に丸い目がくりぬかれ、V字の切れ込みがはいり、鼻の頭は二つに割れ、その下に口を開いて、微笑んでいるように見える。一目で岡本太郎の像とわかるブロンズ像である。台座の下のプレートには「歓び PLAISIR 1978 岡本太郎」と書かれている(高さ:1.8m、幅:1.3m)。京都の傳來工房で作られたもののようである。

聞くところによると、持田製薬の二代目の社長持田信夫氏は学生時代から岡本太郎氏と親交があり社長になって創業65年を記念して制作をしてもらい、像の「歓び」という名称は常に「歓び」の心を持って、人々の健康的で豊かな暮らしに貢献したいとの想いから、この名前がつけられたという。因みに「PLAISIR」は「プレズィール」と発音する「歓び」を意味するフランス語である。

岡本太郎氏と言えば大阪万博の「太陽の塔」で知られているが、実は持田製薬は大阪万博の時に太陽の塔の地下で5億倍に拡大したDNAの分子構造モデルを展示した会社であるという。そして本社の正面玄関のシャンデリアはDNAモデルがデザインされているという。

 

持田製薬はなかなか私達が日頃、目にすることはないが大正2年に持田良吉氏により創業され昭和20年に持田製薬株式会社となり循環器系や産婦人科系の薬に強い中堅企業であるという。
近年は製薬会社としての技術を活用して「デコラージュ」というスキンケア商品を出している。

しかし、もっと身近なところで私達がお世話になっている。それは赤ちゃんが生まれて石鹸が使えるようになるまでの沐浴するときの沐浴材は持田製薬の関連会社の製品であるという。これをご覧になっている方のお子さんやお孫さんの沐浴材は持田スキンケアーの青いボトルに入った「スキナベーブ」なのではないだろうか。妻に聞くと息子達の生まれた時には今ほど沐浴材の普及しておらず石鹸が使えるようになるまでお湯で沐浴させるのだが湿疹ができたりして大変だったという。

年末に孫が生まれた友人に確認してもらったところ青いボトルのこの製品を使っていると言っていた。

遠い存在の製薬会社と思っていた持田製薬はとても身近なところでお世話になっていたのである。「歓び」の像に込められ、人々の健康的で豊かな暮らしに貢献したいという思いはプロのお医者さんだけでなく、このようなところで実現している。

 

麹町に6年間勤務して四谷の持田製薬とこの像の存在は知っていたが何故か紹介していなかった。ところが昨年震災後の4月、中央区の水天宮での勉強会でチームメンバーとなった一番若い女性Kさんが正月明けに会ったときに持田製薬のスタッフでるとのことがわかり、この像の話が出てきた。そこで、急遽紹介することとなった。

この像の紹介してくれたKさんはほっそりとしたかわいらしい女性である。昨年4月に初めて会った頃は強烈な個性のメンバーの中で本当にやっていけるかと心配になるほど控えめな感じだった。ところが、今年1月に久しぶりに再会したらとても自信をつけハツラツとしていた。7ヶ月間チームメンバーだったお姉様方も「Kさんすごく自信をつけたようね。目がイキイキしている。」と彼女の成長を口にしていた。これは新宿に飲んでいた時のお姉さま方からの伝言です。

 

PS Kさんへ

荒木町の「よつやこくている」のマスターには話をしておきましたのでぜひ訪ねてカクテルを楽しんでみてください。そして麹町ウぉーカーを読んで麹町界隈をお楽しみください。ありがとうございました。

平成24年2月13日


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