戻る    

雨飾山
(あまかざりやま)
2008.10.13日
妻と二人のパーティー

10月の三連休を使い鹿島槍ヶ岳に登った後、深田久弥がこよなく愛した快晴の雨飾山に向かった。荒菅沢までは比較的なだらかであるが、それから先はとても急な登りが続く。それにしても紅葉がとても素晴らしい山である。日本海も眼下に望める。
とても気持ちのいい登山が楽しめる山で、小谷村のパンフレットには「百度登っても飽きない百名山」というコピーが書かれている。確かにその通りとうなずいてしまう。今回は紅葉の最盛期の快晴の山に登る幸運に恵まれたが、季節をかえて新緑の季節か、また荒菅沢の雪渓が残る季節に沢をつめて登ってみたい。深田久弥氏は沢をつめてフトンビシから草付きの急斜面を登り稜線に出たとある。
小谷村雨飾高原キャンプ場登山口(6時57分)→2/11登口→荒菅沢上(8時16分)→荒菅沢(着:8時25分休息)→笹平(9時47分)→梶山新湯(雨飾温泉)分岐(9時53分)→雨飾山山頂(着:10時14分)→雨飾山山頂(発:10時50分)→笹平(11時19分)→荒菅沢(着:12時13分、5分休息)→小谷村雨飾高原キャンプ場登山口:13時45分
6時57分 雨飾高原キャンプ場登山口
30台ほどの駐車場があり、その下にも第2駐車場がある。
トイレと休息舎があり、休息舎の脇が登山口である。
登山口を入ってすぐの場所に携帯用トイレ回収ボックスがある。
詳細写真
登山口から100m程下り、その後、湿地のある水平な木道のを歩く。きれいな流れがありイワナが泳いでいるのを見ることが出来る。
7時6分
7時11分 「2/11 800m」の標識
水平な木道の終点から本格的な登りになる。

*この登山道は山頂まで歩く距離が4400mあり、400m毎に「 2/11 (登山口へ800m) (雨飾山山頂へ〇〇m)」という登山口へと雨飾山山頂への距離が表記された標識がある。

この標識は登山者にとっては励みになる。
「3/11の標識 登山口へ1200m 山頂へ3200m」
ブナ林の根が登山者に踏み荒らされた場所が多い。
詳細写真
7時26分
7時46分 ブナ平
標柱には「山頂まで2時間、登山口まで30分」と書かれている
ブナの大木と紅葉からさす朝日の木漏れ日がとても清々しく気持ちのいい場所で、一休みするのに最適の場所である。
水平道
平らな登山道を過ぎると下りになり荒菅沢に下る。
8時13分
8時16分 荒菅沢に下る途中、突然、雨飾山が現れる。
白い布団を広げたような岩場が「フトンビシ」と呼ばれる場所。

この場所と荒菅沢の間に「6/11 登山口から2400m 山頂へ2000m」地点がある。
詳細写真
荒菅沢(あらすげざわ)
沢山の登山者がここで休息している。
見上げると大大な岩壁が聳えている。
ここの沢の水は飲むことができる。

8時25分
8時46分 荒菅沢の対岸から登りが始まる。荒菅沢から笹平まではとても急な登りである。
最初は潅木帯の滑りやすい泥と石の登りが続く。
途中に「7/11 登山口へ2800m 山頂へ1600m」地点があるが急な登りは約1200mほど「9/11 登山口から3600m 山頂まで800m」地点を過ぎる場所まで続く。
「8/11 登山口へ3200m 山頂へ1200m」付近を過ぎて急な潅木帯を登りきると、笹の生え、展望のいい稜線上に出る。
左手には荒菅沢の巨大な岩尾根が見え、背後の山並の上にゴツゴツとした焼岳が見えてくる。
詳細写真
9時19分
9時28分 窪地の広い休息場所を過ぎると細い尾根に出、それから先は崩れ易く急な岩場になる。
この岩場は数箇所ロープや梯子がある(鎖は付けられていない)初心者には難度の高い岩場である。
尾根が狭いため、登りと下りの登山者で渋滞がが起きる。
「9/11 3600m」ポイントを過ぎしばらく岩場を登るとなだらかな笹平に出る。
ここから眼下かには糸魚川の町並みと日本海が見える。

9時47分
笹平の南西には笹の平原の先に雨飾山の山頂が聳えている。
笹平から5分ほど進むと「梶山新湯 雨飾温泉へ2時間30分」への分岐がある。
詳細写真
雨飾山の取り付き(コル)に出ると「振り返ると荒菅沢と書かれた板があり、眼下に荒菅沢のゴルジュとフトンビシと呼ばれる巨大な岩の谷が口を広げている。
雨飾山への最後の登りはとても急で高度感のある登山道をジグザグに登っていく。
双耳峰の真ん中の登りつく。
10時14分 雨飾山山頂 標高:1963m
双耳峰は20mほどしか離れておらず、東峰が少し高く三角点がある。

詳細写真
双耳峰の西峰には古い石仏が日本海に向かって建っている。 10時49分
11時27分 笹平からの急な岩場の下り。
ここから2時間10分ほどでキャンプ場の登山口に着く。
詳細写真
雨飾山(あまかざりやま)は長野県小谷村と新潟県糸魚川市の県境にある。
小谷村側の登山口は雨飾高原キャンプ場であり、駐車場、トイレ、休息舎もある。雨飾山のバッジはキャンプ場で販売している。
この登山ルートは7時間ほどの行程があるにもかかわらず途中トイレが一ヶ所も無い。登山口から100m入ったところに携帯用トイレの回収箱があり、その中には数個ではあるが無償提供の携帯用トイレがある。自然保護、ローインパクト促進の為、北アルプスの山々では携帯トイレを持つように指導しているところも多いが、無償提供しているところははじめてであった。
この登山道は標識は整備されているがハイキングの感覚で沢山の老若男女が登っており、登山道は木の根が露出し、崩れ易くまた滑りやすい場所が多く明らかにオーバーユースの感は否めない。雨の日には滑る危険性が高い登山道である。

ただ登山経験の浅い登山者(ハイカー)も多く、狭い岩尾根における登山の最低限の譲り合いの気持ちが少なく、それが危険な岩場で渋滞を招いている。

ガイドツアー
雨飾山の山頂で名古屋からのツアー登山で新潟の雨飾温泉に一泊して、登ってきた20人ほどのパーティーと一緒になった。このパーティーはアミューズメントトラベルという登山専門の旅行社のプロのガイド(男女3人)に導かれたパーティーであった。中高年の女性が多く、雨飾山荘の温泉と食事が素晴らしかったと楽しそうに話していた。
驚いたことにパーティーが山頂に着いて食事を始める前にガイドが大きな鍋で「ロイヤルミルクティー」を作って全員に振舞っていたことである。私たちはパーティーではなかったが、仲良くなったメンバーの勧めもあって最後の一杯をガイドのリーダーからお裾分けして頂いた。とても甘くて美味しいロイヤルミルクティーだった。それにしてもプロのガイドの心配りに感服した。紅葉に染まる快晴の雨飾山の山頂で頂いたこの一杯は思い出に残る味になった。 このガイドの会社は日本中また世界中の山のガイドをしているとのことで、リーダーの若いガイドがとても頼もしかった。「いつかネパールにヒマラヤを見に行くときにはお世話になります」と言葉を交わし、名刺を頂いてて雨飾山の山頂を後にした。雨飾山は思い出に残る山になた。
因みに小谷村でも山案内人の案内する登山ツアーを1人5000円で行なっている(2008年)。
2008年10月13日撮影

HOMER’S玉手箱 麹町ウぉーカー(麹町遊歩人) 会津見て歩記 甲府勤番風流日誌 伊奈町見聞記 鹿児島県坊津町 Good Journey(よい旅を!)