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九重山
日本百名山(95)
(久住山1791m)
2006.8.11 妻と二人のパーティー 
晴れのち雨

登り 下山

645分:牧の戸峠(発)
705分:沓掛山(1503m)
800分:扇ガ鼻分岐
830分:避難小屋
854分:御池
914分:中岳(1971m)(着)

933分:中岳(発)
1003分:稲星山(1774m)
1045分:久住山(1787m)(着)
1100分:久住山(発)
1120分:避難小屋(着)
1125分:避難小屋(発)
1214分:星生山(1762m)
1230分:西千里浜・星生山分岐
1335分:牧の戸(着)

写真をクリックすると詳細写真をごらんになれます。

埼玉県から鹿児島県へ帰省の途中、神奈川県久里浜発のフェリーで夜10時に大分港に着き、湯布院の道の駅で車中泊し、夜明けと共に牧の戸峠(1330m)に移動した。牧の戸峠登山口

牧の戸峠には売店ときれいなトイレがありそこで身支度を整えて、セメントで整備されたハイキングコースを出発した。

登り始めて20分もすると東屋のある展望台に出る。そしてしばらくして木製の木の階段が出てくるとすぐに岩場の沓掛山(1503m)に出る。

正面に久住山に向う緩やかな尾根道とその正面に星生山(ほっしょうさん 1762m)が端正な山容を表し、その右脇に久住山の山頂が少しだけ見えている。

星生山沓掛山は岩場の尾根で途中から登り専用のルートと鎖と梯子の設けられた下山専用ルートに分かれている。

沓掛山の岩場を過ぎると少し下り、左右に展望の利く緩やかな尾根道を歩く。そして登り返して扇ガ鼻の左斜面を登っていくと、扇が鼻分岐の正面に星生山が聳えている。

そしてしばらくすると星生山の南側に西千里ガ浜と呼ばれる高原状の細長くなだらかな谷間に出る。ここの生えているコケモモは我が国の南限であるという。

登山道の右側の少し下の草むらのなかに青い柄杓が立っており、下りてみると水場の跡とらしい(水は枯れていた)。

登り返して穏やかな登山道は小石が全てケルン状に集められてとても歩きやすい道である。そして星生山の下に湿原が現れる。

高原状の緩やかな西千里ガ浜登山道の突き当たりは岩場になり、ルートを示す黄色いペンキマークが付けられている。左側は急な岩場であるがその正面には久住山が聳えている。

避難小屋とバイオトイレ

岩場を過ぎると展望が広がり、正面に久住山を見ながら急な岩場を下るととても広い広場がありその脇に避難小屋とバイオトイレのある。

久住山(1787m)は左側の斜面は緩やかであるが、右側は鋭く切れ落ちた岩場である。

久住山に向って登り始め、途中から左に折れて中岳へのルートをとる。背後の星生山の裏に噴煙が見え、緑豊かなたおやかな星生山の表側の山容と異なる、硫黄岳の荒々しい火山の展望がひろがる。途中で久住山と中岳との分岐がある。正面に見える天狗ヶ城に向かって登り途中から、右にルートをとると突然、沢山の水をたたえた御池が現れる。山の上の池の出現にビックリする。そして御池の淵を巻くように歩き、右側に非難小屋を見ながら九重山の中で一番高い中岳(1791m)に登る。山頂直下には少しばかり岩場がある。

中岳の山頂は360度のパノラマで北には三俣山とかなり先にぎざぎざの山頂を持つ由布岳。そして真南にはたおやかな稲星山(1774m)と南西には御池の先に久住山(1787m)。そして西には天狗ヶ城と星生山。久住の山々がどこまでも展望が利く。北岳の北側の眼下に坊がツルのテント場に数張りのテントが見える。青中岳山頂(1791メートル)九州本土最高峰空と九重連山の緑がとても心地よく楽しい山頂である。

何よりここは九州本土の中で一番高い場所である。

山頂のあまりの心地よさに、ここで引き返して久住山に登る予定を変更して、正面に見える稲星山に登りそして久住山に縦走することにする。

中岳の南面を下りは最初は緩やかであるがすぐに急な岩場のくだりになる。これはなかなかハードな下りで、ザイルが付けられたほぼ垂直な岩場で、かなり高度感を感じる場所もあり初心者は下るべきではない。

下りきると「坊がツル」との分岐に出て、そこから緩やかな斜面を10分ほど登ると稲星山の山頂に出る。ここも360度のパノラマで山頂の展望を楽しむことができる。そして、久住山に向って一度下りきり、そして久住山に向って登り返すとゴツゴツした大きな岩のある山頂につく。久住山の南面は急に切り立った岩場である。

久住山の山頂では雷が鳴り出し霧が出てきて展望が得られなかった。

因みに山群の総称を九重山、山名を久住山としているという。

稲星山山頂

そして下山にかかり、一般道の手前に付けられた岩場を垂直に下り、登山道に合流してすぐに避難小屋に着く。

ここで、星生山に縦走することに決め、避難小屋の裏から急な岩場の星生崎を登り始める。最初は草付きの登山道であるが星生崎の上部はゴツゴツした険しい岩場である。

そこで毎年3日間、九重山に登っているという登山者と会い、ひと時山の話をすることができた。

私たちが先々週、谷川岳に登ったと話すと「関東に転勤させてくれれば、アルプスを楽しめるのに残念だ・・」と南や北アルプスなどの登山の機会がなかなか得られない九州の登山愛好家の悲しさを口にされ、そして、谷川岳の前に私たちが登った「甲武信ヶ岳は全く展望が利かない苦しい登山で九重の山は展望が聞くから素晴らしい。」という九重の山の感想を話すと田部重治の「笛吹川を遡る」というエッセイを読んだことがあるとのことで、かなり山に詳しい方であった。

星生山山頂なによりのこの方が九重の山をとても愛して楽しんでいる様子が伺え、このような登山者と一時でも九重山の話をできたことがラッキーだった。

ところが星生山への縦走路は最初、霧がはれて西千里ガ浜を歩く登山者の姿が望めたが途中から霧に隠されてしまった。この星生山への縦走路はとても楽しいルートで星生崎からしばらく細い岩尾根であり、岩場を乗り越えながら歩く。岩場を越えて緩やかな鞍部に入ると、雨が強くなりここでレインウエアーを着用することになる。そして激しい雨の中しばらく登ると突然岩場か現れる。これがなかなかきびしい両脇が切り立った細尾根で、急な濡れた岩場を緊張しながら登る。晴れていたら岩の裏側は硫黄岳の噴火が望めるのだろう。緊張の一時を楽しんで岩場が過ぎるとすぐに星生山の山頂(1762m)である。雨の中展望は利かず、下山を開始するが、霧の中でできるだけ早く下山ルートに合流するため、ほぼ真っ直ぐに下山するルートをとる。すると10分ほどで西千里が浜と牧の戸峠との分岐に合流し、もと来た道を下山した。

最初は鹿児島恵の帰りの途中で軽く久住山、中岳のピストン登山と計画していたが、九重連山の展望の素晴らしさに、中岳、稲星山、久住山、星生山と縦走してしまった。

また思いもよらず雨の中少し緊張を伴う星生山の岩場登りも楽しむことができた。

九重山は一般ルートでは特に危険で急な場所もなく、何より本州の北アルプスや南アルプスでは体験することのできない九重高原のたおやかな展望が楽しめるとても楽しい登山であった。

最後に牧の戸峠にある売店の小国の牛乳を使ったソフトクリーム(300円)と飲むヨーグルトはとても美味しく、九重山に登ったら下山後、是非賞味されることをお勧めする。

追記 
牧の戸峠から沓掛山に向う登山道の途中で東北から台湾辺りまで移動するといわれる「アサギマダラ」を2匹発見した。2003年8月25日に山梨県の瑞牆山に登ったときに富士見小屋でアサギマダラの大群に遭遇したことがある。そのときの「アサギマダラ」の写真参照。
特に標識らしきものは付いていなかった。
写真をクリックすると詳細写真をごらんになれます。
2006年8月11日撮影

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