日打ち

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日光白根山(奥白根山)
(2578m)

日本百名山37
2005年5月21日 妻と2人のパーティー

8時30分:駒ヶ岳登山口前駐車場到着
8時50分:ロープウエー出発
9時00分:丸沼高原山頂駅着(ロックガーデン)
9時7分:二荒山神社登山口出発
9時15分:不動岩
9時32分:血の池地獄との分岐(急登開始)
9時54分:大日如来
9時59分:七色平との分岐
10時15分:眺望が開け燧ケ岳、至仏岳見える
10時20分:地獄ナギ
11時45分:森林限界を超える・
12時22分:山頂手前の祠のあるピーク
12時25分:白根山山頂
13時30分:日光白根山下山開始
14時04分:避難小屋着
14時13分:五色沼
14時56分:五色沼発
       (沼からのルートを見失う)
14時52分:五色山分岐の峠
14時55分:阿弥陀ヶ池
15時05分:座禅山の峠から下山開始
15時27分:七色平への分岐に合流
15時32分:七色平避難小屋
15時47分:大日如来
16時03分:不動岩
16時10分:二荒山神社前登山口着
写真をクリックすると詳細写真が見られます。
丸沼高原から見る白根山朝6時に埼玉の家を出て、久喜から東北道に乗り、日光から金精峠を越えて丸沼スキー場に8時30分に着いた。今シーズンは21日8時80分から夏のロープウェイーの運行が始まっていた(往復1800円)。
チケット売り場に置かれている「日光白根山ガイドマップ」をもらっておこう。とても精巧に出来た地図である。

丸沼スキー場のロープウェーで山麓駅(1400m)から約10分ほどで一気に標高2000mまで運んでくれる。山麓駅をおりると正面に日光白根山が突然、そのを現す。山麓駅の周りはロックガーデンとなっており、白根山を一望する展望台も作られており、レストランもあり、登山者でなくともここまでロープウエーで登ってきて信仰の山を2時間ほどで散策できるようになっている。
二荒山神社の鳥居
レストランの裏の鳥居をくぐるとすぐに二荒山神社の社殿がありその向かいに登山口がある。なんとこの登山口から登山道は厚い残雪に覆われていた。しかし、それほど歩きにくくはなく7分ほどで不動岩に着く。そこから又7分ほどで血の池地獄との分岐点に出る。ここにある標識は頭まで埋まっているところからその雪の厚さが想像できる。

ここまではなだらかな道であるが、ここから突然急な登山道になる。それも完全な雪山を登ることになるため、登山ルートは木に書かれている赤や黄色のルートマークだけが頼りとなる。それに硬くしまった雪に登山靴をキックステップで蹴り込みスタンスを確保する雪山の基本的なのぼりとなる。20分ほど喘ぎながら登ると突然平坦な場所になり木々の間から青空を背景に白根山が見えて来る。そして木々の間の雪の中に黄色い涎掛けをした大日如来の石仏が見えてくる。
大日如来はガイドブックでは大きな岩の乗っているのであるが、上の部分しか姿を現していない。大日如来

ここで初めてアイゼンをつけて本格的な登に備える。
大日如来から数分ほどで湿地になっており丸太が並べられた「七色平との分岐点」に出る(七色平0.2キロ、山頂駅から1.1キロ、白根山山頂まで2.1キロと書かれている)。
ここから本格的な樹林帯の登山道であるが、登り始めてすぐに穴を踏み抜いて腰まで埋まってしまったためその後とても慎重にルートを選択して歩いた。土が見えている場所は殆ど無く、ルートマークを頼り15分も歩くと初めて視界が開けて、猫の耳のような形の双耳峰の燧ケ岳(2346m)と至仏山(2228m)が見える。それから少しして(七色平分岐から約20分)「地獄ナギ」という場所に出る。

地獄ナギも視界が開けて、至仏山、武尊山などが見える。山側を見上げると白根山の山頂直下の岩山が聳え、そこ真下まで続く沢に雪がぎっしりと残り、冬山登山の際は雪崩がおこる場所なのであろう。
ここから森林限界が切れる場所まで、雪の急な斜面のルートを探しながら、約1時間20分かかった。この日私たちの先にこのルートを登ってい樹林帯の登山道た登山者は夫婦のパーティーと老人のソロの登山者であったが、11時前に私たちが追い抜いたため、七色平で「5月初旬の八ヶ岳より雪が多い。」と話しをした若者だけが私たちの先を行く登山者ということになった。
この間の登山ルートは夏場でも危険な急斜面に付けられた細い登山道なのであろうが、これだけの積雪ではまったく意味を成さず、夏では考えられないルートを自ら見つけて、登っていくことになる。これが雪山ならではの楽しみなのであろう。

森林限界の少し下に大きな岩があり視界が開けるが、その手前の狭い急斜面で私たちの後を歩いていた老人が足を滑らせてしまった。何とか、そばにあるものに掴り滑落は避けられたが、足が滑って自らの力ではルートに戻ることが出来ず、妻がストックを差し出してやっとのことでルートに戻すことが出来た。


そして、登り始めて2時間30分ほどでやっと森林限界を超えた。樹林限界点からの山頂
そこで見る光景は感激の一言である。見上げる山頂は雪はなく岩稜が青空に聳え、見渡す先には青空を背景に雪を頂いた武尊山、至仏山、燧ケ岳が見える。

これから山頂までのルートには雪は見えない。山頂までの登山道はザレ地でとても歩きにくい急坂である。途中で雪渓が現れその脇を抜けると、大きな雪渓を突き抜ける。そして岩を越えるとそこが、小さな祠のある山頂が見えてくる。その前は大きなカルデラのような火口になっている。
しかし、ここは山頂ではなくここから一度下って登り返すとそこが白根山の山頂である。この山頂はとても狭く、一番高い部分に標識が立つが、その標識の左右と裏は絶壁で、2から3名ほどしかたつことが出来ない。

日光白根山山頂ここで写真を撮ると写真の真後ろが会津駒ヶ岳、写真の左側に燧ケ岳が写る位置にある。ここからの眺めは360度のパノラマで、北に会津駒ヶ岳、それから時計と反対周りに、燧ケ岳、平ヶ岳、至仏山、武尊山、南に目を向けると皇海山(すかいさん)そして、東には男体山とその前の中禅寺湖、その前に戦場ヶ原が広がる。男体山の後ろには女峰山等の山々。そして眼下には五色沼が青い湖面の半分ほどが雪と氷に覆われて神秘的に見える。



下山道の大きな残雪を横切る
ゆったりと山頂からの景観と食事を楽しみ、4時30分のロープウエーの最終時刻を気にしながら、五色沼を目指して前白根方面に下山を開始する。下り始めて最初は急なザレ地であったが下山を開始して15分ほどの場所にとても大きな残雪が現れた。これが山頂辺りから山麓ほどまで繋がっている大きな残雪で、その幅は約30メートルほどもあった。先に下山した3人組のパーティーの踏み跡があるため、それの沿って横断したが、とても急な場所での横断で緊張した。ここで足を踏み外したらとても止まれるような角度ではない。
それを過ぎると少しだけ岩場があったが森林限界のすぐ上から全て雪の上を下ることになる。とはいえ白樺の明るい林の中の雪の上を下るのは腰が引けた後形にならなければ、とてもとても歩きやすくまた楽しい一時である。


五色沼下山を開始して35分ほどで避難小屋に着き、そこで五色沼方面に下ると10分程で五色沼に着く。五色沼は半分ほど雪と氷に包まれておりとても神秘的である。そして見あげると先ほどまでいた白根山の山頂が真上に聳えている。五色沼にはカップルの登山者と私たちと一緒に上ってきたて、先に下山した3名の若者たちがいた。

私たちは一足先に湖畔に沿って対岸に向かい弥陀ヶ池方面に向った歩き始める。少し雪の解けた登山道の取り付きあったが樹林の中に入るとルートを示すマークやリボンが殆どない。それにこの場所を歩いたパーティーがなく踏み跡すらない。ルートがわからないという恐怖心は初めての経験で、夫婦左右に広がりながらルートマークを確認するもまったく見つからない。お互いアマチュア無線家で無線機を持っているため、樹林の中で「無線を開け。」と叫びながらルートを探した。そして尾根の小さな道を見つけてほうほうの体で藪をこきながら登ったが、樹林が切れたところでやっとルートに戻ることが出来た。このような雪道の場合、沢スジのルートを直登するのが最善だったのかもしれない。弥陀ヶ池

樹林が切れてやっと戻った弥陀ヶ池へのルートを登りきると少しだけ平坦なルートを歩くことになるが、白根山側の山腹を鹿が歩いていった。そして弥陀が池の手前の樹林を抜けると座禅山の手前に突然池が現れる。

ここが菅沼登山口への分岐点である。ここから座禅山から下山ルートに向う登山道は青空を背景に左右対称の大きなU字型の谷を雪が埋めていた。この登のルートはどこまでも続くような錯覚をしそうである。ところが上から一人の登山者が降りてきて私たちがルートに戻ったことを確信できてとても嬉しかった。

座禅山の登山口を通過して少し下り気味の雪面を歩くとすぐに樹林帯が見えてきて峠の木々の向こうに丸沼高原のロープウエーの乗り場が見えていた。(この下山ルートは昭文社の「山と高原地図13・日光白根山、男体山」にはこの峠から真っ直ぐ下るルートは紹介されておらず、少し北に向って六地蔵に向う場所に合流するルートとして紹介されている。)下山を開始すると無雪期であればじ沢スジの道をジグザグに下山するのであろうが、積雪のためひたすら真っ直ぐ下山していく。途中で妻が足を滑らせ5mほど雪の上を滑ってやっと止まった。

下り始めて20分程で七色平に向う合流点出でた。そしてここから数分ルートマークを頼りに進むと七色平の木道が見えてきた。少しだけ樹林が開け、その奥に避難小屋が建っていた。
地図上ではこの避難小屋から登に際して通過した七色平分岐点まで数分の距離であることは分かるのであるが、雪に埋まった登山道にはルートマークが全く無く、ルーと探しに難渋し、やっとのことでルートに出た。そして大日如来に合流したとき思わず「有難うございました。」と拝んでしまった。
そして、急坂を下り、血の池地獄分岐点に出て、その後、不動岩を過ぎて約15分ほどで丸沼高原登山口に帰ってくることが出来た。
2005年5月21日撮影

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