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Good Journey(よい旅を!)
奥入瀬渓流
「・・しばし木陰に佇みて 耳かたむけよ旅人よ」

奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)は、青森県十和田市十和田湖畔子ノ口(ねのくち)から焼山までの約14kmの奥入瀬川の渓流。渓流沿いには、遊歩道が整備され、渓流沿いにはいくつもの滝が点在し、十和田湖への魚の遡上を阻止しいる魚止めの滝でもある銚子大滝をはじめとして多くの景勝地がある。新緑の時期に訪れたが紅葉の時期は特に美しくであろう。 MAP
奥入瀬渓流上流の流れ
遊歩道の脇にはベンチもある。
奥入瀬渓流の上流地点にある「万両の流れ」。五両の滝、千両岩と合わせて一万一千百五両の景観
銚子大滝
十和田湖への魚の遡上を阻止してきた魚止めの滝
奥入瀬渓谷の賦(佐藤春夫)
銚子大滝のすぐ下に佐藤春夫の詩がある。
じっくり読むと詩人による奥入瀬に対する最高の賛歌である。
このサイトの一番下にこの写真から起した詩の全文を掲載した。
九段の滝
岩が段々になっている。
双白髪の滝
老人のように細く弱々しい細い瀧
1928年(昭和3年)に十和田湖とともに名勝及び天然記念物に、さらに1936年(昭和11年)には十和田国立公園(現:十和田八幡平国立公園)に指定され、1952年(昭和27年)には、特別名勝及び天然記念物に格上げさる。
パンフレットにあった滝や流れは以下の通りです。
万両の流れ 、千両岩、五両の滝、銚子大滝、寒沢の流れ、九段の滝、姉妹の滝、双白髪の滝 、不老の滝 、白糸の滝、玉簾の滝、白絹の滝、岩菅の滝、白銀の流れ、天狗岩、双竜の滝、白布の滝、雲井の滝 、、飛金の流れ、昭和池、九十九島、阿修羅の流れ、馬門岩、屏風岩、石ヶ戸の瀬、三乱の流れ、紫明渓
今回銚子口から不老の滝や白絹の滝まで約2キロほど下った。渓流沿いの新緑の遊歩道はすがすがしく、滝や渓流の美しさに驚きながらあっという間のハイキングであった。できれば紅葉の時期に全コース14kmをじっくりと歩いてみたいものである。
奥入瀬谿谷の賦 佐藤春夫

瀬に鳴り渕に咽びつつ
奥入瀬の水歌うなり
しばし木陰に佇みて
耳かたむけよ旅人よ

うれしからずや谿深み
林のわれを養ふは
水清くして魚住まず
望すぐれて愁(うれい)あり

十和田の湖の波の裔(すえ)
身の清冽を愛(を)しめども
深山(みやま)を出でて野に向ふ
身を現実こそ是非なけれ

友よ谷間の苔清水
歯朶(しだ)の雫よ瀧つ瀬よ
やがて野川に濁るべき
明日の運命(さだめ)は欺かざれ

しばしは此処にいざよひて
さみどり深く閉したる
高山(たかやま)の気を身に染(し)めん
花も楓も多(さわ)なるを

林に藤の大蛇(おろち)あり
谿に桜の鰐朽ちて
何をか求め争うや
わが幻をにくむかな

さもあらばあれ木洩日の
漂う波に光あり
水泡(みなわ)はしろく花を咲き
鶯老いて春長し

もしそれ霜にうつろはば
狭霧のひまの高麗錦(こまにしき)
流れる影も栄えあり
みな一時の夢ながら

わが行く前の十四キロ
ここに歌あり平和あり
また栄あり劣らめや
浮かべる雲のよろこびに

(あまりに素晴らしいので上の写真から起こしてみました。)
この四行九連の詩は詩人佐藤春夫が昭和26年(1951年)にここを訪れたときに詠んだものである。詩人が詠むとこのような素晴らしい詩になるから感激である。 とくに「・・ しばし木陰に佇みて 耳かたむけよ旅人よ」という一文はなるほどとうなずいてしまい、このサイトのサブタイトルに使わせてもらった。
2008年5月25日  撮影 CANON G7

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