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Good Journey(よい旅を!)

北朝鮮工作船展示(船の科学館

平成13年の暮れに我が国を震撼させた北朝鮮工作船との銃撃戦と撃沈事件
平成
13年12月22日22時9分、工作船からの攻撃により巡視船「あまみ」、「きりしま」、「いなさ」が被弾した。巡視船「あまみ」、「いなさ」は正当防衛として工作船に対して射撃(20mm機関砲)を実施した。その後22時13分、同船は自爆用爆発物によると思われる爆発を起こして水深90mの海底に沈没した。この衝撃的な追跡交戦の様子はテレビで目にしてご記憶の方も多いであろう。
平成14年6月21日、工作船引き揚げに関する政府方針の決定を受けて引き揚げ作業に着手。その後台風などで困難な状況になりながらも平成14年9月11日、工作船は263日目に水面にその姿を現した。それが「船の科学館」(MAP)に展示されていたが現在は横浜のレンガ館近くの海上保安資料館 横浜館に保管されている(MAP)。この際工作船からの銃撃を受けて被弾した巡視船「あまみ」の橋頭部などは海猿で知られる広島の海上保安大学校の海上保安資料館に展示されている(広島県呉市若葉町 5-1)。
観音開きの船尾部。工作船の大きさ、性能(船腹の張り紙)
全長29.68m、型幅4.66m
速力33ノット(時速約61km)(推定)
船名 長漁3705
総トン数 44トン
主機関 1000馬力×4機
推進器 3翼固定ピッチプロペラ4基この馬力は、100トンクラスの一般的な漁船の10倍らしい。
日本財団会長:曽野綾子名で船尾部に置かれていた鎮魂花。「2001年12月22日 九州南西海域で沈んだ朝鮮民主主義人民共和国の若者たちに捧げる。」と書かれていた。
観音開きの格納部に収納されていた「子舟」とされる小型漁船様の舟艇で出し入れできる。
この艇は全長11.2m、幅2.5m、全重2.9t、そして驚くことに最高速度は約50ノット(約93km/h)とされる。
他に、この子舟から発進する後掲の水中スクータもあり、いかにもスパイ船である。
主武装の14.5mm連装機関銃「ZPU−2」。
弾帯(149発付)が付いていた。
仰角は大きく取れ対空用にも使える。
工作船のデッキにはこれを操作するレールが設置されている。
右舷船首部を貫通した巡視船の20mm弾貫通痕。この他に船体の各所にこのような弾痕がある。
自爆により船橋部などが無くなった中央部甲板。右上は操舵装置の名残か。
世界中のゲリラ兵に必須の軽量対戦車(対地上)ロケットRPGや、携行型対空ミサイルが積まれていた。
巡視船に追尾された工作船からRPGを巡視船に向けて発射した様子が赤外線映像で放映されていたが、うねりで外れて本当のよかった。もし命中していたなら巡視船の被害は甚大であったろう。
中央の台上の82mmロケット弾無反動砲(ランチャー)の手前はAK−74突撃銃や7.62mm機関銃。実弾や手りゅう弾などもあった。
これだけの武器は警察ではまず扱うことのない破壊力、殺傷力の高い軍隊用の装備で我国では自衛隊でしか見ることの出来ないもの。明らかにテロリストではない正規軍の装備である。
緑色のものは水中スクータ。上記の子舟から発進する。型は古いが007サンダーボルト作戦などの映画に出てくるものと同様である。
日本製のアマチュア無線送受信機
ICOM 430Mh ALL Mood トランシーバーIC-475H

そのほかICOMのIC-R71Eレシーバー、日本製ポケコン、GPS、携帯電話などもあった。
自爆装置
船の甲板部分が丸くなっているのは自爆によるものらしい。
工作船の中から回収された地図
なんと私の故郷の南薩摩枕崎から開聞岳あたりの地図であり頴娃町から枕崎の中間あたり(頴娃町別府の番所鼻のそばのようであった)に上陸地点らしいマークが付けられていた。

この不審船後に北朝鮮の工作船となるが、この銃撃、撃沈事件は私の故郷の沖の東シナ海で起こったため緊張してテレビを見ていた。吹上浜は市川修一さん,増元るみ子さんが拉致された場所である私たちが鹿児島にいた時代に宮崎沖から中国領海まで不審船の追跡事件があったがそのときはその速さに海上保安庁の船が追いつけなかったことを思い出した。
そしてこの船の装備に驚かされる。中に納められていた地図が開聞岳の脇の頴娃町の人目につかない海岸にマークされていたのを見たときにますます怖くなった。彼らの任務は私たちの故郷に上陸することだったのであろうか。それにしても最後は自爆せざるを得ない任務を帯びた男たちの悲劇を思うと悲しくなる。少し前の時代は我が国もそのような国だった。今は横浜に移ってしまったが日本を取り巻く海の現実を知るために是非一度は観ておくべき場所である。

2004年1月30日  撮影 CANON IXY500

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