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==========麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)No.96===========

ゴールデンウィーク目前のメルマガ配信です。みなさん、計画は立てられましたか?

今回は5月2日と6日に休むと、連続10日間の休みになります。我々サラリーマンにとって、この2日の有休申請は勇気が要りますね。

旅行を計画されている方も多いと思います。ちょうど、各地の名花が満開の季節です。

H氏は、昨年の秋に皇居を一周して「都道府県の花」を満喫したようです。その時のレポートを2回に分けて配信します。

========================================  都道府県の花詳細写真

秋田県の花「ふきのとう」皇居の周りは昼休みや休日ともなると多くのジョギングや散歩を楽しむ人で賑わっているが、その皇居の周りの歩道には約100メートル毎に「都道府県の花」のプレートが埋め込まれていることをご存知だろうか。

この「都道府県の花」のプレートを見つけたのは、麹町に赴任してきて千鳥ヶ淵の桜を見に行った帰りのことである。半蔵門の警備詰所脇の歩道に敷かれている和歌山県の花のプレートを発見したのが最初だった。ところがこのプレートが皇居を一周しているものとは知らずにいたが、皇居東御苑を訪ねた時に、秋田県の花「ふきのとう」と山形県・福島県のプレートを見つけたところから、このプレートが皇居を一周(約5キロ)していことに気づき平成16年の秋の日曜日に一回りしてみた。

 

まず東京駅から御幸通りを通り、和田倉噴水公園前の横断歩道を渡るとそこに秋田県の花「ふきのとう」のプレートが敷かれている。この公園は今上天皇のご成婚を記念して昭和36年につくられ、皇太子殿下のご成婚を機に平成7年に再整備された。ライトアップされた噴水が見事であり、夜行くことをお勧めする。

桔梗濠の正面には白壁の美しい巽櫓(桜田二重櫓)がある。濠に沿って皇居を時計と反対周りに歩き始めるとパレスホテルの前に山形県の花「べにばな」そして皇居東御苑入り口の大手門の前に福島県の花「ネモトシャクナゲ」がある。皇居大手門

皇居の東御苑は、江戸城の本丸と大奥、そして二の丸等があった場所で、昭和38年公園として整備開放された(入場無料)。大手門は江戸城の正面玄関に当たり登城する大名や役人は、ここで下馬して歩いて登城した。門外の堀端に下馬札がたっており、付き人達はここで主人の帰りを待ちながら、各藩の情報を交換していた。ここから「下馬評」と言う言葉が生まれたといわれる。

大手門を出て大手濠沿に歩くと東京消防庁の前に埼玉県の花「さくら草」、その角にある和気清麿の銅像(昭和15年11月に建立)のある公園を過ぎると千葉県の花「なのはな」。この公園から平川門までの間に東京都の花「そめいよしの」、平川門を過ぎて神奈川県の花「やまゆり」のプレートがあるはずであるが見つけることができなかった。

江戸時代はここに平川が流れていたことからこの名があり、江戸城の北にあるところから平川門は江戸時代不浄門といわれ、城内で罪人が出たときはこの門が使われた。松の廊下で刃傷事件を起こした浅野匠守、絵島生島事件の大奥年寄役絵島もこの門から出されたという。そして平川門の脇には大きな3個の石を組み合わせた「大田道灌公追慕之碑」がある。大田道灌は徳川家康公が江戸に入府するはるか150年ほども前に江戸の原型を作った人物である。そして何より「七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ哀しき」という古歌の伝承で知られる。

千代田区の花「さくら」

そして竹橋の手前の毎日新聞の正門前に新潟県の花「チューリップ」、そして竹橋の上に都道府県以外で唯一当地千代田区の花「さくら」がある。竹橋は徳川家康公が入府の際、竹で編んだ橋を掛けたことに由来するといわれる。

竹橋から平川濠に沿って上りになるが、この坂を「紀伊国坂」という。説明板には尾張徳川家と紀伊徳川家の屋敷があったことに由来するとある。一方、赤坂の迎賓館と弁慶濠の間にも同名の坂があり、小泉八雲の怪談「むじな」の場所として知られている。

竹橋門と北桔橋(はねばし)門との間に建っている東京近代美術館の前に富山県の花「チューリップ」、北桔橋門そばの国立公文書館の前には、石川県の花「くろゆり」がある。この橋はいざというとき橋を吊り上げて跳ね上げるようになっているところからこの名がある。

北桔橋門の前の通りをまっすぐ北の丸公園に入るとすぐ右側に科学技術館があり突き当たりに日本武道館がある。江戸時代はここに御三卿の田安家と清水家があった。

北桔橋門を過ぎて乾門警備派出所の手前には福井県の花「えちぜんすいせん」、乾門前の首都高速代官町入り口の側には山梨県の花「ふじさくら」がある。

乾門は明治になって作られたもので、天皇陛下が日常に使用しており、一般参賀の際は二重橋で入った参賀者が退出する門の一つでもある。

乾門を過ぎて千鳥ヶ淵に至るまでの代官通りには、乾門わきにまず長野県の花「りんどう」、国立近代美術館工芸館の前に岐阜県の花「れんげそう」、そして代官通り警備詰所の側に静岡県の花「つつじ」、愛知県の花「かきつばた」、千鳥ヶ淵公園を見下ろす皇居側の警備詰所の下に三重県の花「はなしょうぶ」、そして千鳥ヶ淵を繋ぐ土橋の上に滋賀県の花「しゃくなげ」がある。

国立近代美術館工芸館

国立近代美術館工芸館は明治43(1910)年に建てられた近衛師団司令部庁舎を改修したものであり、代官通りから見るこの赤レンガ造りは、霞ヶ関の法務省旧本館と共に重要文化財となっており見事な建物である。

この乾門から番町までの代官通りの千鳥ヶ淵側の高台は、千鳥ヶ淵に咲く桜の花見ポイントのひとつであるが、ここに円柱状のセメントの台があるのをご存知だろうか。桜の季節は手ごろなベンチになり、お弁当乗せて楽しんでおられる方を見かけるが、実はこれは戦時中の高射砲の台跡である。

英国大使館前の千鳥ヶ淵公園を一望することができる皇居と内掘通りを結ぶ千鳥ヶ淵の土橋は江戸時代の切絵図には見当たらず、明治時代になって作られたものである。この橋ができる前は半蔵門から、田安門のある場所まで濠は繋がっていた。現在首都高速が走っているあたりを千鳥の胴体に見たてると千鳥が大きく翼を広げているように見えるところから千鳥ヶ淵の名前があるという。飛行機がない時代の人々の鳥瞰力と共に想像力の豊富さに驚かされる名前である。

内堀通りの信号機を左折するとすぐに京都府の花「しだれ桜」がありて、英国大使館正門前に大阪府の花「うめとさくらそう」、そして千鳥ヶ淵公園の展望台前辺りに兵庫県の花「のじ菊」、福岡県会館の前に奈良県の花「ならやえざくら」そして半蔵門の交差点のそばに和歌山県の花「うめ」がある。
福岡県会館の英国大使館側の植え込みの中には「海獄楼跡」のプレートが立っている。海獄楼は幕末に「息軒文鈔」「息軒遺稿」「大學説」「中庸説」の著書がある*鴻儒「安井息」の私塾である。海獄楼は、明治元年の類焼により焼失した。*「鴻儒」とは
儒学の大家、偉大な学者という意味である。

《次回に続く》

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5月6日が北海道札幌市の、気象庁発表による桜開花予想日です。麹町界隈の方からは今更何言っているの・・・・と言われそうですね。北海道の花見に欠かせないのが、今注目のジンギスカンです。ちょうどゴールデンウィークの最後になるので、花見は桜の花とラム肉の焼ける匂いが充満して大変なことになるでしょう。

 

一方、H氏のHPでは麹町界隈の桜の取材も無事終了したようです。今年の編集後記です。

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編集後記 41日に撮影を開始した麹町界隈の桜の紹介は国立劇場と憲政記念館前庭の桜がメインになりました。とはいえ、千鳥ヶ淵の桜は決して忘れたわけではなく、千鳥ヶ淵の桜が最高の状態になるまで我慢して、49日に最高の桜を楽しみました。特に飛島建設10階からの桜は見事でした。
今年は憲政記念館の気になっていた珍しい桜の紹介に注力しました。麹町5丁目から国会議事堂前まではお昼休みに有楽町線麹町駅から地下鉄に乗り一駅で永田町に着きそして急ぎ足で憲政記念館に行きそこで写真を撮って再び地下鉄で麹町に帰ってきました。毎回、サンドイッチとおにぎりでした。
それにしても憲政祈念館前庭には珍しい桜がたくさんありました。「一葉」や「うこん」、「普賢象」、「白妙」、「楊貴妃」などでした。特に楊貴妃は皇居が一望できる場所に咲いているとても綺麗な八重桜でした。
千鳥ヶ淵の桜が散った後には憲政祈念館前の庭に珍しい桜が咲きますので来年以降お楽しみください。
アウトドアマンを自称する麹町ウぉーカーは花粉症で、2月から4月までは引きこもりになってしまうのですが、麹町界隈の桜の魅力には勝てず、歩き回りました。とても大変な取材でしたがとても楽しい桜の季節でした。(麹町遊歩人)2005.4.22

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画像は下記HPでお楽しみください。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

(大)

平成17年4月24日配信


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