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=======麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)No.94========

慌しく一週間が過ぎて行きます。先週は福岡県の地震に始まり、ずっ〜とニッポン放送の経営権に纏わるニュースが流れています。NHKの受信料未払いの事も含めて放送業界の地殻変動が始まっているように思えてなりません。その他、サッカーのワールドカップの試合(日本は惜敗!)、甲子園では高校野球開幕(北海道代表苫小牧駒沢付属が夏冬連覇に向けて初陣を勝利!)、名古屋万博開幕など、内身の濃い一週間でした。土日に放送する週間ワイド番組は情報てんこ盛状態でしたね。

今日3月27日は(財)日本さくらの会が1922(平成4)年に制定した「サクラの日」です。この日の制定は、日本の歴史や文化、風土と深く関わってきた桜を通して、日本の自然や文化について関心を深めてもらうことを目的にしています。日本さくらの会は学校への作植樹などを行っているとのことです。

(財)日本さくらの会のホームページです。http://www.sakuranokai.or.jp/index.html

さくらの会では毎年4月上旬、東京・国会議事堂前「憲政記念館」において、全国の桜関係者、会員が参加し、さくら祭り中央大会を開催しているそうです。

今回は、この憲政会館を2回にわたってH氏が紹介します。

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憲政記念館

麹町ウぉーカー89号で国会議事堂前の憲政記念館前の庭にある「日本水準原点」を紹介したが、今回はその憲政記念館を紹介しよう(千代田区永田町1-1-1)。

憲政記念館は昭和45年に我が国の議会制度開設80年を記念し、また議会制民主主義について一般の認識を深めることを目的として昭和47年3月に開館した衆議院議院の施設である。この施設について50歳以上の方は「尾崎行雄記念館」と呼ぶ方が多い。衆議院議員として当選25回60年7ヶ月在任し、昭和35年に衆議院から憲政功労者として表彰された尾崎行雄を記念して建設された建物を、昭和45年に吸収して現在の憲政記念館が完成したのである。それを象徴するかのように、憲政記念館の入り口正面にある池の中には尾崎行雄の銅像が建っている。憲政記念館2階展示室

受付で入館手続きを済ませて中に入ると、受付の正面が「尾崎行雄メモリアルホール」となっている。中央ホールから2階に登ると、吹き抜けになっている2階のホールの壁に歴代衆議院議長の肖像画が架けられている。なんと初代議長は土佐藩士の中島信行であった。中島信行という名前を聞いてピンと来る人は少ないと思う。麹町ウぉーカーが以前会津若松市に赴任したときに知った人物である。会津戦争での一番の悲劇と言われている家老西郷頼母(たのも)の妻女21名が自害した時に、死に切れずにいた者から「敵や味方か」と問われ「味方だ」と答えて介錯をした武士である。会津若松市東山の武家屋敷にあるこの模様を再現した人形を目にされた方もおられると思うが、その東軍(政府軍)の武士が中島信行である。私のHP「会津見て歩記」(http://homer.pro.tok2.com/sub2(aizutop).htm)を参照願いたい。

2階に上がると、まず幕末から明治維新、そして現在までの憲政の歴史を100インチハイビジョン映像で見る「憲政史シアター」がある。初代議長中島信行(映り込みがあり申し訳ありません。)会津戦争のとき西郷頼母の母子を介錯したサムライである)

「憲政の歩みコーナー」では、幕末・明治維新から帝国議会を経て現在の国会に至るまでの歩みが文献と写真で紹介されている。壁には政治家の書とともに板垣退助や大久保利通、伊藤博文などの肖像画もかけられている。

慶応、明治のコーナーの年表には、まず「1887年慶応3年6月坂本竜馬公義政体構想(船中八策)を立案」に始まり、「同年10月14日徳川慶喜、大政奉還」、「同年12月9日、王政復古の大号令」・・と続く。歴史の教科書で見た事のある錦絵が展示されており、その下のガラスケースの中に収められている資料の最初は、坂本竜馬の船中八策に基づいて土佐藩主山内容堂公が作成し15代将軍徳川慶喜公に提出した「土佐藩大政奉還建白書」である。そして板垣退助の「民選議院設立建白書」草案があり、西郷隆盛が描かれている「征韓論之図」、「大日本帝国憲法」の官報がある。坂本竜馬の船中八策がわが国の憲政史の原点であるというところが愉快である。

征韓論の錦絵

そのほか、「足尾鉱毒事件の田中正造の上訴文」、「婦人参政権に関する建議案」、東京駅で暗殺された浜口雄幸首相の書状、美濃部達吉の「天皇機関説」に関する論文とその紛議の様子、2・26事件の大臣告示と「兵に告ぐ」のチラシがある。そして戦後のコーナーでは極東軍事裁判の速記録と法廷のスケッチにはじまり、現行憲法制定に関するダレス書簡や憲法9条に関する資料、日米安全保障条約に関するデモ・日比谷公会堂で浅沼委員長の刺殺の写真など、私たちが社会の教科書で教わった明治以降の我が国の主だった政治史が紹介されており興味深いコーナーである

そして展示コーナーの一番奥にはレーザーデスクで憲政史を紹介するコーナーと、帝国議会第一次仮議事堂に初登院する様子や議長選挙の様子などを、立体ビジョンで見ることができる。

そのまま1階に下りると「議事堂体験コーナー」がある。議会開会のベルが鳴り案内のアナウンスが流れて、参観者が演壇からおりると、画面に議長の発言や総理の演説が映し出されるのである。なかなか面白いスペースである。ここで注目して欲しいのは正面に向って右側の壁である。ここには何故か国会議事堂の報道関係席の壁にあるという士農工商をシンボライズしたレリーフが彫られている。

議事堂の様子を再現したスペース

議場体験コーナーを出ると、国会議員のバッジの変遷が紹介されており、その脇に国会議員の登院プレートがある。赤いプレートを登院すると裏返して黒のプレートにするのだという。

そして、庭側の壁には片山哲、犬養毅など6名の写真がかけられ、彼らの演説を聞くことができる受話器がある。出口のそばにはパソコンがあり国会の仕組みや世界の議会を紹介するようになっており、さまざまな博物館などのホームページが検索できるサービスがおこなわれている。《次号へ続く》

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憲政記念館のHPです

http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/kensei/kensei.htm

 

H氏のHPもだんだん拡張してかなり重くなってきたようですよ。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

 

(大)

平成17年3月27日配信


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