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=======麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)No.91========

「中尊寺ゆつこ」さんが亡くなったと、ニュースで聴きました。名前だけでは、どんな方なのか思い浮かばなかったのですが「オヤジギャル」の生みの親と聞いてピンときました。駅の立喰いソバを食べ、電車の中ではスポーツ紙を広げ、株を売り買いし、疲れたらユンケル黄帝液を飲む。我々オジサン族の密かな楽しみを、漫画「スイートスポット」に登場する若い女性が次々と暴いていった作品で、流行語大賞も受賞し一躍有名になった漫画家でしたね。

現実の社会でも、漫画のように女性の「オヤジ」化現象は珍しいものでなくなってきました。どこにでもいる「オヤジギャル」・・・・・間違い無い!!麹町ウぉーカー編集部の密かな楽しみの場、立ち飲み「鈴傳」にもオヤジギャルみたいな若い女性が日本酒を飲んでいるんです・・・・・。オジサン達の聖域も無くなりつつあるのでしょうか。

今回は、オヤジギャルも出現するようになった、立ち飲み「鈴傳」のレポートです。

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四ッ谷「鈴傳」(地酒鈴傳と書かれた白い看板の下が立ち飲みスペースの入り口)

麹町ウぉーカー号で麹町界隈のワインショップを紹介したときに一番町の相模屋酒店と麹町6丁目の「酒の坂口」の2階がスタンドバーになっていることを紹介したが、今回は本当の意味での立ち飲み屋を紹介しよう。

JR四ツ谷駅前の外堀通りと新宿通りの交差点にある、高千穂交易株式会社と四谷学院の間の路地を入った突き当たりに、江戸の末期に創業したという日本酒専門店「鈴傳」(新宿区四谷1-10) がある。「とんかつの三金」の前を新宿方面に進み最初の路地を入ってもいい。(虎ノ門にも、この店が経営するとても流行っている居酒屋があり、麹町に勤務する前に数回行ったことがあった:港区虎ノ門1-2-15)

店の正面には「鈴傳」いう看板と共に「キンシ正宗」「日本盛」、「白鷹」「櫻正宗」等の額がある。中に入ると狭い店内には日本中の清酒や沖縄の珍しいお酒が所狭しと並べられている。店の中央にはご主人の地酒に対する思いを、「Good wine needs no bush」(よい酒に看板はいらない)と言う言葉で表している。「よい酒には能書きはいらない」という意味であるという。

レジの前から自由に地下室に下れるようになっており、そこは日本酒のカーバになっている。それ程広いスペースではないが並べられた棚に日本中の清酒が並べられている。

それにつけてもここには日本中の地酒が揃っている。北は北海道から南は沖縄の泡盛までこの店のご主人が集めたお勧め品ばかり、地酒通にとっては周知の銘柄が多いのかもしれないがなかなか珍しい銘柄が揃っている

鈴傳の地下の地酒のカーバ

店の左奥は立ち飲みのスペースになっている。1949年に立ち飲みを始めたのはといわれる、立ち飲み屋としては東京でもとても有名な店の一つである。脇の入口を入ると細長い地酒のラベルが貼られている壁際に小さなテーブルが並んでいるが奥に行くと少し広くなっている。通路にあるテーブルは二人が向かい合って立って飲むようになっており、鉄パイプの背もたれが付けられている。狭い通路を入ると右側にはカウンターがありケースには肴が並んでいる。カウンターのケースの右端が少し開いておりそこに一人ずつ並んでお酒と肴を注文するのであるが全てキャッシュデリバリーである。

酒は「久保田・百寿」「立山」「夜明け前」「出羽桜」等地方の推奨銘柄の地酒が20種類ほどである。一杯350円から600円ほどまでである。皿に置かれたコップになみなみと受け皿にあふれるほど注がれる。注文した酒のビンが空になると地下のカーバから持ってきてすぐに注いでくれる。肴のタコの刺身や魚の煮付けやおしんこ、ニシンの醤油漬け、トマトなどは一品300円ほどでとても家庭的な味である。コップ酒と肴を手にテーブルに戻り口にするのであるが、これが又美味い。そしてコップから皿にあふれた酒を飲み干してしまう。まことに酒飲みを絵に描いたような姿に我ながら苦笑いをする。そして立ち飲みには長居は禁物と思いつつも、ついつい違う酒を求めてしまう。

何時行っても混んでおりタバコの煙でかすむ決して綺麗な場所ではないが、なかなか風情のある場所である。立ち飲みというと常連の酒飲みがたむろして、一見(いちげん)には入りにくいというイメージがあるかと思われるが決してそのようなことは無い。このような立ち飲みスペースはいわゆる中高年のオジサンさん達の場所かと思いきや、何時行っても若い女性のグループもいるから驚く。

この立ち飲みは、コップ酒に小さな皿に盛られた肴を当てに飲むのであるから、居酒屋のようにうだうだと飲むのは本道ではなく長居はご法度である。立って飲むのは座って飲むのと違い酔いが回るのは早いようである。ちょっと一杯、それも拘りの地酒を楽しむ。これは、粋な大人の楽しみだと思うがいかがであろうか。

 

【定休日】土曜日・日曜日・祝日 【営業時間】午後5:00〜9:00  

参考 店の前に架かっている「百酒 百味 百酔 専門家が選ぶ地酒」看板の写真

北海道 北海男山

青森 田酒 豊盃

岩手 七福神 南部美人

秋田 刈穂 天の戸 白瀑 飛良泉 

宮城 綿屋 一の蔵 墨廻江 日高見 浦霞 伯楽星

山形 十四代 東北泉 出羽桜 上喜元 鯉川 くどき上手

福島 飛露喜 大七

新潟 八海山 久保田 越乃景虎 北雪 根知男山 月不見の池 麒麟山

茨城 府中誉 武勇 郷乃誉

群馬 群馬泉

埼玉 琵琶のさざ浪 神亀

千葉 腰古井 木戸泉

東京 喜正 澤乃井

山梨 七賢 春のうてん

神奈川 丹沢山

長野 天法 夜明け前 七笑 舞姫 真澄

富山 立山 満寿泉 成正

石川 菊姫 天狗舞 手取川 黒帯

福井 獅子の里 黒龍 常山 

静岡 正雪 初亀 開運 臥龍梅  英君

愛知 醸し人九平次

三重 作 るみ子の酒 瀧自慢

岐阜 三千盛

滋賀 後家ごろし 喜楽長 琵琶の長寿

京都 月の桂

奈良 春鹿

和歌山 黒牛 雑賀

兵庫 龍力 小鼓 奥播磨

鳥取 鷹勇 日置桜 諏訪泉 

岡山 正義櫻

広島 富久長 天宝一 賀茂鶴

島根 李白 天界 扶桑鶴

山口 東洋美人 獺祭 五橋

香川 綾菊 金陵 

高知 司牡丹 南 亀泉 土佐鶴 酔鯨 土佐しらぎく

愛媛 梅錦

福岡 繁枡 三井の寿 喜多屋

大分 鷹来屋 老松 西の関 耶麻美人

佐賀 七田

熊本 香露 美少年 武者返し

宮崎 川越 ひとり歩き

鹿児島 富乃宝山 黒糖朝日

 

最後にちょっと一杯というわけには行かないのだがこの近所にある超一級品の日本酒が飲める店を紹介しよう。 

この店の場所は少し複雑なのであるが、新宿通りを四谷三丁目方面に歩き、「鯛焼きの若葉」に入る路地のひとつ先にあるリンガーハットの角を左折、すぐに右折してさらに左折した角にある。又は反対側の文化放送と小学校の間の路地を直進するとその突き当たりにある。ちょうど、新宿通りにある新菱冷熱工業株式会社のビルの裏辺りにあたる場所である。(〒160-0011 東京都新宿区若葉1-9)傳魚坊(新宿区若葉1−9)

中に入ると細長い店内で左側に一列に席があり、右側にカウンターがある。そして奥が座敷になっている。ここはいろんな本などでも紹介されている「傳魚坊」という日本中の拘りの日本酒をオーナーが捜し求めて飲ませてくれる店である。オーナーブランドのお酒まである吟醸酒においてはカリスマ的な店である。

麹町ウぉーカーが、はじめて文化放送に行った帰りに見つけたのであるが、最初は「なぜ傳魚坊がここにあるの?」という疑問からであった。というのもこの店は以前、南池袋の首都高速五号線のガード下(有楽町線東池袋駅上)にあった。もうかれこれ25年程前になるのだが結婚して最初に住んだ場所が南池袋の雑司が谷霊園の隣で、この傳魚坊がすぐそばにあった。そのころからとても美味しいい日本酒を飲ませる有名な店であった。そのころ金は無かったが、いつも通る道すがらの店であり妻と共に2・3度行ったことがあった。まだ二十代半ばであったが、夫婦で初めて知る日本酒の美味しさにビックリしたことを覚えている。

そして妻に「傳魚坊が四谷にあり、行ってきた。」という話をしたら「よくそんなお金があったのね。あそこはとても美味しいけど、高いのよね。それになにより自分で注文できないし。」と懐かしそうに言葉を返ってきた。妻の最後に言った「自分で注文できない。」というくだりは多少解説がいる。

初めて入った方はかなり面食らうであろう。一見ではいると酒も料理も自分で注文することができない(というよりしにくい)。よほど通でもない限りその時期、旬に応じたお勧めのお酒をオーナーにお任せということになる。従って、酒も肴も拘りの講釈付で頂くことになる。しかしそのお酒も旬の魚を使った料理などどれも一品である。従って、値段もそれなりにする。現在では究極の日本酒といわれる「真精大吟醸の店」を標榜しており、この真精大吟醸などは1杯が1800円から3000円ほどもするため少し飲むと大きなお札が飛んでしまう。

妻が言った「・・・・それになにより自分で注文できないし・・。」は以上のような意味である。しかし、あれから四半世紀ますます美味しい酒が増えていたことは間違いない。

この店は「鈴傳」とは正反対に身構えと薀蓄とそれにお金がかかる店である。しかし経験したことが無いような美味しいお酒に巡り合えることは事実である。

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今月に入り映画を二本観ました。「オーシャンズ12」「北の零年」です。ワーナーマイカルに行ったのですが、中に入ると中年と思われる同年代のご夫婦が多いのにビックリです。わたしも利用したのですが、夫婦でどちらかが50歳超えていれば、曜日・時間帯に関係なく二人2000円でチケットが購入できるのです。お得な「夫婦50割引」です。このせいだけでは無いでしょうが、同年代の方が多い映画鑑賞となりました。

北海道在住の編集担当が推薦する「北の零年」のHPです。

http://www.kitano-zeronen.jp/

 

さて、北海道は最高気温が氷点下の中で「札幌雪祭り」が最終日を迎えています。今年は厳寒の中での開催となっています。昨日、雪祭り大通り会場を訪れてみました。とにかく、観光客が多いのに驚きました。それも、言葉や顔つきからすると、アジア系の方が多いような気がしました。皆さん頭からつま先までスキー場と同じような完全武装をして楽しんでいましたよ。でも全体にコマーシャルベースが先行していて、雪像以上に広告が目についたように思ったのですが。

13日が最終日でしたが、札幌雪祭りのHPです。

http://www.snowfes.com/

 

H氏のHPでは、このメルマガの画像もアップされます。お楽しみください。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

(大)

 

平成17年1月30日配信


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