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=========麹町ウォーカー(麹町遊歩人)NO61=============

今年最後の麹町ウォーカー配信となりました。

師走真っ只中、クリスマス・年末年始を間近に忙しい日々をお過ごしのことと思います。

テレビの番組も今年一年を振返る内容が多くなってきて、益々忙しない気持ちにさせられます。

さて、麹町ウォーカーの今年の重大ニュース!です。

何と言ってもトップは、『発刊2周年を迎えた』ことです。正直、これだけ麹町に話題が隠れているとは思ってもいませんでした。昼休みに、たまたまスタートとしたH氏とのメルマガ発刊でしたが、H氏の拘りが次々とテーマを展開していっています。

昼休みの時間に、デジカメを腰に麹町を取材と称して歩き回っているサラリーマンを見かけたら、それが麹町ウォーカー(麹町遊歩人)専属ライターH氏です。

その他にも、読者数が200名を始めて超えたこと、H氏のHPが千代田区を中心とした「江戸開府400年記念事業実行委員会」の公式事業サイト「江戸ネッット」にリンクされたこと、などメルマガ編集室内でもいろいろな話題がありました。

あと2週間、気持ち良く今年を締めたいですね。

今回のH氏の拘りは、JR四ッ谷駅を利用していて何気なく毎日通り過ぎている「スクワール麹町」(私はビル名も知りませんでした)の話題です。

====================================四ッ谷駅前の「スクワール麹町」

JR四ッ谷駅を出て麹町口に出ると正面に7階建ての「スクワール麹町」がある。

この建物は披露宴や祝賀会等のパーティーや会議室、そして宿泊施設に喫茶、レストラン、ラウンジまで備えた施設である。

毎日この前を通りながら通勤していても、なかなか利用する機会がなかったが、ただこの建物の屋上にある大きなアンテナだけが気になっていた。

中に入ると1階に「コーヒーハウスフローラル」があり、フロントの脇に町火消しの纏(まとい)が立ててある。フロントの正面には東京消防庁のマスコット「キュータ」飾られたガラスのケースに東京消防庁のキャラクターグッズが並べられておりこのフロントで買うことが出来る。

2階はレストラン「アピアン」であり3階から6階が会議室、宴会場になっており最上階の7階はバーラウンジ「サブニール」である。そしてこれらの施設の利用料金やレストラン等の料金もこの辺りにしてはとてもリーズナブルである。

ところでこの「スクワール麹町」のロビーに東京消防庁(TFD)のキャラクターグッズや纏が置かれている理由であるが、実はここは「財団法人東京消防協会」が運営する施設なのである。

この団体は歴史も古く関東大震災の翌年1924年(大正13年)に官設消防の職員と市部消防組員の相互扶助を目的に東京府消防協会が設立された。戦中の昭和18年に民法第34条に基づく財団法人帝都消防協会なり、戦後23年に自治体消防制度発足に伴い、財団法人東京消防協会に改称し現在に至っている。その相互扶助の一環としてこの「スクワール麹町」は運営されている。

もともとこの場所には麹町消防署があり、江戸時代は尾張徳川家付家老で犬山城主成瀬隼人正の屋敷があった。付家老とは江戸幕府がその親藩たる三家三卿を政治上監督するために、それらに対して特に設置した直接任命の家老職である。従って家老とはいっても35000石の大名である。

以前ここにあった消防署は半蔵門の福岡会館裏にある麹町消防署(麹町一丁目12番地)である。昔の四ツ谷を知る人達は四谷駅前に消防署があったと必ず口にする。ところがこの麹町消防署の移転には、近隣から「何故ここに消防署をつくるのか」と反対運動が起きたらしい。そこで麹町消防署には出動回数の多い「麹町A」(消防用語で「救急隊」、「救急車」のことらしい)を配備しないことで決着したという。従って麹町消防署には「麹町A」すなわち救急車が配備されていないのだという。救急車の配備されない消防署という決着は妙な話しなのであるが、麹町番町地区の救急は九段消防署が管轄するのだという。

ところがこの麹町消防署の建物には東京消防庁の誇る日比谷公園の金曜コンサート等で知られる「東京消防庁音楽隊」がある。

スクワール麹町の屋上にあるアマチュア無線のアンテナ

東京消防庁音楽隊は自治体消防が発足した昭和23年の翌年昭和24年7月16日、防火防災思想の普及と敗戦の痛手から首都東京の再建に励む都民の士気高揚に貢献するため、旧海軍軍楽隊のメンバーを主体に、23名で東京消防庁音楽隊が発足したという。 

ところで、東京消防庁音楽隊の金曜コンサートは4月から7月、9月から10月までの毎週金曜日午後12時から13時まで、日比谷公園・小音楽堂で行われている。

ところで麹町に赴任してきて毎朝通勤のときに四ツ谷駅を出てこのスクワール麹町ビルを見上げては屋上にある大きなアンテナが気になっていた。このアンテナは麹町番町界隈ではかなり大きなアマチュア無線の設備で「いずこの団体のシャック(無線室・無線設備)があるのだろう。」と思っていた。

時計の上が纏の「ばらん」になっている2003年の夏、尾瀬からの帰りに会津桧枝岐村で車に積んだ短波(7メガ)の無線機で「CQ CQ こちらはJI1YUA 東京消防庁アマチュア無線部会です。・・QTH(所在地)は千代田区麹町です。」と呼んでいるのを聞いた。JARL(日本アマチュア無線連盟)のコールブック(会員名簿)を調べてみると「JI1YUA」のコールはこのスクワール麹町ビルを常置場所とする「東京消防庁アマチュア無線部会」だったのである。そこで今回のテーマになった次第である。

ところでJR四ッ谷駅を利用して麹町方面に向かう人たちは毎日、スクワール麹町ビルの角に掛かっている大きな時計を見ながら会社へ急いでいると思う。この時計の上部のデザインは纏(まとい) の周囲に垂れ下がっている、革・紙などを細長く切った馬簾(ばれん)になっているのに気づいておられたであろうか。この建物が消防関係の建物であることをさりげなく物語っているのである。

また享保3年1718年に大岡越前守忠相が作ったとされる町火消は「や組」がこの麹町地区を担当していたという。

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11月に、上野鈴本演芸場から火事が出ました。

現在、休業が続いていますが、新春の初笑い興行も予定が立っていないようです。

新宿末広亭・池袋演芸場そして上野鈴本演芸場を巡るのが、私の正月の恒例行事だったのですが残念です。

 

麹町をスクワール麹町の纏(まとい)の時計が、火事から守ってくれているのでしょうか。

「スクワール麹町」のHPにもリンクしている「財団法人東京消防協会」のHPです。

http://www.tfwa.jp/

 

H氏のHPには、スクワール麹町の纏(まとい)の写真が掲載されていますよ。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

 

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http://www.mag2.com/m/0000073086.htm

(大)


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