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===========麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)NO.101========

久々のメルマガ配信です。

連日連夜の猛暑が続いているのは東京麹町だけではありません。ここ北海道でも例年に無く湿度の高い蒸し暑い日が続いています。涼を求めて北海道へ来られる方が急に増えるのもこの時期です。
この暑い時期に、上野動物園の入場者を上回った動物園が、北海道旭川市の旭山動物園です。札幌から高速道路でおよそ1時間半。行ってきました。その時のミニ(観に)レポートです。

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いい歳した大人が動物園なんて・・・・・。見事にこの思いは裏切られた。
正門ではなく西門から入場したのだが、最初に「オラウンターン」の檻の前に立つ。檻には囲まれているのだが、中に鉄塔が空に向けて建っていて、そこにオラウンターンの家族(3匹)が悠々と鎮座しているである。オシッコがかかるので注意と言う看板があるのも頷ける程、目前の距離で観ることができる。食事を取りに隣の檻まで架かっている鉄柱を渡っていく姿は、なかなか迫力がある。

結構間近に見せているんだと感心しながら、今度は白熊館へ。入り口から階段で下に降りる順路になっていて、降りたところがガラス張りの水槽の前である。何か白い大きな生物が水中を・・・・・・。白熊が餌を取りに潜っている姿を真正面にすることとなった。「すげぇ〜!」という近くにいた子供の声がすべてである。

次に、よくテレビで紹介されるアザラシのガラス張り水柱トンネル潜りを見て、ペンギン館へ。今度はどうかな?という期待感が自然と湧いてくる。入り口から水中トンネルを歩いていくのだが、ペンギンの水中での様子を下から眺めると言うのも一種の浮遊感があり不思議な感覚であった。水槽の間近に手で触れられるような近さでペンギンを見ることが出来る。何よりも彼らがこんなに速く躍動的に泳ぐ姿に驚いた。物凄いスピードで跳躍し、水槽の壁間近で減速せずにそのまま急ターンである。映画の「皇帝ペンギン」の映像が頭に浮かぶ。

見せ方(魅せ方)に凄く工夫をしていて、ただ遠くから見て廻る動物園ではないということを痛感し、観客増員に納得する結果となった。(平成17年7月某日)

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12日からは、夜9時まで開園しているそうですよ。旭山動物園のHPです。

http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/asahiyamazoo/sc02.html

各地で、涼を求めて夏の花火が盛んですが、静かに眺める都会の夜景もいいものです。夜景と言えば・・・・・・北海道では函館山から眺める夜景ですね。でも、札幌の夜景も棄てたものではありませんよ。藻岩山頂上の展望台・札幌JRタワー展望台・札幌旭山公園からの夜景が地元では有名ですが、麹町遊歩人はちょっとお洒落に・・・・・。札幌近郊の藻岩山中腹にある喫茶店「HIGH GROWN CAFE」から札幌の夜景を眺めながら美味しい珈琲を頂きました。宮越屋珈琲のお店なのですが、ボックス席が6席しかなく、食器やオーディオにも凝っており若いオーナーのグッドな趣味の世界が堪能できます。但し、藻岩山麓通りから急な坂を登らなくてはなりません。車で行くしかない場所に建っているのも、こころ憎い演出に思えてしまいます。さて、今回から3回連続でメルマガ麹町ウぉーカーは、麹町近辺の坂に纏わる話題を特集します。坂の途中で、小粋な喫茶店を見つけてホッと一息・・・・・いかがですか。

<紀尾井町界隈>

 

紀尾井坂  MAP

この坂は赤坂プリンスホテルあたりに紀州徳川家、ホテルニューオオタニの場所に彦根藩井伊家、そして紀尾井ホールから上智大学のあたりに尾張徳川家の中屋敷があったところからその一文字ずつを取って「紀尾井町」となり、そこから食違見附に登る坂が紀尾井坂と呼ばれていたということはよく知られている。

現在、交差点の角にある「ブルガリ(BVLGARI)東京店」の前から見ると、思ったより急な坂で、途中にホテルニューオオタニの「アーケード紀尾井坂」への入り口がある。そのまま登るとニューオオタニの正面玄関入り口である。そこに立派なガス燈が有り、夜になるとガスの温かい明かりをともしている。

反対側の歩道の角は上智大学の施設の一部(上智紀尾井坂ビル)であり、そしてカトリックメリノール宣教会、さらにハウス食品株式会社東京本社、紀尾井ホール、食違見附と続く。この右側の歩道に立つ街路灯の光センサーのカバーはカブトムシやてんとう虫であることは以前紹介した。

 

紀伊国坂 MAP

紀伊国坂は食違見附を出た場所で赤坂見附から弁慶濠沿いに迎賓館方面に登る坂である。この坂は迎賓館に登る坂であり、迎賓館の場所は江戸時代紀州徳川家の中屋敷があったことからこのこの名前がある。

ところで同じ名前の坂が竹橋から国立近代美術館・国立公文書館の前を、北桔橋門(きたはねばしもん)前あたりまで上る坂にある。この坂はいわゆる「振袖火事」として知られている明暦の大火がおこるまではこの辺りに紀伊と尾張の屋敷があり、両邸は明暦3(1657)の大火で焼失し、尾張邸は市ヶ谷に、紀伊邸は赤坂に移ったのだという。

紀伊国坂と紀尾井坂は小泉八雲の「怪談」の中にある「のっぺらぼう」の話の舞台であることは麹町ウぉーカー2号で紹介している。

 

清水谷坂 MAP

この坂は紀尾井坂と清水谷通りが合流する交差点から麹町四丁目、紀尾井町ビル、平河町方面に登る坂である。坂の上に向かって左側にはまずドトールコーヒーやコンビニのある秀和紀尾井坂TBRビルがあり、その隣にとても大きな参議院麹町議院宿舎がある。坂の右側には私たちテレビや映画でよく目にする作品を手がけている株式会社映広の本社ビルがあり、その隣には玄関のツバメのアーチが可愛い南部ビルディング等がある。その並びに、戦前「行政裁判所」があった紀尾井ビルがありその隣が文芸春秋社の建物である。紀尾井ビルの角にある「ラウンジ春秋館」のビルには、日本民間放送連盟が入っている。

 

諏訪坂(達磨坂) MAP

参議院議長公邸前から都道府県会館とプリンスホテルのプールの間を麹町方面に上る坂である。この坂の由来についてはここに諏訪氏の屋敷があったといわれているが、別名「達磨坂」とも呼ばれている。これは江戸時代ここにあった紀州徳川家の屋敷の門に達磨の形をした木目があったところから呼ばれるようになったという。

この坂の左が側はプリンスホテルでそこにBakery Shop「ブーランジュリーアカサカ」がある。そして赤坂プリンスホテル別館とプリンスホテル旧館がある。この旧館が旧宮家のものであることと、別館の入り口にプリンスホテルが現在のマークを使うまで使用していた旧宮家の菊のご紋があることは紹介した。(麹町ウぉーカー49号)

都道府県会館の角を右折すると突き当たりが砂防会館である。その途中の旅館会館に陳健一氏の「赤坂四川飯店」がある。

 

富士見坂 MAP

永田町二丁目の参議院議長公邸、衆議院議長公邸の北側を赤坂見附に下る坂である。

江戸時代は赤坂見附門のあった場所で、現在でも門の石垣の跡が残っている。『江戸鹿子』には「赤坂松平出羽守の屋舗の前なり、空はれたる折は、遥かに富士山見ゆ、よってしかいふ。」とあるそうであるが、「富士見坂」という名称は東京では多い坂の名前である。江戸時代晴れた日には何処の町から富士山が見えたのであろう。富士山の浅間信仰が盛んであった江戸の人々は町々の富士山が綺麗に見える坂に富士見坂という名前がついている。

参議院議長公邸の旧永田町小学校側の門の角には「華族女学校」の碑が建っている。

 

<平河町、隼町界隈の坂>

貝坂 MAP

麹町三丁目の食料会館と昭文社とのあるブロックの間の路地を平河町方面に2区画入るとその筋がFM東京アベニューと呼ばれるとおりである。その平河町一丁目3番地と4番地の間を北から南へ下る坂が貝坂である。

坂の名の由来については甲州街道の一里塚があったので土地の人が「甲斐坂」と呼んだとか、貝塚があったことから名付けられたという説がある。もともと半蔵門外一帯を古い地名では貝塚と呼んでいたことがあるようで、後者が有力のようである。

貝坂は蛮社の獄で死んだ高野長英の私塾「大機堂学塾」のあった場所である(麹町ウぉーカー46)。このプレートの架かる壁の二階から飛び出たように作られた箱の中には不動明王が納められている。

 

三宅坂 MAP

内掘通りを桜田門から国会議事堂前を通って最高裁判所の前を左折して国道246号線を渋谷方面に分かれるあたりが「三宅坂」と呼ばれる。

半蔵門外から、国立劇場前を桜田堀に沿って警視庁わき辺りまで下る坂である。このあたりは首都高速が交錯しておりなかなかの難所(?)であり、ラジオの交通情報では渋滞の場合必ず「三宅坂を先頭に・・・キロメートル・・」などと使われるため東京で最も知られた坂の一つであり、麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)お勧めの景勝の地である。

江戸時代ここに田原藩三宅備前守(愛知県田原市)の上屋敷があったことからこの名前があることはよく知られている。現在、交叉点の最高裁側が「三宅坂小公園」となっており、そこに蛮社の獄で自害した「渡辺崋山誕生の地」という案内板が立っている。

そこにある女性の像は日本電報通信社が創立50周年を記念して1950年(昭和25年)71日に広告記念像「平和女人像」を建てたものである。戦前はこのあたりは陸軍省の他の諸施設が並んでおり、「三宅坂」と言うと「参謀本部」を意味する言葉だったという。

筋向いは社会民主党本部でありそのとなりが国立国会図書館である。最高裁判所の隼町信号機の角に民主党本部があり、さらに坂を上り全国町村会館の裏に自民党本部がある。

三宅坂の角にある社会文化会館(社会民主党本部)の屋上では養蜂が行われているとのことである。皇居や皇居の周辺にはユリノキや桜の木、さらにお濠の菜の花など多くの花が咲くため蜂蜜が取れるのだという。これは盛岡に本拠を置く養蜂業者の「藤原養蜂場・皇居前支場」とされており、向かいにある日本青年会議所のビルでも蜂箱を置き始めたと聞いた。これはもともと自民党本部に置く予定だったらしいが、テロの関係で置けなくなり社民党本部に落ち着いたのだという。 (次号に続く)

101号が配信され、編集室一同気持を新にして、H氏は麹町近郊を編集担当は北海道、拘りをもって取材を続けます。麹町と北海道札幌の共通の人物として「有島武郎」をいつかは取上げてみたいと考えています。

今後とも、ご愛読御願いします。

 

クライマーに変身したH氏のHPです。

http://homer.pro.tok2.com/index.htm

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平成17年8月12日配信


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