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鹿島槍ヶ岳(2)
2008.10.11日から12日
妻と二人のパーティー

10月12日(2日目):テント場発(5時00分)→遭難碑(5時22分)→布引山(5時58分)→鹿島槍ヶ岳(南峰)(着:6時46分)→鹿島槍ヶ岳(7時20分発)→布引山(7時57分)→テント場(8時43分:朝食テント撤収)→テント場発(発:9時53分)→冷池山荘(9時58分)→冷池山荘発(10時19分)→赤岩尾根分岐(10時31分)→爺ヶ岳中峰(11時41分)→爺ヶ岳南峰(12時8分)→種地山荘(着:12時49分)→種地山荘(発:13時22分)→登山口(着:15時50分)
5時36分
テント場を出て36分。布引山への途中
この手前に遭難之碑がある。長野側は絶壁である。
長崎県諫早山岳会によって立てられた碑には平成7年吹雪の元旦に遭難したと記されていた。
西から吹き付けるとても冷たい強風の中合掌して、気を引き締め日の出前の暗い稜線を登る。
布引山に登る中で日の出を迎える。
これからしばらくの間この高山に登った者だけが体験できる朝日と山々と雲海とが織り成す一大ページェントが始まる。
背後には立山と劔岳が神々しく聳えている。
日の出前に山頂を目指すのはこの時間の感動を味わいたいが為である。
ご来光には人間の内なる魂を揺さぶる何かがある。
詳細写真
5時49分
布引山(標高:2683m)から望む鹿島槍ヶ岳
左が南峰(2889m)右奥が北峰(2842m)
鹿島槍は非対称の山で西側はなだらかであるが東側は急峻な絶壁である。
山荘からのルートタイムは1時間20分であるが、空身のため1時間ほどで到着。
5時58分
6時37分 夜の冷たい西風で海老のしっぽができている。
鹿島槍ヶ岳へ雲海を背後にのぼる。
背後の雲海が雄大に広がる。
5時にテント場を出て1時間46分程で山頂に着いた。
(冷池山荘:テント場から鹿島槍ヶ岳までのルートタイムは2時間20分)。
6時42分
6時46分 鹿島槍ヶ岳(南峰)山頂 標高:2889m
快晴の雲海の上の山頂に立つ。視界に入る限りの山々が見える。南には富士山、八ヶ岳、南アルプスの全山、北アルプスの槍ヶ岳、そして西には立山劔岳が聳えている。そして北側には北峰の真下にキレット小屋が見え急峻な五竜岳、白馬岳への稜線が望める。
この鹿島槍ヶ岳は劔岳を見る一番のポイントである。
逆光であるが背後に妙高の焼岳、火打岳、妙高山が見えている。
詳細写真
眼下に八峰キレットとキレット小屋。
それから正面の五竜岳、唐松岳、白馬岳と後立山の山々が続く。
詳細写真
6時51分
7時10分 劔岳 標高:2999m
下山してすぐにハイマツの中に白い冬毛を少しつけた雷鳥と遭遇。
詳細写真
8時3分
9時53分 冷池山荘
テント場のハイマツを過ぎると崖の上に建つ冷池山荘
テントを撤収して小屋に向かう。
鹿島槍ヶ岳に登ってくる間に夜露で凍っていたテントもカラカラに乾いていた。
それにしても背後の槍ヶ岳の展望が素晴らしいテント場である。
詳細写真
冷池乗越から爺ヶ岳へのなだらかな稜線。
東側には大町と長野の盆地、その先に富士山、南アルプス。東側には黒部の谷を隔てて立山と劔岳が聳えている。このルートは劔を展望するためのルートの感がある。
爺ヶ岳の北東方面の沢は黒部川に流れ込む棒小屋沢でその合流点が冠松次郎が発見したといわれる十字峡である。
10時51分
11時45分 爺ヶ岳中峰 標高:2669m
爺ヶ岳の最高峰
南峰には沢山の人がいるが北峰は静かな山頂である。
種池山荘
爺ヶ岳を目的に日帰りでくる登山者も多くとても沢山の人で賑わっている。
この日の冷池山荘は予約で一杯であるとのこと。
詳細写真
12時47分
15時6分 紅葉の柏原新道を下る。
詳細写真
柏原新道登山口到着。
標高:1350m 
15時50分
1日目(11日)の夜の冷池山荘上のテント場はとても冷たく強い西風にさらされた。シュラフにシュラフカバーを付けて着込めるだけのものを着て寝た。
また外気温を測るために登山用の時計をテントの外の靴の中において寝たが、朝3時の気温は氷点下5度であった。
しかし、夜半に強風も止み、快晴の星空にもかかわらず朝4時前に妻のシュラフが水浸しになりその冷たさで目を覚ます。それは妻がマスクを付けたまま寝てしまったため、顔は外に出していたがマスク下部から呼気の湿気がシュラフ内に全て供給されてしまい、シュラフカバー、シュラフ、シルクのライナーの全てが結露して水浸しになってしまったものであった。体から出る水蒸気の量も馬鹿にならないものである。標高2460m程の10月の稜線上の幕営の厳しさを体験した。因みに、私のシュラフはホコホコの快適な状態であった。午前4時に山荘に降りるために外に出ると、テントと周りのハイマツはバリバリに凍り付いていた。山荘ではすでにたくさんの登山者が起き出して鹿島槍登頂の準備をしていた。山荘でしばらく身体を温め5時に鹿島槍を目指す。ヘッドランプの灯りを頼りに登る登山道はそれほど危険な場所は無くなだらかな登りであった。次第に東の空が白み、快晴の空に朝日と眼下に広がる雲海の一大ページェントが繰広げられた。
早朝の高山に登ると凛とした朝の空気の中で、ご来光とその後の光の変化を見ることが出来る。これは下界では決して体験することができない登山者だけのものである。
また鹿島槍の山頂からはすぐ隣に立山、劔岳が黒部の谷越に聳え、南には富士山に南アルプス、北アルプスの槍ヶ岳、後立山の五竜岳、白馬岳など見渡せる限りの山岳展望に恵まれた。前日雨の中登ってきたことが報われとても充足感のある登山であった。
1日目
2008年10月12日撮影

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