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========麹町ウぉーカー(麹町遊歩人)No.99=========== 先月の24日に服飾デザイナー「石津謙介」氏が亡くなったニュースを耳にしました。VANというブランドを作り、オックフォード生地のボタンダウンシャツ・ネイビーのブレザー・コットンパンツ・コインローファー等、私自身もすっかりハマってしまったアイビーとかトラッドとか言われる若者文化の作り手でした。高校時代、北海道から修学旅行で上京したとき、少ない自由行動の時間に、当時銀座にあったVANの喫茶店と迎えのテイメン(テイジンメンズショップ)に行ったことを思い出します。「メンズクラブ」等の雑誌を読み漁り、洋服にTPOがあることも、VANへの憧れた時期に自然と覚えたのだと思います。(このTPOという言葉は、「石津謙介」氏の造語です) 「石津謙介」氏は、ファッションだけでなくVANというブランドを通して生活を楽しむという事を目指していたのではないかと思います。石津氏が社長を務めたVANジャケットという会社は、当時では珍しくアメリカンフットボールのチームを作ったり、VAN99ホールというイベントホールを建てたり、普通のファッション関係の企業とは一味違っていました。そして何と言ってもVANのノヴェルティグッズには、遊び心が一杯でした。私が二十代の頃、VANジャケットのグッズを企画する部署に勤めていた先輩から、服装だけでなく、遊ぶことにも拘りを持つことをしっかり教わりました。そのせいか、中年になった今でも『遊ぶ気持』を忘れずにいられるのかもしれません。 私にとって、今でも憧れのVANの創始者「石津健介」氏のHPです。 http://www.microkids.or.jp/ishizu/ H氏も「遊び」に拘って麹町界隈を遊歩したようです。 ====================================== 今回は麹町・四ッ谷界隈の大人の遊び心をくすぐる話題を紹介しよう。 「PIT MINI CAR GALLERY」 ![]() 「PIT MINI CAR GALLERY」は麹町1丁目の交差点を永田町方面に下ると2つ目の信号機の右角にある(千代田区平河町一丁目9-3)。「PIT MINI CAR GALLERY」は英語を読んだ意味のとおりミニカーが狭い店内の壁にぎっしりと並べられている。「KYOSYO」のダイキャスト製ミニカーの500種類以上ディスプレイしている。 「KYOSYO」というロゴは男性であれば一度は目にしたことがあるとおもうが、ここがラジコンカーやダイキャストミニカーで知られる京商株式会社の本社である。 この店の特徴はパッケージを外してシューケースの中にディスプレイしているのが特長である。500種類以上が並ぶとても高級感があるおしゃれな雰囲気を持つ店である。 「ダイキャスト」というのは「ダイキャスティング」の略で、ダイ(Die)=鋳型、キャスティング(Casting)=鋳造すなわち鋳型鋳造のことで、どろどろに溶かした金属を砂などで作った鋳型に流し込み製品を作る方法のことである。それにしてもこれらのミニカーどれも見事である。 男なら誰しも一度はミニカーやラジコンカーにあこがれたことがあるであろう。 「KYOSYO」の商品のミニカー以外にも種類が豊富で自動車、バイク、飛行機にヘリコプター、ボート、ヨット、戦車等のラジコンが揃っている。 「MARE」 ![]() この店は「PIT MINI CAR GALLERY」の前の信号機から一区画、最高裁判所側の角(向かいに「ごくうラーメン」がある)にある帆船等の「シップモデルショップ」である。とても狭い店内であるが、カティーサークやアメリカズカップ艇などの誠に見事な帆船のシップモデルが窓側に飾られている。さらに可愛い船長や水夫の人形や六分儀のレプリカ、コンパス、フラスコボトルなど素敵なマリングッズも豊富で、海洋ポスターもある。平成17年4月にオープンしたばかりのショップである。 そのシップモデルはどれもとても見事で20万円から50万円ほどもするとても高価なものである。 ショーウインドウの前に立ち止まって覗き込んでしまう店である。大きな家に飾るにはいいのかもしれない ショップの説明のチラシには以下のように書かれている。 「当店はフランスの「Abordage (アボダージュ)」社の日本総販売代理店です。Abordage社のシップモデルはアメリカホワイトハウス、フランス上院、ニューヨークヨットクラブ、英国王室ヨットクラブその他世界の著名機関にも展示されているシップモデルメーカーです。日本では当店が国内唯一の販売店です。 今まで日本ではこのような本格的なシップモデルは販売されておりませんでした。それは日本には海を愛する文化がなかったからです。 アメリカ大統領始め世界的に品質が認められている。・・シップモデルをご検討ください。」 ちなみに「MARE」とはラテン語で海を意味するのだという。 このショーウインドウの中に宮崎駿監督の「紅の豚」の中に出てくる赤い飛行艇の「サボイヤS−21」モデルがある。「これは宮崎先生が直接監修ジブリミュージアム展示と同一の市販最後の一機」と説明されている。 東京都千代田区平河町 2-11-11平河町TECビル 1F 営業時間 12:00〜19:00(土曜は18:00)日曜休日 「仙波堂」 「仙波堂」はJR四ッ谷駅の新道通りの突き当りを右折して三栄通りとの間あたりにある斉藤ビルの3階にある。向かいにはリーズナブルな料金で飲み食いできるサラリーマンにはありがたい中華の「俵屋」がある。 このなかなか見つけにくい場所でこのようなビルの3階まで薄暗い階段を上ってキットを買いにくるのはよほどマニアであろう。 平成16年12月に出来た店であるという。狭い店内には戦車に飛行機、戦艦など主に軍用のプラモデルが所狭しと山積みされている。主に戦車が多く品揃えされており、カラーリングする材料も豊富である。私達はプラモデル屋といっているが「スケールモデルショップ」というのらしい。 実際はじめてこの店を見つけて入ったとき「昔はやっていたのだけど今はやっていないという冷やかしの客が多い。」と嫌味を言われてしまった。 宮崎駿監督の「紅の豚」に出てくる紅い戦闘飛行艇があり一緒に行ったT氏が三鷹のジブリ以外では初めて見たととても欲しそうにしていたのが印象的であった。 東京都新宿区四谷1-20-22 四谷斎藤ビル3F 営業時間 12:00〜21:00 定休日 月曜日(祝祭日は営業) 「西南堂」
ここはオートバイのキット専門の店で、狭いながら整然と陳列された店内にはカントリーミュージックが流れておりとても心地よい。 Harley DavidsonやBMWのサイドカーなどとても珍しいモデルが並んでいる。 よく見ているとこの陳列方法がオートバイのメーカーごとにディスプレイされている。普通はモデルメーカーごとに陳列されているが、オートバイのメーカーごとというのが嬉しい。さらに委託で販売するスペースもある。店の前にはお客の本物のオートバイも並んでおりバイク乗り、バイクモデラー、バイクモデルコレクターには有名な店であるという。 新宿区片町2-3 エステート絹1F tel03-3351-3437)営業時間/11:00〜20:00(日祝は19時)、月曜定休(祝日の場合は翌日)
「ザ・ファンテイル」 四ッ谷駅から新宿通を新宿に向かって右側の通りを5分も歩くと「ハーマン」というお洒落雑貨の店がありその路地を隔てた「幸寿司」の2階に「ザ・ファンテイル」がある。通りの向かいには「すし三崎丸」がある。 この店はフライフィッシングの専門店でとても狭い店内であるがフライロッド、リール、フライ、ウェア、タイイングバイス、マテリアル、アンティークリール、アクセサリー等が狭い店内に満ち溢れている。 フライフィッシングというと釣りの中でも難しく、道具と共にかなりの知識とテクニックがいる。用具もかなり高価で初心者用のセットでも3万円から4万円ほどする。それゆえ、大人の釣りというイメージがある。しかし、ロッドを振りフライラインをキャスティングするのはとてもかっこいい大人の釣りである。 新宿区四谷2-9-15-2F Tel 03-3351-7756 11:00〜20:00 日定休 以上5店舗が麹町界隈にある麹町ウぉーカーがお気に入りの拘りの趣味の店である。 プラモデルというと男性諸士は誰もが一度は手にして遊んだ趣味の一つであろう。 子供のころ親から買ってもらった戦車や自動車を食事もとらないで熱中したことを思い出す方も多いのではなかろうか。プラモデル作りの面白さはあえて語る必要はないであろう。緻密さこそ違えども小さなプラモデルや帆船を作り上げていく過程はいつの世も心を熱くしてくれる「男の子」のスマートアイティムである。 ラジコンヘリや飛行機というととても高価で子供の手の届くものではなくまた、昔はエンジンのみで扱いにくいというイメージがあった。しかし、麹町ウぉーカーの自宅の側の綾瀬川の田圃の中では週末ともなるとラジコン機を飛ばしている人が多い。ラジコン機のオーナーたちに話を聞くとモーターのヘリや飛行機が増えてとても扱いやすくなったからこの趣味を始めたと話しておられた。 さらにフライフィッシングはエサ釣りと違って、釣り方をより複雑にして自然と遊ぶためのゲーム性を高めたとても優雅で素敵なスポーツフィッシングである。そのためフライで魚を釣るためには、まずフライラインを操るキャスティングやメンディングを覚える必要がある。 かくいう麹町ウぉーカーは漁師町の出身で子供の頃から磯釣りを楽しんでいたが、物心ついた頃から男の子はモリを持って魚を突くのがいっぱしの男とされていた。しかも、潜ればそこにいる魚を磯の上から釣り糸を垂らして待つというのがどうしても性に合わずに潜って獲る「素潜り漁」を得意としている。その意味から優雅さは微塵もない。 しかし、以前ロバード・レッドフォードが監督し、ブラッド・ピットが主演した「リーバー ランズ スルー イッツ」という映画を見て、ブラッド・ピットのシャドーキャスティングの素晴らしさと映画に感激してその足で釣具専門店に走りフライフィッシングの道具を一式買ってきて妻のヒンシュクを買ったことがある。 転勤先の会津若松周辺はいろんなエリアがあり息子達はルアーフィッシングを楽しんでいた。私はつることを目的としたものではなかったのであるが、裏磐梯桧原湖や曽原湖でキャスティングして楽しんでいた。 大自然のなかで悠然と流れる時間の中に身をおき、静かにキャスティングするのは釣れずとも楽しい時間であった。そして、会津を離れるときに会津高田の友人の住職が私のために沢山のオリジナルのフライを作っていただいたことがある。 今回紹介したプラモデルやフライフィッシングは、今流行りのスローライフの典型である。このメル・マガを読んでおられる方は麹町界隈のオフィスで事業活動の最前線で活躍されている方が多いのかもしれない。このような緊張を強いられる大人であればこそオンとオフを上手に使い分けなければ充実した日々を送ることは出来ない。 「いい趣味が見つからない。」、「不器用で何も出来ない。」などということを耳にすることがあるが、手先が不器用でも、全てを忘れてコツコツとプラモデルつくりやフライ作りなどの物作りや熱中できる時間を持てることは、真の意味のスローライフの答えを見つけられるのではなかろうか。中高年になれば長い人生思うほど長くないが、コツコツと小さな時間を積み重ねれば大変な時間になる。それを無意識に過ごすか、オフタイムを気に入りの趣味に没頭してリフレッシュするかどうかは人生、その充実度においては大きな差となって現れるような気がする。 ちなみに釣りをやらない私が何故フライフィッシングのセットを衝動買いしたかというと「リバー・ランズ・スルー・イット(A
RIVER RUNS THROUGH IT)」という映画の最初の場面に「魚を知らないものが魚を釣ることは、魚に対する冒涜である。」という台詞に感動したからである。この台詞は私がアウトドアの用具がまだアメリカから通信販売で入手していた頃にコールマンの英語のカタログにあった「信頼できる道具は熟練した手によってのみ無敵の道具となる」というコールマン氏の言葉と共にアウトドアを楽しむ上での教訓になっている。 ====================================== 6月3日というか、4日早朝、サッカーワールドカップ予選日本対バーレーンの試合をテレビ観戦しました。アウェイでしたが見事勝利を掴み、6月8日の北朝鮮との対戦でドイツへ行けるかどうかが決まるそうです。・・・・・ドーハの悲劇のときも真夜中にテレビ観戦していました。もう、あんなに落ち込んだ気持になるのはゴメンです。ガンバレ日本!! H氏のホームページの中では、アウトドア(登山・バラの花)が絶え間なく更新されています。 http://homer.pro.tok2.com/index.htm メルマガの登録解除・バックナンバーはこちらへ http://www.mag2.com/m/0000073086.htm |
平成17年6月5日配信