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===========麹町ウぉーカーNO30=============
時々、朝早く市ヶ谷で地下鉄を降りて、麹町まで日テレ通りに沿っている裏道を歩いて出社します。感心するのは、どこもゴミが整然と出されていること、大きい屋敷が多いのですがみんな家の前が綺麗に清掃してあることです。 涼しくなったこともあって、気持ちよく歩くことが出来ますよ。 さて、私どもウぉーカーにとっては最適の季節、秋がやって参りました。 先日、夜の麹町をH氏と散策(?)しておりましたら、四番町図書館の前に出ました。夜の6時半過ぎでしたが、まだ開館中です。 昔は、今ほど各所に図書館など無く、あっても静かに勉強するところというイメージでした。 今の図書館は違います。私の住まい近くの図書館には、漫画・ビデオ・音楽CD・新聞・雑誌と、なんでもあって、土日の午後は家族連れで随分と賑わっています。 でもやっぱり図書館です。小さな子供たちもそれなりに気を使って静かに本を読んでいました。 かえって、たまに来て寝入ってしまったお父さんの大きな鼾が館内に響いてびっくりしてしまいます。 「読書の秋」を図書館で過ごすのも、落ち着いていいかもしれません。 文人の町、麹町・番町の図書館は、最近できた東京近効の図書館とは少々趣きが違うようです。 (大) =================================== 四番町歴史民俗資料館 写真へ 一番町の南法眼坂を上り、その先の行人坂を下るとそこが「千代田区立四番町図書館」(四番町1番地)である。 中に入ると江戸城を中心とする大きな古地図がかけられている。 この図書館は小説などの蔵書の他にさすが千代田区とうなりたくなる 江戸の歴史・風俗に関する蔵書が多い。 「泉鏡花の旧居跡」(NO16)のときに紹介した麹町・番町界隈に住んだ泉鏡花の住居跡、武者小路実篤、有島武郎などの文人が住んだ場所の小路の地図はここに掛けられている。 ここは、図書館であると共に「千代田区立四番町歴史民俗資料館」である。 入り口の左側が展示室になっており、千代田区内で発掘された江戸時代の屋敷跡から出た什器・物品や江戸時代の風俗生活を紹介したさまざまな展示が行われている。地下には常設展示場があり江戸と東京の生活が展示されている。 今、この資料館では10月20日まで「〜江戸の遊び〜 千社札」という企画展が開かれている。 お寺や神社に行くと梁や柱に貼られている独特の江戸文字で書かれたあの千社札である。 ところがここに展示されている千社札は文字が書かれたばかりのものだけでなく役者絵などの絵柄もあるカラフルな札が並んでいた。 この麹町ウぉーカーの編集長の奥様によると、本来、寺社に貼られる千社札は「貼り札」といって文字だけの単色の札であり、絵柄のものは「交換札」といって千社札の愛好者が粋を競って交換するものであるという。
それゆえ寺社に貼られた札の白紙の部分が風化して墨の部分が残って「抜け札」となることがあるが、愛好家にとってこれが自慢なのだという。 「抜け札」は墨に含まれる膠(にかわ)の成分によるものであり、他の染料では絶対にできないのだという。 信仰の手段として寺社に奉納する「納札」の他に、自分の札の出来栄えを競うために千社札を交換する「交換札」が江戸の庶民の娯楽として栄えてきたという。 現在でも多くの愛好者が交換札を行っており、神田明神の本殿の裏手には千社札の愛好者が建てた「納札碑」がある。 この展示の中で目を引いたのが一枚の古びた「麹五吉」と書かれた国立国会図書館にある札である。この札は千社札の元祖とされる人物で麹町5丁目に住んでいた「吉」の字のつく者であるといわれる。全国で見られる千社札の普及はここ麹町が大きな一翼を担ったのだという。 ところで神社やお寺に行くと、とんでもない高い柱や梁に貼られている札を見かけて「どうやってこの札を貼ったのだろう。」と思ったことがあるのではないだろうか。ここに来てその方法がやっと分かった。振り出し式の釣竿の先にブラシを着けてスルスルと先端を延ばして貼るのである。目立つところには勿論、また目立たないところにもセンスよく貼るのだという。 この企画展をみて江戸の文化、粋というのものを少しだけ感じられたような気がした。 最後に四番町歴史民俗資料館の開館時間を記しておく。
この平日7時までというのが嬉しいですね。千代田区に勤めるビジネスマンが仕事帰りにふらりと寄り、江戸の歴史と粋を楽しむことができるのですから。 ちなみのこの千社札の企画展の情報は街角に立っている「千代田区広報板」に貼ってあったポスターで知りました。 =================================== 落語・お祭り・千社札・・・・・と、 東京じゃなくて「江戸」に嵌りつつある、麹町ウぉーカーです。 千社札に興味のある方は、このHPへどうぞ。 かなりマイナーな内容です。 メルマガのバックナンバーは次のアドレスへ |