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 ==========麹町ウォーカーNO13===========

あけましておめでとうございます。

正月といえば門松をたてますが、それはその年の神様をお迎えする目印であり、

神様がお降りになったときに宿られる場所だったといわれています。

もともとは常緑樹である榊や杉も使われていたようです。

ところで千代田区の木は黒松で、皇居前広場にも多くの黒松が植えられています。

また麹町五丁目の弘済会館前の和風小公園も枝ぶりのいい黒松が植えられています。
ということで年初に相応しく盆栽の話を紹介しましょう。         

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市ヶ谷駅前の明光商会ビルの中に「高木盆栽美術館」(五番町1−1)があるのを

御存知でしょうか。(麹町大通りから日本TV前を市ヶ谷駅方面へ徒歩10〜15分)

株式会社明光商会社長「高木禮二氏」のコレクションを中心として財団法人高木伝統園芸文化振興財団が運営している盆栽の美術館である。

昨年暮れ、私と編集長はこのメールマガジンの読者に頂いた招待券を持って雨の中高木盆栽美術館

ここを訪ねた。受付でそれを渡すとパンフレットとパウチ処理された立派な栞と共に2階にある喫茶室の飲食サービスのプリベートカードを渡されエレベーターで9階に案内された。

そこは、瓦がかけられた白壁に囲まれた庭園である。

(かけい)から流れ出る水が蹲(つくばい)に落ち、そこからこぼれ出た水が庭園の玉石を沈め、池のようになっている。

中央には、樹齢500年の銘が「千代の松」いう五葉の松の大きな盆栽が置かれている。その左前には「北斎」という銘の白く枯れた柏の古木から重さを感じさせる枝が右に伸びた、葛飾北斎の浮世絵を連想させる盆栽が置かれていた。

そして8階にはそれ以外の立派な盆栽が展示されており、若い物でも50年、200から500年ほどの樹齢を持つ盆栽が薄暗い展示室内にゆったりした間隔を置いて展示されている。

一つ一つの盆栽の前に立つと何百年もの風雪に耐えながらもその先の若々しい緑の葉を持つ生命力に圧倒され、その盆栽を高い目線から見ることがはばかれる。

そして目線を盆栽の幹の高さに移すと、歳月の織り成す自然の美しさ、力強さ、荘厳さに言葉を失う。

盆栽は小さいながらも生命力が満ち溢れており、一つ一つの盆栽の間隔が相応の

間隔を取って置かれていないと息苦しくなってしまいそうである。

一つ一つの盆栽が時間と生命という小さな宇宙を形づくっていることが実感できる。

 

実は、ここを訪れるまでは盆栽は多少爺臭い趣味というイメージを持っていた。

それは大きな誤りであることを痛感した。

大きなエネルギーを与えられるものなのである。

 

この展示場の奥のドアからはこれらの盆栽を育てる培養場を見学することができる。

その数の多さにビックリする。

屋内に展示されている盆栽は育成のために毎週1回入れ替えをしているという。

 

6階には特別展示室がありその日は「浮世絵に見る盆栽」のテーマで展示がなされていた。私は浮世絵を本で見たことがあるだけで実物を見るのは初めてであった。

晴信、広重など、浮世絵の色の鮮やかさに驚かされる。

紙自体は古びているのであるが肉筆画の日本女性のたおやかな美しさ、優美さが伝わってくるから不思議である。

さらにここには多くの盆器も展示されている。初めて古伊万里の盆器を見た。

古びた中に他を寄せ付けない紺の美しさ凛とした威厳がひしひしと伝わってくる。

やはり本物を見る目は本物でしか養えないということを実感させられる。

 

高木盆栽美術館の獅子像

最後に2階の喫茶コーナーで最初に頂いたプリベートカードで自動販売機のコーヒーを頂き、
展示室で明光商会のシュレッダーの変遷を見学した。

 

五番町の明光商会ビルの中にこのような別世界があることに驚かされる。

入館料は800円であるが決して高くはない。

これから時間を見つけては通ってみたい場所である。

我々は、昼休みの短さを恨みつつここを後にした。

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正月は、『松』で決まり・・・と、H氏と行った「高木盆栽美術館」でした。

盆栽に感動する歳になってしまったのかどうかは別として、短い時間で別世界を堪能できます。

閉館時間が平日午後5時と早く、我々サラリーマンは昼食時しか行く暇がありません。

なんと、短いことか。

「高木盆栽美術館」のHPです。是非訪問してみてください。

http://www.bonsaimuseum.org/j/index.html 

 

H氏のHPも、スキーシーズン到来です。


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