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南郷村旧伊南村旧舘岩村

(平成18年3月20日に三村に田島町が合併して南会津町になりました。)

旧南郷村

この村は会津から田島町を過ぎて駒止峠(コマドトウゲ)を越えると只見から桧枝岐につながる沼田街道と合流するところにある小さな町である。高級トマトを産する町である。雪が多く、平成11年1月には1日で1メートル20センチ以上積もり、その日のニュースでは全国で3番目の積雪だと伝えていた。私はその翌日に仕事でこの町の取引先を訪ねた。当然長靴をはいての営業でありそれが誠に自然なのである。「この雪の中良く来たな」と歓迎された。

ここはお酒の美味しい会津の中でも「花泉」という清酒で有名である。私もその話を聞いたため新酒が出る頃になるとこのエリアを担当する社員に頼んで買ってきてもらっていた。会津でも買うことができるが値段がかなり高くなるようである。会津には酒蔵が多く蔵の軒下に杉の葉を丸めた酒林が下げられている。新酒が出はじめるとどの酒屋にも「花泉入荷しました。」という札がかかり会津に新酒の季節を告げるのである。

旧伊南村

この村は尾瀬の入り口である檜枝岐村の手前の村で只見川の支流伊南川沿いにある村である。町の中には民宿が多いので聞いてみると、釣り人が利用する民宿だという。この伊南川は東北でも屈指の鮎の宝庫なのである。

そういえば98年NHK教育テレビの趣味の講座「釣り入門」の1回目はこの伊南川での川釣りだった。ここの鮎の解禁は7月中旬と遅いため鮎がほかの川より大きく育っているという話を神奈川県から毎年仕事を休んで釣りに来ているという人から聞いた。この人は「伊南川の鮎は日本一だよ。」といっていた。

伊南川の沿って尾瀬へと向かう道は旧沼田街道である。沼田街道を尾瀬に向かって進むとこのあたりで唯一の大きな交差点に行き当たる。その道を左折すると会津高原を経て那須塩原、鬼怒川、日光方面へ続いている。

そしてその先に「高畑スキー場」があるがこれがなかなかコースレイアウトがすばらしくファミリーから上級者まで楽しめるスキー場である。

このスキー場の近くに歌舞伎舞台「大桃の舞台」がある。杉木立に囲まれてひっそりとたっている。この舞台の藁葺き屋根の造りが独特で趣がある。紙で作った兜の形をした屋根といったイメージである。このあたりは藩政時代、「南山お蔵入り」といわれた天領であり、それぞれの場所で歌舞伎がおこなわれていた名残である。

少し進み檜枝岐村に入る手前のスノージェットトンネルの中ほどに突然左折できる場所がありそれを入り橋を渡ると「小豆温泉」がある。ここの「窓明けの湯」は男女いずれも大きな湯船を持ち一番の特徴は桧枝岐川を隔てた向かいの山の四季の移り変りを楽しめることである。この向かいの山は切り立って湯船から空を見上げることすら難しく、春先には萌え出でる木々の緑を、秋は一面を染める紅葉を、冬は雪景色を楽しむことができる。

旧舘岩村

この村は田島町の南に位置している会津高原のたかつえスキー場のある場所である。

スキーシーズンになると浅草を夜中に出て会津高原ですべるスキー列車が出る。その目的地がこの「たかつえスキー場」と会津田島町の「大鞍山スキー場」である。

さらに関東から桧枝岐村を経て尾瀬に入る入り口でもある。このスキー場は上部に少し急斜面はあるもののほとんど緩斜面の初心者向けのスキー場である。

この舘岩村はなんといっても木賊温泉と前沢集落の曲屋であろう。木賊温泉(トクサオンセン)は川沿いに簡単な風よけがあるだけの混浴の露天風呂で人気のある秘境の温泉である。

前沢の曲家集落は東北地方に良く見られる家畜と住居を共にするL字型の茅葺屋根の農家であり、集落の入り口に水車小屋がある風情のある場所である。とはいえ東北の山深い田舎の原風景がそこにあるだけなのであるが。



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