伊奈町の石仏のTOPへ戻る 埼玉県北足立郡伊奈町(伊奈町見聞記)

伊奈町の石仏理解のための用語

石仏を調査する上でどうしても難しい言葉に遭遇します。
宗教学事典などからこのHP理解するうえで必要な用語を拾ってみました。
必要に応じて追加して行きます。従って出てきた順です。(2003年3月7日)

ここに来たサブページに戻る場合にはブラウザの「←」で戻ってください。
1 如来(ニョライ) 仏の最高の位にあるもので、修行により悟りの理想的境地、真理の境地から人間を救うために
迷の世界に来た人を意味する。
2 地蔵菩薩 「菩薩」は悟りを求めるものの意味。菩薩は如来になるための修行の身でありながら人を
救おうとする者
釈迦が入滅した後、弥勒仏が現れるまでの間にこの世に現れて人々救う菩薩。
3 六地蔵 地蔵菩薩は人が生前の行いによって、死後の6つの六つの世界を輪廻転生することから救う
ことから6つの分身と考えられている。(地獄道、飢餓道、畜生道、修羅道、人間道、天道)
地蔵種類 地持地蔵(両手で念仏をもつ)、陀羅尼地蔵(右手は施無畏印、左手は引摂
(インジョウ)印を結ぶ)宝性地蔵(合掌する)、鶏亀地蔵(右手に錫杖、左手に如意珠をもつ)、
法性地蔵(両手で香炉を持つ)、法印地蔵(両手で幢幡「トウバン」を持つ)
*無畏施=仏・菩薩が衆生(しゆじよう) のおそれを除き、救うこと。
*引摂=仏が衆生(しゆじよう) を救いとって極楽へ導くこと。

*幢幡=飾りのある竿柱に長方形の美しい布をたらした旗。
4 十三仏 13の仏の名前を唱えると初七日から33回忌までの追善供養を一度にできるという民俗信仰。
13仏とは不動明王(初七日)、釈迦如来(27日)、文殊菩薩(37日)、普賢菩薩(47日)、地蔵
菩薩
(57日)、弥勒菩薩(67日)、薬師如来(77日)、観音菩薩(100日)、勢至菩薩(1年)、
阿弥陀如来(3年)、阿○如来(7年)、大日如来(13年)、虚空蔵菩薩(33年)。
これを「ふーどおーしゃーかもーんじゅふー・・・」と頭の部分のみ節を付けて13回繰り返す。
現在でもお通夜で唱えられる。
5 巡拝搭 聖地を巡拝した記念に建てた搭。
6 宝篋(キョウ)印搭 宝塔、多宝塔ともいう。
搭自体が大日如来をあらわす。基本的には上から相輪、笠、搭身、基礎からなる。
7 廻国搭 法華経を66ヶ所の霊場に奉納するために全国を回ったことを示す搭
8 読誦搭 「どくじゅとう」と読む。特定の経を読誦した記念に立てたもの。
「読」はお経を見て読むこと、「誦(ジュ)」は経文を見ないで読むことである。
9 馬頭観音 頭に馬頭の冠を戴き、怒った姿で現れる。初期は念仏供養や橋や道路の供養のために建てら
れたが時代が下ると馬の供養のため建てられたという。
馬頭観音と文字が書かれた文字搭と像が描かれた像搭がある。伊奈町にあっては1803年以降
(享和3年)は全て文字搭になっているという。文字搭が新しい。
調べてみると江戸の中期までは序が描かれており1800年以降は文字の馬頭観音であった。
像搭は顔が一つに手が二つ、四つ、六つなどがある。
10 聖観音 千手観音、如意観音、馬頭観音などの変化観音のもととなる観音様。人々のいろんな願いを
かなえるため33の姿になって現われるという。この化身がもととなり「西国33観音霊場」ができた。
11 光明真言搭 光明真言は天台宗や真言宗で常用されている陀羅尼(*ダラニ呪文のこと)です。
光明真言を加持し(神仏の加護を祈ること)、その土砂を遺体または墓地にまけば、死者の罪は
消滅し、極楽往生が約束されるという教えが伝えられ、実施されていました。
これから唱える光明真言は、大日如来にあまねく仏門に導くところの限りなく徳の力を、23の文字に
まとめたものである。心を無にして、それに集中して唱えるれば、仏の光明に照らされ、迷いの霧が
自然と晴れて、本来の清らかな心が明かとなり、曇りのない月のように円くなるであろう。
凡字で「大日如来よ智慧と慈悲を賜りお救いください。」という意味らしい。
陀羅尼(ダラニ)教えの精髄を凝縮させて含んでいるとされる言葉。教えの真理を記憶させる力、行者を守る力、
神通力を与える力があるとされる呪文。訳経において意訳せず、梵語音写のまま唱える。
12 庚申塔 60日に1度巡って来る庚(かのえ)申(さる)のときに、その夜一晩眠らずに過ごし、健康長寿を
祈願する庶民信仰。人の体には三匹の虫がいて、庚申の日に寝てしまうと。その虫が天帝に人の
罪を密告し、命を短めると信じられた。病魔・病鬼を払い除くといわれる青面(しょうめん)金剛像が
怖い顔で邪鬼を踏みつけ、謹慎の態度を表すという三猿をさらに猿や月、太陽が彫られている。
13 大日如来 宇宙を仏格化した密教の本尊。仏が放つ光(光明)が昼と夜の区別がある日(太陽)の神の威光を
上回る事から日の上に大を付けて大日如来といわれる。
智を象徴する「金剛界大日如来」と、理をつ象徴する「胎蔵廻大日如来」の二つの姿を持つ。